4月12日（土）J1 第6節 千葉 vs 大宮（16:00KICK OFF/フクアリ）
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　前節は鹿島に１−４で完敗し、リーグ戦は２分３敗の１７位と、依然として勝ち星がない千葉。前節は立ち上がりから１５分は攻守ともに悪くない試合運びだったが、１６分に鹿島のＦＷ田代有三にゴールを許して失点。これを契機に攻守両面で後手にまわる形となり、結果的に鹿島にはシュート９本で４点と効率よく得点されてしまった。

　試合後に千葉のＭＦ下村東美が「守備は組織に全然問題がないわけではないけれど、今日に関しては個の部分での問題が大きかった」と話したように、失点シーンはいずれもシュートを打ったＦＷへのマークが甘く、完全にフリーにしていたものもあった。確かに、試合ごとにスタメンの１１人が入れ替わり、システムも４バックと３バックを併用するなど連係にも課題がある。だが、責任を持って相手をマークして動きを封じるというプレーは、連係云々以前に重要なものだ。千葉が今節で対戦する大宮は、前節の大分戦をボランチのＭＦ斉藤雅人のミドルシュートによる２得点で勝った（スコアは２−０）。今季の千葉はミドルシュートによる失点が多いが、ボールを保持する相手選手、もしくはボールに反応する相手選手にしっかりと体を寄せてブロックしなければ、また同じ轍を踏むことになる。

　大宮は、前節で開幕戦以来の勝利を獲得し、２勝１分２敗で９位。樋口靖洋新監督のもと昨季と同じ４−４−２システムながら、守備的なサッカーから攻撃的なサッカーに移行中だ。とはいえ、昨季に見せた前線から連動した激しいプレスは健在。高い位置でボールを奪ってカウンター攻撃に持ち込むのが狙いだ。前節は、ボランチのＭＦ片岡洋介に代わって斉藤が今季初スタメンで起用されたが、樋口監督の采配が見事に結果につながった。
　ＭＦ藤本主税、ＦＷ桜井直人という攻撃のキーマンが負傷欠場中だが、本来は藤本が入る右サイドハーフではＭＦ内田智也がプレー。２トップには、前節のスタメンのＦＷ吉原宏太とＦＷデニス・マルケスのほかに、これまでＦＷペドロ・ジュニオール、ＭＦ土岐田洸平などが起用されており、樋口監督の今節のチョイスに注目が集まる。

　千葉のリーグ戦５試合の通算得点は３点で、うち２点はＦＷ巻誠一郎（いずれもＰＫ）、１点はＣＫ後の流れでＤＦ斎藤大輔が取ったもの。攻撃は守備以上に連係不足で、深刻な得点力不足だが、前節で後半から出場したＭＦ馬場憂太のパスワーク、ＦＷ苔口卓也（前節は千葉移籍後のＪリーグ公式戦初出場）の縦への突破には、ささやかながらも光明が見えた。また、負傷箇所が回復したＦＷ新居辰基は４月６日の浜松大学との練習試合で得点するなど、攻撃陣の駒は揃いつつある。「一緒に練習していなかったので、アイコンタクトなど（の連係）はやっていくうちに出てくると思う」（苔口）にしても、まずは選手個々が「点を取って勝つんだ」という気迫のこもったプレーを攻撃で見せてほしい。前節のように強い意志が感じられない消極的な攻撃では、大宮のプレスの網にはまってしまう。
　今節は、千葉のＧＫ立石智紀、大宮のＤＦ冨田大介が、出場すればＪ１通算１００試合出場になる。冨田には非常に申し訳ないが、個人的には苦労人の立石が今季のリーグ戦初勝利という花が添えられた１００試合出場を喜ぶ笑顔が見たい。

以上

2008.04.10 Reported by 赤沼圭子