4月2日（水）J1 第4節 大宮 vs 名古屋（19:00KICK OFF/ＮＡＣＫ）
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　敗戦や、引き分けなど納得のいかない結果をポジティブに捉えたい時に使われる常套句に「次につながる試合だった」という言葉があるように思う。だが、前節清水戦後に樋口靖洋監督が口にした「チームコンセプトを今季いちばん表現できた試合。次につながる勝点１」というコメントは、言葉通りにとることが出来るだろう。決して、ただポジティブに捉えたいからというわけではなく、実際に手ごたえのある試合だった。清水という強豪チーム相手に練った対策もある程度実った。高さと強さを誇る守備陣相手に、大宮の機動力が生きることは実感としてわかった。無得点という意味では悔いも残るが、カウンターを食らっても相手にゴールを割らせることはしなかった。何よりも試合終了間際にはマルコス　アウレリオが得たＰＫでの心理的駆け引きに江角浩司が見事に勝利して見せている。
　中２日で迎える名古屋戦、フィジカル的に厳しくないといえばウソになるだろうが、その流れを断ち切らないためにはこのショートスパンでやってくる試合は有効かもしれない。

一方、迎える名古屋も好調だ。今季５戦中１敗しかしておらず、リーグ戦は△○○という流れ。第３節を終えた時点にすぎないが、３位に立つチームだ。その数字に見合うだけの内容を伴っているように思える。前節もチームとしての前線からの守備が機能し、大分に攻撃の形を作らせなかった。大宮が単純なカウンターを仕掛けることは難しいだろう。また、代表帰りの玉田圭司のキレも際立っているように見える。一筋縄ではいかない、そんな相手だ。

今節、大宮がもう一度見つめ直したいのは、得点力という部分になるだろう。単純なカウンターだけでなく攻撃のバリエーションがあることも、それがある程度の相手に通用することも実証済み。あとは、最後の最後、得点というところになる。前節、多くのチャンスに絡んでいる内田智也も「得点の部分を突き詰めたい」と話す。藤本主税が負傷し、先発のチャンスをつかんだ格好の内田。指揮官もそのウラを突くランニングとスピードあふれるプレーを認めるが、「最後が課題」とも指摘する。ピッチで見せる躍動感、スピード感は昨季の大宮にないもので、その彼が得点までも決めることになれば確実に今季の象徴的なチームの中核となるだろう。
　もちろん、チームとしての得点力が先決であり、「ポゼッションはできるがフィニッシュが少ない」と指揮官が挙げる課題は今季始まって以来、一貫している。そう急に変わるものではないだろうが、少しずつ見える変化を信じていきたい。

　名古屋との昨季の対戦成績はリーグ戦で１勝１敗。前半戦（６節）では、リーグ戦初勝利を挙げながら、アウェイに乗り込んだ後半戦（２８節）は衝撃的な５失点を食らっている。今季は、いまさら言うまでもないが両チームとも指揮官も変わり、スタイルも変えつつある。
　名古屋を初めて迎えるNack5スタジアムで、力を見せつけての勝利をあげ、連戦を乗り切りたいものだ。

以上