5月6日(火) 2008 J2リーグ戦 第12節
甲府 2 - 1 横浜FC (14:04/小瀬/14,521人)
得点者:14' 久野純弥(甲府)、33' 藤田健(甲府)、73' アンデルソン(横浜FC)
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「ウチは桜井(GK)が3回はファインセーブをしてくれないと勝てないですから(笑)」
記者会見後の囲み取材で安間貴義監督はこう言って記者を笑わせたが、これは(攻撃を)仕掛けることの先(ゴールを決める)に進めていないことを少し揶揄した表現。しかし、仕掛けることがある程度出来るようになったという手応えが揶揄できる余裕に繋がっている。
立ち上がりは判断ミスなどでチャンスを横浜FCにプレゼントしたが、10分も立たないうちに甲府が主導権を握った。攻守の切り替えの速さとサイドを起点とする仕掛けの多さを発揮することができたからだ。しかし、これは甲府が得点力のあるチームになるための2歩手前のレベルの話。だが、現状ではこれが一番いい状態。ここから先に進むことは簡単ではないし、時期、試合、時間帯によっては先に行ったり戻ったりすることも出てくる。草津戦では2歩手前の状態でゴールを決めることが出来なかったが、横浜FC戦では2歩手前の状態でゴールを決めることが出来た。
甲府の先制点はCKの流れからFW久野純弥が決めたゴール。ヘディング合戦で浮いたボールが落ちてくると少し後ろで狙っていた前田雅文の前にボールがこぼれ、左足をコンパクトに振り抜いたボールはDFに当たり、ゴールポストに当たり、GK小山健二の身体に当たってゴールラインを越えかけた。そのときに久野が勢いよく突っ込んで蹴り込んだ。草津戦はこういう流れがなかっただけで、2歩手前まで進んでいたという状況は変わっていなかった。記者会見で安間監督が「草津戦はメンタルも技術もいいパフォーマンスをしていたから、いいものを悪いとは言えないのでそれを続けた」と話をしたが、その見極めとブレない姿勢がここ数試合に安定して2歩手前までの内容を発揮できる理由だ。そして、33分には藤田健がニュートンが悩みそうな軌道のミドルシュートを決める。蹴った瞬間はバーを越えそうな角度で上がっていたボールだったが、GK小山の頭上を越えると小瀬の重力が5Gに変わったかのように急激に落ちてゴールネットを気持ちよく揺らした。
「前半の2点で相手を勢い付けた」と都並敏史監督が会見で話したが、主導権が取れなかった横浜FCにとって2点は重かった。失点の少なさが横浜FCが上位にいられる理由の半分以上だからだ。アンデルソンが毎試合爆発できるほどサッカーもJリーグも甘くはない。都並監督は前半の途中から中盤をダイヤモンドに変え、前半を凌ぐのではなく攻撃にターボチャージャーを装着させた。そして、ターボは後半になるとジワジワと利いてくる。73分のアンデルソンのゴールは個の力が生んだゴールだが、80分過ぎから横浜FCが3トップになると、足の止まった甲府はクロスボールの対応の練習ばかりさせられている高校のサッカー部員のようになってしまう。移籍してからも甲府サポーターに愛されている長谷川太郎も恩返しゴールを積極的に狙ってくる。チラチラと時計を見ても全然時間が進まないから5分くらい見るのを我慢してから時計を見たが、1分しか経っていなかった。
終盤の横浜FCの攻勢を横浜FC側から見れば策が当たったということになるが、甲府側から見れば「相手がワントップにして中盤を増やしてきた。それに付き合って中盤で勝負しようとした。サイドでやっていることを貫けばそんなに苦労しない試合だったのに」(安間監督)ということになる。なんとか終盤と長いロスタイム3分を凌いだ甲府は、勝ち点3だけでなく、いい勉強もさせてもらってゴールデンウィークを笑顔で終えることができた。第1クールは終盤に差し掛かったが、甲府は得点力があるチームになる2歩手前の内容をある程度安定して出せるようになってきた。そのことを今節J2リーグ最高の集客(1万4521人)となったホーム・小瀬で披露出来たことも収穫だった。この先(仕掛けの後の精度とゴールを決めるシュート)を本物にする挑戦は続くが、3歩手前に下がったりしてサポーターを悩ませることは減ってくるのではないだろうか。そして、その先を期待して甲府を見ることが出来るようになって来た。
以上
2008.05.07 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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