4月12日（土）J1 第6節 東京Ｖ vs Ｆ東京（17:00KICK OFF/味スタ）
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J2降格以来歴史が止まっていた「東京ダービー」が３年ぶりに開催される。
「東京ダービー」での対戦成績は３勝２分け５敗（リーグ戦）。味の素スタジアムのこけら落としとなった2001年開幕戦からそう銘打たれて以来、ヴェルディにとって重要な位置付けとなる試合が繰り広げられてきた。

やはり印象的なのは２００１年の最終戦、救世主エジムンドの得点で勝利を収め、J１残留を決めたあの試合。最後の「ダービー」となった２００５シーズン第２８節では「降格圏脱出」を賭けて挑むも、試合終了間際にF東京FWササ・サルセードのゴールで逆転負けを喫し、J１残留へ更に厳しい状況に追いやられた。今回はJ1復帰後初の「連勝」を賭けて挑む一戦だ。

前節・神戸戦で今季初勝利を手中に収めた東京Vは、非常にいいムードでダービーを迎える。まずは、やはりFWフッキの存在。「課題であったシュート不足が解消された（柱谷監督）」のみならず、「前で時間が作れる分、（後ろは）いい形でセットできる（MF富澤）」、「シュートで終われるからカウンターを受けるリスクが減った（MF福西）」など、守備面でもその効果をもたらしている。

そして、結果が出たことでチームに満ちている自信。柱谷監督はF東京戦に向け「神戸戦から何も変えるつもりはない。そのままの状態でいきたいね」とコメント。「注意すべき選手」としてカボレ、羽生、今野、梶山といった名前を次々と挙げ「F東京はバランスのとれたチーム」と評したものの、それを迎え撃つチーム状態は手応え充分といった様子だった。

一方で、木曜日、その神戸戦でプロ初ゴールを挙げたMF河野が左膝痛で別メニュー調整、さらにMF飯尾も体調不良で練習に不参加という気懸かりもある。いずれも「大事をとって（柱谷監督）」のことだが、万が一好調な二人が共に出場できないとなると痛手だ。現時点では「試合前日の最終判断（柱谷監督）」を待つしかない。

さて、ダービーは、やっぱり盛り上がらなくては意味がない。ホームチームとなる東京Vは、公式HPに「東京ダービー特設ブログ」を開設、また、「FC東京を蹴散らせ！」と書き込まれた中吊りポスター９５０枚を京王線内に掲出するなど、復活した東京ダービーに、クラブを挙げて並々ならぬ意気込みを見せている。

では、肝心の選手達のモチベーションはどうか。
前回開催の２００５年から今も在籍するのはGK高木、FW平本のみ。期限付移籍中だったFW飯尾を加えても、過去の対戦を知る選手は限られている。柱谷監督でさえ「自分の選手時代にはなかったし、あまりピンとこないのが正直なところ」と話しているように、これまでのダービーを振り返って感慨にふける、といった雰囲気はチームにない。

ただ、「今後もっと東京ダービーが注目してもらえるように、いい試合がしたい」と柱谷監督が言えば、「日本の首都にあるチームは強くなくちゃいけない。その中でも、『東京』といえば『ヴェルディ』と言われたいし、そのためには勝たなくてはいけない」とMF福西が、「（大宮時代）埼玉ダービーの熱気は異様だった。あんな雰囲気を東京ダービーでも作っていければ楽しいよね」とDF土屋が熱く語った。選手達はまた新たに歴史を刻み始める『これから』の東京ダービーに、強い思いを寄せている。

そして、忘れてはならないモチベーションは、「古巣対決」。
昨季F東京から「戦力外」を受け、今や東京Vの中心選手となった土肥、福西だ。
「やりにくさ？まったくない」と取材陣に応えた福西は、「（同じく古巣の）磐田に対しては恩返という気持ちはあるけど、（F東京には）『戦力外』という、必要とされなくなった悔しさがある。今の実力を見せ付けたいという気持ちです」とキッパリ。８年間F東京に在籍した土肥は多くを語らなかったが、「土肥さんの為にも勝ちたい」と土屋が話すように、特別な思いでこの試合を迎えることは確かめるまでもない。この２人がどんなプレーを見せ、勝利の後にはどんな表情を見せるのかにも、注目だ。

おもしろくなること必至の東京ダービー。新たな歴史の幕開けを、スタジアムで是非！

以上