4月13日(日) 2008 J2リーグ戦 第7節
水戸 2 - 2 熊本 (13:05/笠松/1,464人)
得点者:2' 荒田智之(水戸)、12' 河端和哉(熊本)、31' 中山悟志(熊本)、58' 西野晃平(水戸)
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目まぐるしく変わる攻守。そして、互いに築き上げたチャンスの山。よく言えば攻撃的なサッカーの応酬であり、悪く言えば互いにゲームマネジメントを欠いたゲームであった。
先手を取ったのは水戸だ。開始からわずか2分、熊本が自陣深くで痛恨のパスミス。それを奪った村松潤からのスルーパスを受けた堀健人が中へ折り返し。そのボールを荒田智之が蹴り込んで水戸が先制する。だが、この『早すぎる』ゴールが試合の流れを大きく変えることとなってしまった。
「早く点が入ったので、受け身になってしまった」(西野晃平)ことで今季の水戸の代名詞でもある前線からのプレスを欠くことに。そのため、全体のラインが下がってしまい、「相手に自由に回されてしまった」(堀)。そして12分、サイドを崩されて与えたCKのこぼれ球を押し込まれ、同点に追いつかれてしまう。その後も熊本が果敢に水戸を攻め立て、31分にはセカンドボールを拾った熊本がすばやく左サイドに展開。ボールを受けた高橋泰からのピンポイントクロスを中山悟志が頭で合わせ、熊本が逆転することとなった。
そこで木山隆之監督が動いた。ボランチの村松潤を下げ、右サイドバックの金澤大将を投入。センターバックのビジュをボランチに上げ、右サイドバックの鈴木和裕をセンターバックへ移した。鈴木和裕を中央に入れたことにより、最終ラインのラインコントロールがスムーズに行われるようになり、全体がコンパクトに保てるようになったことでプレスが復活。ペースを握り返すこととなった。
安定感を取り戻した水戸は後半に入るといつもの積極性を取り戻し、攻め込む展開を築いた。特に左サイドの堀と小澤雄希が果敢な攻め上がりを見せ、次々とチャンスを演出。そして58分、熊本陣内でボールを奪ったビジュがDF裏へボールを送り込み、DFとGKの間を走りこんだ西野が頭で流し込んで同点に追いつくこととなった。その後も水戸が圧倒的に支配。だが、「もう1点が遠かった」(堀)。荒田と西野が何度も浅い熊本のDFラインの裏を突き、ゴールへ迫ったが、決めきることができず。途中出場の遠藤敬祐も果敢にゴール前へ飛び出したが、GKの好守もあり、チャンスを生かすことができない。結局、24本ものシュートを打ちながらも勝ち点3を得ることはできなかった。
3戦連続2対2のドローとなった水戸はまたも90分の戦い方という課題を露呈することとなった。「点を取った後と取られた後に問題がある」と鈴木和は厳しい口調で話す。過去2戦同様点を取った後に自分たちの戦いを見失い、失点を喫してしまった。それだけではなく、失点後も落ち着きを欠き続け、逆転を許すことに。メンバーを代えたことでチームは息を吹き返したが、選手たち自らの力で流れを作り出すことが必要だ。これまでの試合とは異なり、前半に問題が起きてしまったが、課題の根本の部分は変わらない。90分でのゲームマネジメントという点で、選手たち自身がもっともっと判断力を身につけていかないといけない。
だが、「負けていないので、前向きに捉えたい」と西野の言葉通り、4戦負けなしという結果をポジティブに捉えるべきだろう。「うまくいかなかったことがうまくいきだしたら、うまくいっていたことがうまくいかなくなったり」(木山監督)試行錯誤しながらチームは成長していく。その中で勝ち点を拾えていることは悪いことではない。「後半のサッカーをずっとやらないといけない」(堀)。チームの目指す道ははっきりと見えている。急にすべてがうまく行くわけではない。まっすぐ一歩一歩。チームは間違いなく前進を進めている。
熊本は90分間アグレッシブな姿勢を貫いて勝ち点1を得ることとなった。後半は押し込まれ、水戸に何度も裏を狙われたものの、最後までDFラインを高く保ち続けたことは評価に値する。危険度が高い戦い方だが、そのアグレッシブな姿勢が2得点を生み出すこととなった。選手たちの前に向かう意識の強さは水戸以上であった。いかに積極的な姿勢を保ちながらリスクマネジメントをしていくかが次のステップ。水戸同様、進むべき道ははっきりしているようだ。
以上
2008.04.13 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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