今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第7節 鹿島 vs G大阪】レポート:自らのスタイルを貫く両チームが真っ向勝負。引き分けに終わるも鹿島の充実ぶりがより如実に。(08.04.20)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4月19日(土) 2008 J1リーグ戦 第7節
鹿島 0 - 0 G大阪 (16:04/カシマ/17,292人)

----------
サッカーだけでなく何事においても、自らのスタイルを貫き通すことは想像以上に難しい。ついつい目先の利益に目がくらみ、スタイルを曲げてしまうことが多いからだ。

サッカーでは勝点3を得たいがために、それまでの戦い方を捨てて相手の弱点を徹底的に突く戦術をとる場合がある。しかし、そうした戦い方は弱者が強者に対抗するための手段だ。J1リーグは34節の長丁場。1シーズン制を制してきたチームは、必ず確固とした戦い方を有するチームであった。長いシーズンを考えたとき、優勝を考えているのならひとつの試合にとらわれるのではなく、常に自分たちのスタイルを貫きながら勝利を目指すことが重要なポイントとなる。

今節対戦した鹿島アントラーズを率いるオズワルド・オリヴェイラ監督も、ガンバ大阪を率いる西野朗監督も、それぞれ常に「鹿島らしいサッカー」と「ガンバらしいサッカー」を希求する指揮官だ。ただ、この試合、より自分たちらしいサッカーで主導権を握ったのは鹿島の方だった。

試合開始当初、ペースを握ったのはG大阪。ルーカスの動きがうまくボールを引き出してタメをつくり、攻撃を司っていた。しかし、15分あたりから鹿島がペースを掴みだす。20分過ぎ、ダニーロが独特の間合いのドリブルを披露。相手の股を抜き、左サイドを突破すると鋭いセンタリングをあげる。中央でのヘディングの競り合いには合わなかったものの、逆サイドまで流れたボールを待っていたのはフリーの本山雅志。角度がない位置からシュートを狙うと見せかけてグラウンダーのセンタリングを中央に折り返すも、ここはディフェンスがクリア。この試合の本山は少し積極性に欠けていた。

その後、鹿島はG大阪の両サイドバックのポジションを起点にチャンスメイク。特にゴールキックは田代有三、ダニーロと競り合える選手がいないため、ほとんどボールを保持することに成功し、攻撃に繋げていった。しかし、最後のところで山口智を中心にしたG大阪のディフェンスを崩しきれない。

35分過ぎにはG大阪が反撃。FKから遠藤保仁がすばやくリスタート。右サイドを駆けあがった橋本英郎が仕掛けセンタリング。ボールは逆サイドに行き、鹿島のディフェンスが左右に振られ、バレーがディフェンスを外してフリーでシュートするも、ゴールの枠をとらえきれなかった。終了間際にも、オフサイドと思われたバレーがディフェンスラインの裏に抜け出るも、至近距離のシュートを曽ヶ端準がバーの上にはじき出し、前半は無得点で折り返す。

後半、一進一退の状況が続くも、73分に野沢拓也が投入された前後からは俄然鹿島がペースを握る。しかし、ゴールを割ることができない。田代のヘディングシュート、ゴールほぼ正面からの小笠原満男のFK、野沢のループシュート、マルキーニョスのヘディングシュート。ゴールまでいま一歩のところまで迫るものの、最後のパスやシュートに精度を欠いたためゴールまでは至らず、勝点1を分けあう結果となった。

ボックス型の4-4-2を採用する両チーム。両サイドバックの攻撃参加がゲームの支配率のバロメータとなるなか、鹿島はレギュラーの新井場徹・内田篤人を欠いていた。しかし、代わりに出場した石神直哉と伊野波雅彦がすばらしいパフォーマンスを見せた。特に伊野波は、ガンバの左サイドバックの安田理大の攻撃参加や左サイドに流れてきたバレー、ルーカスをほぼ抑え込む働き。攻撃面でも、右にスライスしていく独特のセンタリングはガンバのセンターバックを悩ませた。浦和戦でも安定したプレーを見せていたが、この試合でさらに良いパフォーマンスを発揮した。欠場中の内田も、おちおちしていていられないだろう。

G大阪は、チーム状態が良いときに見せる流れるようなパスワークが影を潜めた。この試合でも、そうしたプレーが見られたのは後半に一度あった程度。ルーカスにボールが入ったときにチャンスになることが多かったが、今日のルーカスは中央でプレーすることが多く、ボールを受ける場面が少なかった。流動的に流れながらパスを回すため、動き出しのタイミングがまだまだ不十分なように見受けられる。

そして、オフェンス面よりもディフェンス面で不安を残す。特に最終ラインの高さ不足は不安材料だろう。ハイボールに対して競り合えるセンターバックの選手がいないため、ゴールキーパーへの負担が増えている。この試合でも、藤ヶ谷陽介が負傷退場。交代出場した松代直樹も田代と接触プレーを余儀なくされている。フィジカル面で屈強な選手も少ないことは、時として田中マルクス闘莉王を前線で起用する浦和のようなチームに対しては不安が残るところだ。

スコアレスドローとはいえ、強豪チーム同士の試合は期待通りの激しい試合となった。特筆すべきは、試合が激しかったにもかかわらず、ゲームが止まるシーンがすごく少なかったことだ。キーパーが負傷治療する場面はあったものの、それ以外は流れるようにゲームが進んだ。クリーンなファイトに徹した選手だけでなく、吉田寿光主審の見事なコントロールにも賛辞を送りたい。


両チームともに、週があけた水曜日にはACLの一戦が控えている。それぞれのチームらしいサッカーで勝利を勝ち取り、再びJリーグですばらしい試合を見せて欲しい。

以上

2008.04.20 Reported by 田中滋
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着