4月20日(日) 2008 J2リーグ戦 第8節
草津 1 - 1 山形 (13:04/正田スタ/3,903人)
得点者:22' 後藤涼(草津)、89' 坂井将吾(山形)
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あまりにもお粗末なドローだった。1対0のリードで迎えたロスタイム。ボールキープに入った草津は、じっくりと時間を使い、試合終了のホイッスルを待つ。数秒後には、ホーム戦初勝利が現実となるはずだった。だが、勝利を祝うためのスタジアムは、一瞬にして悲劇の舞台へとすり変わった。キープしていたボールを奪われると、山形に3本のパスをつながれ、坂井に同点ヘッドを叩き込まれる。プロとしての品格が揺らぐ、終了間際の失点。草津にとって、限りなく敗戦に近いドローとなった。
草津はケガの高田に代わり、前節鳥栖戦で今季初ゴールを挙げた後藤が先発出場。DFラインにはJ初出場となるペ・スンジンが入り、フレッシュなメンバーでゲームに臨む。対する山形は、出場停止が開けたリチェーリが復帰、長谷川と2トップを組む。ゲーム序盤は、両SBが高い位置を取る草津が主導権を握り、時間が進んでいく。「裏へ出てくる選手もいたしアウェイだったのでラインを少し落としたが、相手の中盤にパスを回されてしまった」(小林監督)。
草津に先制点が生まれたのは22分。ピッチ中央でカウンター気味にボールを受けた島田が山形の中盤を切り裂き、ゴール前まで突き進む。島田は最終ラインにまで勝負を仕掛け、そのこぼれ球が後藤の前へ。後藤のシュートは一度、GKに止められるも、そのボールに喰らいついた後藤の左足がゴールを捕える。「1点を取ったことで主導権を握って、前半を終わりにすることができた」(櫻田)。後藤の2試合連続ゴールによって、勢いに乗った草津は前半を1対0で折り返す。
だが、後半を支配したのは山形だった。「前からプレスをかけてパスの出所をつぶし、草津の両SBの裏を狙った」(北村)。草津は「弱点」を突かれたことで、前半とは一転、一方的に押し込まれていく。山形は60分過ぎにリチェーリ、レオナルドが決定機を迎えるが、運にも見放され得点にはつながらない。流れを変えたい草津は、試合を落ち着かせる意味で、鳥居塚、秋葉忠のベテランを中盤へ投入。そして、CB喜多を入れて5バックを形成し守りに入る。だが、流れ自体を変えることはできない。逆に櫻田、熊林という運動量が豊富な選手を下げたことでセカンドボールが拾えなくなっていく。
それにより勢いづいた山形は前線に坂井を投入。長谷川、坂井の2トップに加えて、左にリチェーリ、右に根本という超攻撃的なシステムで猛攻撃を仕掛ける。草津は76分に島田がカウンターから決定機を迎えた以外にチャンスらしいチャンスはなく、山形のアタックを受け続ける。草津はいつ点を取られても不思議ではない状況だったが、GK本田を中心とした守備で凌いでいく。
ロスタイム、山形のパワープレーに耐えた草津は、島田と後藤がボールキープへ入る。さらに草津は敵陣深くでFKを獲得。勝利を手にするには、あと十数秒だけ消化すれば良かった。しかし、FKのボールを簡単に山形へ渡すと、絵に書いたようなカウンターを受けることになる。石川からゴール前の根本へとつながったボールを坂井に押し込まれると草津の選手たちは、その場に崩れ落ちた。「あの位置からカウンターを受けるなんて信じられない。後ろのバランスが完全に崩れていた」と島田。山形・小林監督は「最後まで選手があきらめなかった結果だ」と話したが、そのゴールの要因が、草津の未熟なプレーにあったことは間違いない。
試合後、氏原は「アップ中に笑っている選手もいるし、チームとしての意識を変えないと、何も変わらない。チームの闘争心が明らかに足りない」と、怒りをかみ殺した。島田以外の突破口がない攻撃。勝負所で耐えられない守備。「結果が出ないままなら、自分たちのサッカーが続けられなくなる」(熊林)。草津は今、チームとしての形が見えないまま暗中模索を続けている。そして、チームへの信頼は音を立てて崩れ始めている。サポーターの声はチームへと届いているのか。チームは一つになっているのか。草津は第8節にして危機的な状況を迎えた。
以上
2008.04.20 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
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