5月10日(土) 2008 J2リーグ戦 第13節
山形 3 - 1 水戸 (13:04/NDスタ/3,582人)
得点者:18' 根本亮助(山形)、34' 菊岡拓朗(水戸)、47' レオナルド(山形)、85' 宮崎光平(山形)
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サイドチェンジを胸で落として相手マークを縦に抜き去り、石川竜也が左からクロスを差し込む。いったんプルアウェイした根本亮助がふたたび森賢一の前に出ると、ジャストミートでヘディングシュートを叩き込んだ。
「タツさんはいつもいいボールをくれるので、必ず来ると信じてました」
前半18分、2人の信頼が生んだ山形の先制ゴールだった。ただし、こうした出し手と受け手の信頼関係が発揮されたシーンとともに、攻撃でのなんとも言えぬ歯切れの悪さも混在していた。試合は3−1で山形がものにしたが、これが偶然の産物ではなく、奪い取った勝点3だと断言できる力強い根拠が得られたのかは、次節以降を待たねばならない。
「前回の愛媛戦もそういう入りができたので、疲れているのはわかってるんだけどそこはやっていこう」
決めきれず無得点に終わったがチャンスはつくれていた、その前節・愛媛戦の教訓を生かすべく、小林伸二監督はリスク管理をしたなかでラインを上げて前がかる。中盤では素早いプレッシングで相手の攻撃を自由にさせず、相手のサイドバックやボランチへの連動したプレッシングが実現できていた。高いラインの裏には長いボールが蹴り込まれることになったが、それもGK清水健太がペナルティーエリアを飛び出してクリアするなど、水戸が決定機に至る前に芽を摘んでいた。
しかし、ボールを奪ったあとの攻撃では、守備で発揮される組織力を感じさせないチグハグさを露呈する。前半2分、キーパーとDFラインの間に入れた北村のクロスをFWが飛び込まずに見送り、5分には長谷川悠がボールを奪い、宮沢克行に戻して裏でリターンをもらおうとしたがパスが合わず、秋葉勝はイージーなパスミスでボールを失う。根本のゴールで先制したあとも、佐藤健太郎からのサイドを変えるパスを石川がそらしてタッチを割るなど、噛み合わない時間が続いた。ボールキープで奮闘しても、パスを渡したい味方が後ろにしか見つからないケースもあった。アタッキングエリアまでボールを運ぶことはできるが、そこからどうしたいのか。ゴールまでのイメージを共有できないまま、時間が過ぎていく。
複数失点が続いている水戸は、大和田真史の出場停止、西野晃平の怪我もあり、前節から先発メンバー4人を入れ替えたが、そのうち、DF秋葉陽一、MF森賢一、FW満生充が今季初先発というフレッシュな構成となった。前半は満生と荒田智之が前線でかき回すものの、さほどのチャンスをつくれずにいたが、満生の強引な突破が相手のファウルにつながり、前半34分のフリーキックで菊岡拓朗が壁の横を通し、ゴールマウス右隅へ逃げる軌道で同点とした。
「フリーキックで追いついて、そこからは自分たちのペースでゲームができるのかなという感じはあった」
木山隆之監督のそうした思惑は、ハーフタイムをはさんですぐにうち消される。後半開始2分、山形の右FKで根本が相手ごと潰れると、石川が蹴ったボールはゴール前で待つレオナルドの足元へ。シュートはGK本間幸司にいったんは弾かれたが、こぼれたところを押し込んだ。
ふたたび破れた均衡は、両ゴール前が忙しい展開に試合をシフトさせる。水戸は後半12分に森賢一から堀健人へ、19分には満生から塩沢勝吾へとカードを切ると、ビジュを残して赤星貴文が高い位置をキープし、右SH菊岡が中央に絡むことで右SB倉本崇史も一気にハーフウェイラインを越えていった。前がかりに押し込むなかでチャンスもつくった。後半17分には菊岡が右から中央に移動ながら左足でグラウンダーのシュートを放ち、20分には浮き球をうまく足元に落とした塩沢がボレーシュートを放つ。コースが変わりゴールに向かって転がるボールは、GK清水が相手が詰める前にあやうくゴールラインに逃がした。後半28分に、赤星に代えて右SHに金澤大将を入れた頃には、ボール支配で山形を圧倒していたが、相手DFからのプレゼントボールを、受け取った塩沢がミスで返却するなど、チャンスを決めきるまでには至らず、後半40分にはカウンターから途中出場の宮崎光平のゴールで、試合を決定づける3点目を山形に献上した。
前に出たリスキーな時間に与えた3失点目は、ある意味仕方のないものだが、水戸が痛かったのは後半立ち上がりで与えた2失点目。この5連戦で4度目の3失点、勝点は仙台戦で挙げた1にとどまった。結果が伴わずとも、それが次の勝点に近づくものであれば、この90分は無駄にならない。怖れるべきは相手ではなく、負け慣れることだろう。
攻撃が湿りがちだった山形は久しぶりの3得点。改善すべき点は多いが、試合ごとに負傷者が出る状態でなんとか勝点を積み上げてきたことは評価できる。
第1クール残り2戦を終えたときに、どの順位に立っているかは殊の外重要だが、まずは次節。倒すべき相手を全力で倒しにいく。
以上
2008.05.11 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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