5月10日(土) 2008 J1リーグ戦 第12節
川崎F 0 - 1 浦和 (14:05/等々力/20,335人)
得点者:62' エジミウソン(浦和)
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浦和の試合巧者ぶりに、川崎Fの選手は舌を巻くしかなった。浦和が前半に放ったシュートはわずかに2本。後半に至っては、高原が奪ったPKの1本だけ。ただ、それでも試合を勝ちきるところに浦和らしさが詰まっていた。
冷たい雨に打たれた事で、ピッチコンディションは難しい状態になっていた。「言い訳になるので」と芝についての泣き言を封印した梅崎だったが、それにしても濡れた芝の影響について「ありました」と否定することはなかった。さらには、お互いにがっちりと組み合う形のフォーメーションであり、献身的に守備をする選手の多さもあって、局面での攻防はタイトさそのものだった。少しでもトラップが大きくなると、それが即ミスにつながる。ターンオーバーの多さは、このレベルのチーム同士の試合では考えられない頻度になっていた。
だからこそ、中盤で意図せざる形でボールを失った直後のカウンターは見せ場の一つなる。しかし、そこは試合巧者の両チーム。数的に難しい局面での守備をそつなくこなし、得点につながることはなかった。そんな前半を振り返って村上和弘は「最初は急ぎすぎたのかなと思っていたんですが、もう少し外から行ければ良かった。もう少し我慢強く行けてれば良かったです」と反省の弁を述べていた。
ジリジリとした展開のまま試合は後半に入るが、特に何かが変わるということはないまま時間だけが過ぎていく。前半に2本のシュートにとどまった浦和にとって、後半の最初のチャンスが大きなものとなる。後半61分。相馬からのパスをもらった闘莉王がヒールで高原に流す。
「タカが裏を取った」(エンゲルス監督)という場面で対応したのは井川祐輔。スライディングするという判断については何とも言えないが、このプレーがファールの判定となり、浦和にPKを与えることに。キッカーのエジミウソンが落ち着いてこれを蹴り込んで、浦和が先制点を奪った。後半62分の事だった。
得点が決まったことで、試合も動く。この得点の3分後には右サイドを起点として左サイドの山岸智へサイドチェンジのパスが通る。スペースへと持ち込んだ山岸の折り返しに村上が飛び込み、最後は谷口博之が押し込むが、オフサイドの判定でノーゴール。
ここから川崎Fが必死に同点ゴールを狙い続けるが、能力の高い浦和守備陣の壁を破るのは容易ではなかった。鄭大世は浦和のディフェンスとの競り合いに勝ち続けるが、つなぐボールの精度の低さを反省しつつ「浦和は高さはなかったんですが、上手かったです」と無念そうに口にしていた。その鄭大世とコンビを組んでフル出場していたジュニーニョも「難しい試合でした」としつつ「サッカーはどうなるかわからない。一本だけのシュートで入ることもあるし、何本打っても入らないこともある」とサバサバとした表情で試合を振り返っていた。
後半だけを見ると、川崎Fのシュートは7本。しかし、PKによる1本のシュートにとどまった浦和に対し、得点を奪うことはできなかった。監督交代以降、4連勝してきた川崎Fの連勝記録が遂に途絶え、浦和のエンゲルス監督の不敗記録が10試合に。また勝点3を加え、首位をがっちりとキープしている。
以上
2008.05.10 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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