5月11日(日)J2 第13節 横浜FC vs 愛媛(16:00KICK OFF/ニッパ球)
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横浜FCにとって、前節の甲府戦は自滅した感じが強いゲームだった。立ち上がりこそ落ち着いて入るものの、ディフェンスラインに強烈なプレッシングを受け続けると、はっきりとしたクリアできない時間が続き、前半だけで2失点。後半、アンデルソンの個人技で1点返すものの、同点には届かず敗戦となった。
都並監督は、「サイドに起点を作る甲府の術中にはまった。サイドでの対応を整理したつもりが、選手への負担が大きく詰めが甘くなってしまった。それは監督としての反省点」と、戦術的な対応が徹底できなかったことを反省点として挙げた。しかし、同様に都並監督が強調しているのは、1対1での闘争心だ。「戦略、戦術は大事だが、甲府戦はそれが強調され過ぎて頭でサッカーをやってしまい、迷ってしまった。甲府には球際で負けていたし、その勢いで押されていた」。クリアミスや、こぼれ球への対応でピンチを広げてしまったことを悔やんだ。
ここで、都並監督が大きな期待を寄せるのが、愛媛戦で復帰が予想されるキャプテン山田卓也。「グラウンドの中で迷いが生じても、先頭を切って、『まずは戦うことが大事』であることを示してくれる」と、精神的支柱としての活躍が期待される。木曜日のミニゲーム形式の練習では、選手同士の当たりが激しくなり、熱くなる場面が見られたが、これもチーム内の戦いの温度が上がってきていることの現れと指揮官は歓迎している。もちろん、練習では攻守の切り替えの形や、甲府戦で不十分だったビルドアップの精度を高める戦術的練習を積み上げ、愛媛戦への準備を行っているが、「戦術や相手選手との相性を考えて選手起用を考えるが、こういう時こそ戦うという原点に戻りたい。チームとして成長する糧になる」と、戦う姿勢を見せられるかがポイントだ。そうすれば、主導権を握れないという第1クールの課題をクリアすることができるだろう。
対戦相手の愛媛FCは、豊富な運動量が売り物のチーム。フォワードのポストプレーからサイドに展開するとともに、人数を掛けてオーバーラップし攻撃の形を作るのが特徴だ。前節の山形戦では、前半はうまくクサビのパスを入れることができず、山形にペースを握られるものの、後半になると徐々に形を出し始める。最終的には、いい形を作りながらもスコアレスドローに終わった。望月監督は「もったいない試合」と悔やんでいるが、十分に勝てる手応えを感じてるだけに、横浜FC戦に対してもいいイメージを維持しながら臨めるだろう。特に後半になっても落ちない運動量は脅威だ。
試合の展開としては、まさに愛媛の運動量がポイントとなる。横浜FCは、これまで相手の運動量が落ちる後半を勝負のポイントと置いて勝点を積み上げてきているが、愛媛戦ではその目論見は通用しない可能性が大きい。前半から愛媛の勢いを受けてしまうようだと、甲府戦の二の舞を演じてしまうことになるかもしれない。中盤でのビルドアップを確実に行い、自らペースを握っていく戦い方が求められる。愛媛としては、山形戦の勢いをそのままこのゲームに持ち込みたい。
4月26日から始まった連戦も、この試合で最後。試合後には、1週間のインターバルが待っている。両チームとも体力的には苦しいが、闘争心と運動量を惜しまない熱いサッカーを期待したい。
以上
2008.05.09 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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