3月30日(日) 2008 J2リーグ戦 第5節
鳥栖 1 - 1 熊本 (13:03/ベアスタ/6,201人)
得点者:24' 金信泳(鳥栖)、60' 高橋泰(熊本)
----------
今節を迎えるまでは、鳥栖は無敗・無失点を続けていた。当然のごとく、誰もが鳥栖の粘り強い守備を期待していた。
熊本は、チーム全得点をあげている高橋泰のゴールに期待がかかっていた。
ベストアメニティスタジアムに集まった6,201人の観客は、鳥栖の堅固な守備を熊本の高橋がどのように破るのか楽しみにしていたに違いない。そして、終わってみるとその期待通りの結果を見ることになった。
試合前からの激しい雨と風は、お互いのプレーに微妙な影響を与えていた。
前半風上を取ったのは鳥栖。サイドを使って熊本陣内に深く入ることができていた。細かなパスをつないではクロスを送り、ロングボールでは、DFの裏を狙って蹴りこんだ。
その狙いが的中したのは24分のこと。
ハーフラインライン手前でボールを受けた衛藤裕(公式記録では加藤秀典)が、風に乗せて熊本DFの裏へ出した。そこに走り込んだのは、金信泳。熊本DF河端和哉とうまく身体を入れ替えて、GK吉田智志の上を狙って柔らかいボールをゴールに運んだ。強靭な身体を上手く使い、長い足を伸ばした彼らしいゴールと言える。
これで、完全に流れは鳥栖に傾いたが、追加点が奪えなかったことが、後々に響くとはこの時は誰も思わなかった。34分には、右サイドから清水康也がゴール前に走りこんだ高地系治へ絶妙のパスを出してスタンドを沸かせた。
前半を終了してのシュート数は、鳥栖の7本に対して熊本は3本と鳥栖が優位に進めていた。
しかし、後半に入ると形勢は一気に逆転した。風下に回ったことも影響しているだろう。熊本が、ロングボールだけでなく、細かなパスをつないだこともあるだろう。でも、一番の原因は前半を1得点で終了したことだった。
開幕戦(山形戦)も第3節(C大阪戦)も、終了間際に劇的なゴールで勝利した。第4節(横浜FC戦)は、勝ってもおかしくない内容で進めた。今節は、前半に先取点をあげて、鳥栖ペースで試合を進めることができるはずだった。
「風下になった状況の中で、それなりの試合運びができなかった」(高橋義希/鳥栖)ことで、熊本に追いつかれたのである。60分に福王忠世(熊本)のセンタリングは、左サイドからゴールを横切るように出された。DF高地の上を越えて、FW高橋泰(熊本)のヘディングシュートにつながった。ボールは、GK赤星拓の頭上を越えて今季の初失点となった。この初失点は、熊本には勝点1が加わる同点弾でもあり、鳥栖が勝ち点2を逃すゴールでもあった。
試合後、岸野靖之監督は「先制点をあげたなら、勝たなアカンでしょう」と小さな声で振り返った。「逆転されてもおかしくない内容だった」と伏目がちに言葉を続けた。それが、今節の鳥栖のすべてと言って良い。
取れるときに取っておかなければ、このような結果を招くことは、サッカーでよくあること。長いシーズンを戦ううえでの貴重な体験をしたと考えて、次節に気持ちを切り替えたい。開幕から4試合を終了してまだ負けてはいないことが、今節の収穫だったと納得しよう。
この借りは、次回の熊本戦で倍にして返すことができるだろう。キャンプ中でのトレーニングマッチで、熊本に負けたことで課題が見つかり、開幕からの無敗記録を更新することができていることも忘れてはいけない。今節の引き分けは、新たな快進撃を続けるための試練ととらえよう。
新しい九州ダービーの歴史が始まった。J2に新規参入した熊本との長い歴史の1ページ目が記録された。この悔しさは次回への励みとなり、過日の思い出となる。
熊本サポーターの皆さんと共に歴史を飾っていこう。
サッカーには、涙も喜びも隠されている。
以上
2008.03.30 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第5節 鳥栖 vs 熊本】鳥栖サイドレポート:負けなかった鳥栖、しかし後味が悪く悔いが残る内容。追いついた熊本は次につながる内容。今季初の「九州ダービー」は、ドローで終了。(08.03.30)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













