4月12日(土) 2008 J1リーグ戦 第6節
清水 0 - 2 名古屋 (14:03/日本平/14,167人)
得点者:9' 小川佳純(名古屋)、89' 杉本恵太(名古屋)
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チーム全体が良い流れに乗って、選手個々も伸び伸びと気持ち良くプレーできているチームと、逆に悪い流れにはまって選手たちが思い切ったプレーができていないチーム。その差が残酷なほどはっきりと表われたゲームだった。
2連敗中のホーム・清水は、この名古屋戦に向けて、中盤の形を変えてきた。伊東と本田のボランチに、2列目は左にフェルナンジーニョ、右に枝村というボックス型で、これは06年までと同じ形。また、腰を痛めたGK西部に代わって山本海人がゴールを守り、前線ではマルコス・アウレリオが開幕戦以来の先発となった。
中盤をボックス型に変えた狙いは、長谷川監督の試合後コメント( /jsgoal_archive/news/00063000/00063418.html )の通りだが、少なくとも守備では、サイドで数的不利を作られにくい状況になり、フリーでクロスを上げられるシーンは多くなかった。またクロスを上げられても、ゴール前で両センターバックがしっかりと跳ね返し、クロスから決定機を作られる場面がほとんどなかったという意味では、名古屋対策はある程度の成果を上げた。
だが、先制ゴールは別の形から生まれる。試合開始9分、名古屋が中盤左できれいに1タッチでボールを回し、バイタルエリアで吉村がフリーでボールを受けてスルーパス。これで左サイドから裏に飛び出した小川が、市川を振り切ってゴール右に流し込んだ。清水の側から見れば、1タッチでボールを回され、ディフェンスが後手後手になった中で、うまくスペースを使われてしまった。
その後も、先制した名古屋が自分たちのペースで試合を進める。ボールを持たない選手の動きが良く、パスコースが豊富にある名古屋に対して、清水はアプローチが遅れてボールを奪いきれない。逆に清水の攻撃では、ダイナミックな動きの不足や判断の遅さもあって、なかなか速いテンポでパスが流れていかない。名古屋の選手たちがボール保持者に素早く寄せて、厳しい対応を見せたこともあって、清水はなかなかシュートまで持ち込めなかった。
攻守の切り替えという部分でも、名古屋のほうが早さが目立ち、前半の清水のシュート数はわずか2本。名古屋が圧倒的に攻めたという展開ではなかったが(シュートは6本)、ゲームをコントロールしていたのは、つねに名古屋だった。
後半に入ると、前半32分の本田→原という交代によってボランチに移動していた枝村が、より高いポジションをとって清水が反撃に出る。3分にその枝村が左サイドに飛び出し、アウレリオに決定的なクロスを送るが、これはコースがズレてGKにキャッチされる。その後も流れはあまり変わらず、むしろ前がかりになった清水のスキをついて名古屋がいくつかチャンスを作ったが、ここはベテラン伊東が素晴らしいカバーリングでDFラインを助けた。
清水は、17分に疲れの見え始めたアウレリオに代えて岡崎を入れ、19分にはフェルナンジーニョのスルーパスから矢島がゴール右に飛び出したが、シュートはGK楢崎がストップ。31分にも西澤を投入して1点を取りにいくが、名古屋の厳しい守りは衰えず、なかなかゴールの気配が高まってこない。
それでも、清水はリスクを負って最後の攻撃に出たが、44分にカウンターから杉本に決められ万事休す。結局1点も返せないままタイムアップの笛を迎え、名古屋が5連勝、清水が3連敗。名古屋にとっては、清水に対して4年ぶりの白星となった。
サッカーでは、1人1人のプラスαが11人重なると全体では非常に大きなプラスとなって表われる。それが今の名古屋だとすれば、清水はまさに正反対。1人1人が少しずつ自信のないプレーになると、全体としては大きくパフォーマンスが落ちてしまうという悪循環にある。この状況を打開するには、どんなカンフル剤が必要なのだろうか。
以上
2008.04.13 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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