今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第7節 広島 vs C大阪】プレビュー:新フォーメーションで勝負する広島か。若き才能に賭けるC大阪か。(08.04.13)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4月13日(日)J2 第7節 広島 vs C大阪(16:00KICK OFF/広島ビ
-ゲームサマリーはこちら-
-広島へ行こう! スタジアムガイドはこちら-
J2勝敗予想ゲーム-12日13時投票締切!-

----------

 確かにまだ第7節。しかし、この試合は共にJ1昇格候補最右翼と目されていた両チームの、これからの運命を左右する重要な一戦である。

 ホームの広島は、3勝2分勝ち点11と負けなし。しかし、ここ2試合はいずれもギリギリで勝ち点1を拾った厳しい試合。特に前節の岐阜戦は、ペトロヴィッチ監督が「1−0でリードして、そこから守りに入ってしまった。運動量が少なく、球際でも負けていた。そういう戦いでは、どこのチームとやっても勝てない」と嘆く、問題山積の試合内容だった。ラインが極端に低くなり、「クリアの連続になってしまった」(佐藤寿人)後半の戦いは、今季最悪の内容といっていい。

 そのイヤな流れを払拭すべく、指揮官はメンバーと形の変更を検討した。出場停止明けの高萩洋次郎と柏木陽介をシャドーストライカーに入れ、佐藤寿人を1トップに据える3−4−2−1システムへの変更である。このフォーメーションは初めての試みではない。昨年8月26日の横浜FM戦、その翌週のF東京戦の2試合、ウェズレイ(現大分)の出場停止を受けて指揮官はこの形に変えた。

実はこの形、意外と機能した。特に横浜FM戦では1トップの佐藤寿が運動量多く走り、出来たスペースを柏木や森崎浩司が使う。実際、シャドーに入った2人が得点を決め、決定機はそれ以上につくっていた。今回は、シャドーの位置に高萩が入り、森崎浩はボランチに下がる。高萩はパサーではあるが、今季の2得点の形でもわかるように、スペースに飛び込むプレーも得意。「洋次郎にとっては、はまりやすいポジションだと思う」と佐藤寿は言う。実際、今週の練習でも「ボールはよく回っていた」(青山)「やりやすい」(森崎浩)と、選手たちは手応えを感じていた。

 しかし、ペトロヴィッチ監督は妥協しない。昨日の練習後、選手たちを集めて檄を飛ばす。「コンビネーションも、アグレッシブさも、運動量も少ない。サッカーというのは、落ちるのが早いスポーツ。地に足をつけて闘わないといけない。このクラブをJ2に落としてしまったのは、我々だ。100%以上の力を出して、もう一度J1の舞台に戻るのは、義務なんだ」激しい口調で選手たちに迫った指揮官の脳裏には、最悪の内容だった岐阜戦の苦い想いがある。だからこそ、練習の中で見つけた少しの綻びも許せない。「ホームで応援してくれるサポーターのためにも、絶対に勝たないといけないんだ」と強い調子で語った。

 来るべき決戦について指揮官は「まだ決めたわけではない」と、フォーメーションも選手も変更する可能性を示した。広島サポーター期待のFW陣、平繁龍一や久保竜彦は徹底したシュート練習で自らの得点感覚を磨いている。彼らを先発から起用し、慣れ親しんだ3−5−2に戻すのは、リスクもない。

 一方のC大阪は、現在3勝3敗。前節の甲府戦はミスを連発し、前半で3点を失い敗戦。しかも古橋達弥や柳沢将之といった主力がこの試合で負傷する事態に。左サイドの尾亦弘友希を含め、主力選手たちを次々と負傷禍が襲う状況は、「3敗」という現実以上に重い。

 だが、その重苦しさを吹き払うヒーローが出現する可能性もある。例えば古橋の代役として登場することが濃厚な柿谷曜一朗は、まさに必見の価値があるプレーヤー。U−17日本代表での大活躍はもちろんだが、印象深いのは2006年、彼がまだ16歳だった頃のことだ。 広島のサテライトとの練習試合に登場した柿谷は、左サイドからドリブルで切り込み、身体の動きだけのフェイントで二人のDFを翻弄、強烈なシュートを叩き込んだ。相手を置き去りにするスピード、ダイナミックなドリブル、角度のないところからゴールを決めるシュート力。あふれる才能は、高校1年のときから輝いていた。

 勝利への強い欲求と高い技術を持つ若きタレントが爆発すれば、C大阪を覆う鈍い雲が吹き払われ、一気に上昇機運が高まる。「個の能力は高い」とペトロヴィッチ監督が警戒するタレント集団だけに、弾みがつけば快進撃で突っ走る可能性は高い。

 強豪・C大阪に勝利できれば、岐阜戦での不出来を払拭し、再び流れを広島に引き寄せることができる。C大阪が勝てば、広島との順位を逆転し、スタートの出遅れを挽回するきっかけとなる。「C大阪は勝利を求めてくる。しかし、我々にももちろん、勝利が必要なのだ」というペトロヴィッチ監督の言葉は、そのままC大阪のレヴィー・クルピ監督の想いだろう。

以上

2008.04.12 Reported by 中野和也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着