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【J2:第7節 福岡 vs 岐阜】レポート:福岡、5分間で4失点。徳島戦に続く「あり得ない敗戦」で岐阜の前に沈む(08.04.12)

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4月12日(土) 2008 J2リーグ戦 第7節
福岡 1 - 5 岐阜 (13:03/レベスタ/7,854人)
得点者:18' 中村北斗(福岡)、56' 片桐淳至(岐阜)、57' 片桐淳至(岐阜)、59' 高木和正(岐阜)、61' 梅田高志(岐阜)、83' 梅田高志(岐阜)

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 試合は福岡が主導権を握る形で進んでいた。18分には流れるようにパスをつないで、最後は中村北斗が先制ゴールを奪った。その後も試合の流れは福岡のもの。徳島戦( /jsgoal_archive/result/2008/0406/20080200030220080406_detail.html )を払拭する試合にしてくれると誰もが思っていた。しかし、56分に片桐淳至の挙げたゴールをきっかけに全てが変わった。あっという間に岐阜が奪った4ゴール。そして83分の梅田高志のダメ押しの5点目。目の前で繰り広げられた信じられない光景に、選手も、サポーターも、ただ呆然とするしかなかった。

「あり得ない」。こみ上げてくる思いを押し殺すように話した黒部光昭の言葉がすべてを物語っていた。5分間で4失点。リトバルスキー監督は、「選手交代の準備をしている最中に次から次へと入れられて、きちんと覚えているのは片桐の1点目だけ」と得点シーンを振り返ったが、取材に駆けつけていたメディアも得点シーンのすべてを確認することは出来なかった。それほど、あれよ、あれよと言う間に、しかもあっけなくゴールを奪われた。「あり得ない」という思いは、この日、レベルファイブスタジアムに駆けつけたすべての人の思いだったろう。

 経験豊富なベテラン勢の加入で、今年は変わった姿を見せてくれるはず。シーズン前に福岡サポーターがチームに抱いていた思いは、徳島、岐阜と続く敗戦で消え去ったと言っていいだろう。1点取られてパニックになり、そのまま連続ゴールを奪われるのは徳島戦の繰り返し。前節の徳島戦との違いがあったとすれば、同点にされるまでは福岡が主導権を握って試合をコントロールしていたこと。それなのに、たった一つのゴールで全てが逆の方向へ走り出し、しかも修正の兆しさえ見せられない姿は、J1昇格を口にするチームの姿とは思えない。

 対する岐阜は、「これまで7試合を戦ってきた中で、自分たちのやろうとしていることに対して統一感が出てきた」と松永英機監督が振り返ったように、ゆるぎなく自分たちの戦いを貫き通した。ややリトリートした態勢で相手を待ちうけ、中盤に入ってくるところで囲い込んでカウンターを狙う。リズムが悪かった前半は、小峯隆幸が最終ラインで体を張ってピンチを凌いだ。そして後半、高い位置からボールを奪いに行くことで流れを変えにかかった。その戦いぶりは広島戦と同じ。それは、自分たちのベースが固まってきたことを意味するものだ。

「自分たちはJリーグ1年生なので、ホームだろうが、アウェイだろうが、チャレンジして行こうと思っています。結果は分かりませんけれども、いい結果を出せるように努力はしていますし、90分間、手を抜いていません」(小峯)。置かれている立場が自らのチャレンジ精神を旺盛にしている側面はあるだろう。しかし、それ以上に、自分たちのやるべきことを、やるべき人が、最後までやり続けるという姿勢が今の岐阜の状況を生んでいる最大の要因だ。いまの成績が勢いだけではなく、そうしたベーシックなものの積み重ねにあることが、この試合でより明確になったと言えるだろう。

 さて、松永監督は自分たちの置かれている状況に関して「我々はJ2の1年生ですので、すべてのチームが我々よりも格上。ですから、その中で何をベースにしていくのかと言ったら、気持ちの部分であったり、フィジカル的な部分であったり、走れる力であったり、そういう部分が最低限必要だと思う」と答えた。そして、それはまさに今の福岡に求められていることではないか。それはサッカーをやる上での基本中の基本の部分。徳島戦でも、岐阜戦でも、その部分で福岡が相手を上回ることはほとんどなかった。

 福岡の選手たちのポテンシャルの高さは多くのサッカー関係者が認めるところことだろう。しかし、サッカーをやる上での基本の部分が徹底されなければ、そのポテンシャルが十分に発揮されることはない。戦術云々よりも、まずはベーシックな部分の徹底を図ること。それが福岡に求められていることだろう。ある意味では、J1昇格に向けて既に正念場に差し掛かっていると言える状況の中で、福岡はどう変われるのか。次節の九州ダービー(4/20@レベスタ vs鳥栖)は今後を左右する大一番になる。


以上
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