4月12日(土) 2008 J2リーグ戦 第7節
山形 1 - 0 横浜FC (13:04/NDスタ/3,832人)
得点者:48' 坂井将吾(山形)
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右サイドバック宮本卓也からサイドを変えるボールが左の宮沢克行へ。すでにオーバーラップしていた石川竜也へスルーパスが通ると、上がったクロスに長谷川悠が長身を投げ出し、ファーサイドでダイビングヘッド。後半2分、この山形のチャンスは横浜FCのGK小山健二に阻まれた。しかし、「後半は前半よりもスペースが空いた」(石川)ことで、直後にはさらに大きなチャンスが用意されていた。起点になったのは石川。サイドチェンジが空を舞い、キャッチした逆サイドの北村知隆が1人かわして中へクロス。長谷川のヘディングシュートにまたも小山が立ちはだかった。たださっきと違っていたのは、小山が弾くことで精一杯だったことと、こぼれ球に飛び込む青の戦士がいたことだ。
「もっと歓声を!」ゴール裏のサポーターに向かい両手を耳に当てる覚えたてのポーズで、坂井将吾はJ初ゴールの余韻に浸った。これが今季初の連勝とホーム初勝利を決め、横浜FCに今季初黒星をつける一撃となった。
山形は2トップのリチェーリは出場停止、豊田陽平は怪我で離脱。さらにボランチ渡辺匠とDFレオナルドを欠く緊急事態。それでも試合前日、小林伸二監督は「なんかやれそうな気がするんですよね」と密かな自信を胸にしまっていた。その自信の根拠のひとつが、長谷川−坂井の2トップ。坂井が両サイドでボールを引き出し起点をつくると、前半22分には長谷川がボールを浮かせてからのボレーシュートを放つ。プレシーズンから濃密な連携でゴールを量産してきたFWコンビが、それまでと変わらないはつらつとしたプレーを見せた。「前半はどちらかと言うと長谷川のほうがボールに絡んで大事なときに中央にいないということがあった」(小林監督)が、それも長谷川に言わせれば、「途中から僕がちょっと気を遣って、坂井ばっかり動かしてもと思った」。パートナーをしっかり見ていたからこその対応だった。
また、このところの課題だった「試合の入り」も、高い集中力で綻びなく乗り切った。立ち上がりに見られた若干の堅さも時間を経るごとにほぐれ、球際にも厳しく出ると、流れは自然と引き寄せることができた。
対する横浜FCは、アンデルソンをベンチに置き、長谷川太郎が4試合ぶりに先発。前半6分に、須藤右介から長谷川へスルーパスが通りかけたが、そのプレーを最後に、長谷川もFWのコンビを組む三浦知良も長い沈黙に入る。すでに守備のリズムを手中にした山形がパスの出所にもプレッシャーをかけたこともあり、2トップへ飛ばす横浜FCのパスは著しく思いやりを欠いていた。なんとか足元に収めても思うようなサポートが得られず、自由度は高いが相手にとっては怖くないスペースでしだいにプレーするようになった。31分に、滝澤邦彦からのパスを受け小野智吉がミドルシュートを放ったが、これが前半唯一のシュートとなった。
ここ2試合、同点に追いつくしぶとさを発揮してきた横浜FCだったが、後半3分に3試合連続となる先制を許したあとの後半12分、須藤がこの日2枚目のイエローカードで退場。1人少ない状況で1点を追うこととなった。この直後、長谷川太郎に代えてアンデルソンを投入。それと同時に都並敏史監督は、三浦淳宏が中盤に上げエリゼウをセンターバックに下げる、最近見られるシフトチェンジを敢行した。そして奪ったボールを1トップ気味のアンデルソンに合わせるが、狙いどころが絞れた山形の守備を前に自由なプレーはままならない。終盤にかけて互いにカウンターを仕掛ける展開でも、高い集中力を保つ山形のラインを突破することができず、1人少なく前がかりなうえに、足が止まりかけていた横浜FCが、逆にカウンターを受けることとなった。
「今日は勝利はできなかったんですけど、全員がしっかりと自分の力を出して全力を振り絞ってくれた」と、都並敏史監督はメンタル面の課題克服を強調した。 しかし、4試合連続引き分けの末に喫した今季初黒星は、横浜FCが下降線をたどっていることを印象づけたのも事実。再び上昇曲線に持っていくために必要な「攻撃の形」を、次節までにつくり上げたい。
主力の大量離脱のなかで2トップがコンビプレーで結果を出し、DFラインでは、5失点を喫した岐阜戦以来の出場となった石井秀典が、無失点に貢献することで悪夢を払拭した。ニューパワーの躍動が力強く山形の歯車を回していく。チームがこの先も成長し続けていくことを高らかに宣言する、かけがえのない1勝となった。
以上
2008.04.13 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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