4月12日（土）J1 第6節 東京Ｖ vs Ｆ東京（17:00KICK OFF/味スタ）
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　3年ぶりの東京ダービーにむけ午後2時から前日トレーニングを行ったF東京。穏やかな陽気のもと、小平グラウンドには城福監督の大きな声が響き渡る。

前節は札幌を相手にカボレのゴールで1-0、ホーム・味の素スタジアムで、およそ半年ぶりの勝利をあげた。「長い間ホームで勝てていなかったということで、やっている選手たちには見えないプレッシャーというのがあったでしょう。半年ぶりにホームで勝ったことで、重石は少し取れたと思います」という城福監督は、「選手たちはみんな、ダービーの準備はできていると思いますし、あとは送り出すだけです」と、ダービーに向けて充実した表情をみせた。

　東京ダービーでの過去の対戦成績は5勝2分３敗のF東京。
「現場からしたら同じ勝点３かもしれないけれど、サポーターの皆さんの盛り上がりや、クラブがこれまで歩んできた歴史を考えると大きな意味を持つ試合でもある。ヴェルディがサッカー界で担ってきた役割や、同じ東京をホームタウンとするチームとしてうちはヴェルディ乗り越えなければならないという思いを重ねてここまできたでしょうし、クラブ、サポーターにとっての思いは十分認識しています」と気迫をこめる城福監督。

「同じ東京同士の戦いだからフロントスタッフも、普段クラブを応援してくれるようにと商店街で応援をお願いしたり、駅前でビラを配ったり、いろんなところを回っている中で戦っている相手でもあるし、勝ったほうがそういう点でも優位になるだろうし、強いほうを応援してくれるっていうところもあるでしょうしね。僕らは現場のピッチで勝って、日ごろ努力してくれているみんなに恩返しもしたいという思いです」とF東京一筋の藤山も”クラブ同士の戦いだ”ということを意識している。

　そのクラブ同士の戦いという点では、ユース出身の梶山、大竹にとっても当然意識する相手だろう。「東京同士ということで、ユースの頃からヴェルディはずっと特別だったし、トップでも負けたくないという気持ちは一緒です。ヴェルディは前の選手の破壊力があるし、厳しくいくところはしっかり行って、攻撃ではシュート。やりきって終わるというようにしたいです」と気合は十分。そして「ダービーというものは、“負けたくない”という気持ちを強くもったほうが勝つという風に思うので、そういう強い気持ちをもってやっていきたい」という梶山。

　その対戦相手の東京Vについて、F東京の選手たちから“要注意”と名前があがるのが、前節から東京Vに復帰したフッキだ。「一人で突破もできるし、基点になってリズムも作れる。一発があるので、乗せたら怖いからね。シュートをうたなければじれてくるだろうし、前を向かせないようにということも大事になってきますね。ヒデ（佐原）と二人でそのあたりはしっかりやりたいですね（藤山）」。「フッキがいるのといないとでは、まるきり違う。ひとりでもいけるし、フッキが持つとまわりもあがってくる。ひきつけられている間に、パスを出されたら困るし…。攻撃のパターンも増えていると思うので、そこも気をつけたい（今野）」などと、フッキを中心としたヴェルディの攻撃を警戒する。城福監督は、「フッキを中心として攻撃陣は個で力を持っているし、その破壊力はすごいと思う。ただ、それだからといってうちが何かを変えるわけではない。（ヴェルディは）個の力は強烈なものはあるけれど、我々はそこをしっかりおさえつつ自分たちのサッカーを展開することが大事だし、９０分の中でそれがどれくらいできるかというのが勝負でしょうね」と展望した。

3年ぶりの東京ダービー。
今野は、「味スタは俺たちのホームだ！っていう思いは強いし、絶対に負けたくない。勝てばサポーターも盛りあがってくれるだろうし、今後の戦いにもはずみがつくでしょうから、がんばりますよ」と力強く語り練習場を後にした。

前節札幌戦試合終了後に聞こえた「ヴェルディだけには負けられない」というサポーターのコールに「すごく意識をしているということが伝わってきたし、大事な一戦」と今年から加入した羽生も意識が強まったという。再び始まる東京ダービー、スタジアムに響き渡るサポーターの声こそが、選手を強く動かす大きな力となるだろう。

以上