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【J2:第13節 湘南 vs 鳥栖】プレビュー:勝点で並ぶ2位湘南と3位鳥栖が平塚で激突。堅守をこじ開けるのはどちらか。(08.05.11)

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5月11日(日)J2 第13節 湘南 vs 鳥栖(16:00KICK OFF/平塚
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 難しい展開ではあった。前節の水戸戦、湘南は前半から攻め立てるもなかなかゴールを奪えない。スコアを動かしたのは後半、怪我から復帰したばかりのFW阿部吉朗である。63分、こちらも復帰3戦目の臼井幸平からのクロスに、阿部は体ごと反応した。途中交代でピッチに立ってからわずか3分後の出来事だった。

湘南のユニフォームに袖を通して初のゴールに、本人だけでなく仲間たちもみな沸いた。しかし阿部の笑顔は、試合後にはすっかり仕舞われていた。理由はこうだ。「2点目、3点目を取れるチャンスがほかの場面でもありました。ゴールの喜びよりも、いまはその悔しさのほうが強い。まだ始まったばかり。少しずつ積み重ねていきたい」引き締めた表情には、むしろ敗者のそれに匹敵する厳しさが滲んでいた。

 ここ4試合戦列を離れている田村雄三は言う。
「いい意味での競争心が出てきていると思う。開幕ベンチスタートだったノゾさん(加藤)がいまスタメンで活躍し、シュン(大山)も一度はメンバーから外れたけど途中出場したときにアシストを決めた。そうやって結果を出す、出せている理由をみんなが感じて、さらにチームの推進力になればいい。自分も復帰したとしてもすぐに戻れるとは思っていないし、各ポジションでよい競争ができればいいと思います」

 途中出場の選手たちを含めて結果を残し、湘南は目下2戦連続で無失点勝利を続けている。そして今節平塚に乗り込む鳥栖も、ゴールデンウィークの連戦で水戸と岐阜を相手に無失点ゲームを演じ、連勝のさなかにある。

 目を引くのは失点の少なさである。岸野靖之監督のもと、「攻撃的な守備」によって築いた総失点9は、首位の広島と連動性に長ける仙台と並ぶリーグトップの数字だ。得点こそ多くはないが、堅守で接戦をモノにしてきたことが窺える。

もちろん、その攻撃的な守備と表裏一体の攻撃力も侮れない。攻守の切り替えを含め、鳥栖の攻撃は縦に速い。サイドバックを含めた両サイドとボランチが流動しながらテンポよくパスを繋ぎ、ビルドアップしていく。運動量が落ちないのも彼らの強みだ。積極的なミドルシュートを織り交ぜながら、ゴールへ向かう推進力を絶やさない。前節の岐阜戦後、指揮官は勝点3を手にしながらも「凡戦」と斬ったが、攻撃のダイナミズムは敵を圧倒していた。あと1勝に迫るアウェイ通算50勝、くわえてあと2得点で達成されるJ2通算450得点という節目は、平塚で迎えたいところだ。いずれにせよ、前線から積極的に守備を開始する両者にとって、中途半端なプレーは命取りとなるだろう。まずは試合の入り方が大事になる。

 ところで節目といえば、湘南の斉藤俊秀のJ1・J2通算300試合出場達成に続き、加藤望の「400試合出場」のカウントダウンも始まっている。田村が触れたように、その背中でチームを引っ張るベテランは言う。
「チームの戦いに迷いがないから、自分も迷いなくプレーできる。周りがあってこそです。たとえばおなじ5mでも1テンポ速く動くとか、さらにグループになって気持ちよく戦えるはず。ここぞというときに力を出せるように、ここからもっと積み上げていきたい」

 今季ここまで積み上げてきた試合後恒例の「勝利のダンス」は、7回を数える。「試合ごとに声が大きくなっていますね」と、加藤もサポーターの後押しを肌で感じているようだ。また今週はベルマーレOBの中田英寿氏も練習に参加し、チームは新たな刺激を得た。日々のさまざまな温度ある出来事を糧に、湘南が大事な週末に臨む。勝利の凱歌はどちらに響くか。

以上

2008.05.10 Reported by 隈元大吾
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