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【2010 FIFAワールドカップ南アフリカ アジア3次予選 日本代表 vs バーレーン代表】レポート:90年イタリア大会以来のアジア予選最初のステージでの敗戦。南アへの道のりの厳しさを改めて実感させたバーレーン戦(08.03.27)

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3月26日(水) 2010 FIFAワールドカップ南アフリカ アジア3次予選
日本代表 0 - 1 バーレーン代表 (23:20/バーレーン)
得点者:77' アラー・フバイル(バーレーン代表)

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「今日は相手より走っていなかった。引き分けでいいと思った時点でダメ。走るのは気持ちがあればできること」と遠藤保仁(G大阪)が苦言を呈する一方で、玉田圭司(名古屋)も「今日は相手が強かったというより自分たちがよくなかった。見ていて歯がゆかった。結果は前向きに捉えるしかないけど、この試合のことは絶対に忘れちゃいけない」と険しい表情で話す。日本代表選手たちは一様に不完全燃焼感を露にしていた。

 26日の2010年南アフリカワールドカップ・アジア3次予選第2戦・バーレーン戦(マナマ)に挑んだ彼らには、確かに「怖さ」が感じられなかった。序盤から相手のロングボールサッカーにお付き合いし、自分たちのスタイルを見失った。オシムジャパン時代から積み上げてきた「人とボールの動くサッカー」も、岡田武史監督の提唱した「接近・展開・連続」も影を潜めていた。前半のシュート数はわずかに2。押していたのは、明らかにバーレーンの方だった。

 そんな展開が最初から最後まで続いたら、辛抱し続けていた守備陣にもいつかは綻びが生じる。阿部勇樹(浦和)と川口能活(磐田)のミスが重なって後半32分にA・フバイルに1点を奪われたのは、むしろ当然のなりゆきだったといえるだろう。
 日本代表がワールドカップ予選の最初のステージで黒星を喫したのは、Jリーグ発足前、90年イタリア大会1次予選・北朝鮮戦以来。その相手が新興国・バーレーンというから衝撃は大きい。5度の挑戦で2度、日本に土をつけたバーレーンのミラン・マチャラ監督は「2月の我々とオマーンの試合もどちらが勝ってもおかしくなかった。日本もオマーンのアウェイ戦は難しい試合になるだろう」と不気味にコメントした。現状では最終予選進出可能なグループ2位以内にいるが、今後の展開が不透明になったのは事実。6月の残り4試合に向け、チーム立て直しが急務の課題になってきた。

 26日のバーレーンナショナルスタジアムは予想外の暑さに見舞われた。17時20分のキックオフ時は約30度。ピッチ状態も悪く、日本にとっては厳しいコンディションとなった。それでも最低限勝点1は確保しなければならない。指揮官の採った布陣は予定通りの3−5−2。ただし、右サイドは駒野友一(磐田)、左サイドは安田理大(G大阪)、FWは大久保嘉人(神戸)と巻誠一郎(千葉)の2トップと、予想とは微妙に違っていた。一方のバーレーンも3−5−2。形は同じだが、彼らはマンツーマンディフェンスで日本のよさを徹底して消す作戦に打って出た。

 百戦錬磨の敵将の策は見事に的中。日本は思うようにパスをつなげない。厳しいプレスを嫌がり、苦し紛れにロングボールを蹴ってしまったのだ。「前半30分までは蹴り合いになってしまった」と岡田監督は反省したが、これはまさにマチャラ監督の思い描いたもの。得点を期待されたトップ下・山瀬功治(横浜FM)も大久保も前線でボールを触れず、巻はDFと競り合うだけで精一杯。リスクを冒して強引に攻めようとする相手に比べて、前半の日本はあまりに淡白すぎた。

 それでも岡田監督は「後半になれば相手の運動量が落ちてくる」と楽観的だったようだ。が、バーレーンの勝利への執着心はすさまじかった。後半3分にイスマイル・ハサン(11番)が左サイドから挙げたクロスのこぼれ球をチャド出身のオマル(15番)がシュートし、ポストを叩いた決定機などは、彼らに大きな自信を与えたはずだ。
 前半からの悪い流れを修正するため、岡田監督は後半11分、山瀬に代えて遠藤を投入。彼がボールを落ち着かせ、やっと日本のリズムになり始める。前半は中村憲剛(川崎F)がゲームメイクにパスに前線への飛び出しにと孤軍奮闘していたが、遠藤との連携から新たなチャンスを作り出すようになる。右サイド・駒野の攻め上がり回数も大幅に増えた。この時間帯に思い切ってジョーカーの玉田を出していれば、日本が1−0で勝っていた可能性もある。しかし岡田監督は動かなかった。この采配が勝負の1つの分かれ目になったといえるかもしれない。

 リズムをつかみきれなかったことが、A・フバイルの決勝点につながった。イスマイル・ハサンがハーフウェイラインぎりぎりのところまで走ってクロスを挙げた時、阿部は外に出たと判断して彼を追うのを諦めてしまった。さらに川口も中途半端にボールをクリアしてしまう。「タッチなのか、パンチなのか、うまく判断できなかった。自分の力不足です」というミスの結果として、ボールはA・フバイルへ。彼と競り合った今野泰幸(F東京)も間に合わなかった。得点の瞬間、スタジアムは異様な熱気と興奮に包まれる。バーレーン人の大歓声で騒然となる中、日本は1点を追わなければならない。だが後半37分に投入された玉田も時間が少なすぎた。「点の取れない日本」は最後まで相変わらずだった。FW陣の手薄感を何とかしないと、最終予選どころか、3次予選突破も危うい。

 気になったのは、敗戦の瞬間、日本選手たちがサバサバしていたこと。その姿は、数人が倒れながら歓喜の雄叫びを挙げるバーレーン選手とは対照的だった。岡田監督も「最後に油断が出た」と話したが、チーム全体にどこか「甘え」があったのかもしれない。「今回は高原直泰(浦和)も稲本潤一(フランクフルト)も中村俊輔(セルティック)もいなかった」という言い訳は通用しない。サッカーは戦いだ。勝利への渇望を表現しないチームは勝てない。それを再認識しなければ、南アフリカ行きの切符など得られないだろう。
 とにかく今は冷静に敗因を分析すること。そしてチームを再構築することだ。指揮官も強調するように、幸いにして時間はある。メンバーの入れ替えも可能だ。岡田ジャパンはこの悔しい敵地での敗戦をいい教訓にするしかない。

以上
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