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【J1:第12節 千葉 vs 京都】レポート:攻守に気迫を見せた千葉が、生え抜きの工藤のゴールでリーグ戦初勝利。京都は単調な攻撃が自滅を招く。(08.05.11)

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5月10日(土) 2008 J1リーグ戦 第12節
千葉 1 - 0 京都 (16:03/フクアリ/10,178人)
得点者:68' 工藤浩平(千葉)
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長かった。ここまで本当に長かった。表示は3分のロスタイムが3分12秒になり、試合終了を告げる笛の音がスタジアムに響き渡ると、千葉サポーターは優勝したかのように喜びを爆発させた。リーグ戦の勝利は昨年10月6日の第28節甲府戦以来。フクダ電子アリーナでの勝利は、Jリーグ公式戦では昨年9月30日のリーグ戦第27節F東京戦以来となる。冷たい雨の中で声援を送り続けた千葉サポーターが大喜びするのも当然だった。

試合前には午前中に来日したばかりのアレックス・ミラー新監督がスタジアムに姿を見せ、千葉側のゴール裏まで出向くと、サポーターのコールに手を上げて応えた。監督交代というショック療法が、本当にここまでの千葉の悪い流れを断ち切ることができるのか。それは選手の頑張り次第だったが、千葉の選手は自らのプレーでそれを実現させた。

連勝を狙う京都は真ん中にFW柳沢敦、左にFW田原豊、右にFW林丈統という3トップで臨んだ。だが、千葉は4バックと、MF下村東美とDF斎藤大輔のダブルボランチが、的確に京都の攻撃に対応。特に効果的だったのは、本来のポジションのセンターバックの1列前で起用された斎藤だった。持ち前の守備力を駆使して中盤で京都の攻撃の起点を潰し、ボールを奪うと簡単に味方にボールを預ける。下村は攻撃のアクセントになろうとしすぎたのか、アレックス・ミラー監督に「6番はボールを持ちすぎ」と批評されたように球離れが悪かったが、斎藤のシンプルなプレーは千葉の攻撃のリズムに好影響を与えた。

 だが、千葉は前半から何度か得点機を作るものの、シュートがゴールポストの横に外れたり、京都のGK水谷雄一にセーブされたりして、チャンスを得点に結びつけられない。試合の主導権は握れていたが、この日も『1点』が遠かった。そんななかで貴重な『1点』を奪ったのは、ジュニアから千葉(2004年まで市原)の下部組織に所属していた生え抜きのMF工藤浩平だった。68分、FW新居辰基のスルーパスに反応したFWレイナウドがシュートしたが、ボールは右のゴールポストに当たってノーゴール。だが、そこに走りこんだ工藤がボールを右足でゴールに押し込んだ。結果的に決勝点となった『1点』を奪った工藤は、もっと盛り上がるように両手でサポーターを煽りながら、会心の笑みを見せた。

試合後に林が「正直、どちらが最下位かわからない試合をしてしまった」と振り返った京都は、攻撃が3トップへのロングボール主体で単調になって自滅した感がある。時にはダイレクトパスをつないでサイドを突いたが、あの攻撃を多用していれば千葉の選手を振り回すことで守備を崩せたように思う。ルーズボールを拾って攻めてもすぐに千葉ボールになって戻ってくるため、次第に守備のリズムまで乱れてしまったのはもったいなかった。

千葉はようやくスタートの一歩を切ったに過ぎない。坂本は「(青木)孝太には『得点チャンスをちゃんと決めろ』と言った」そうだが、千葉は先制点奪取後に何度かあった追加点のチャンスをモノにできなかった。攻撃自体もそこで縦にボールを入れればチャンスになるところでの横パスがまだ目立つ。今節の勝点3がただの勝点3で終わるのか、浮上の大きなきっかけになるのか。それは次節の大分戦次第だ。今節で見せた選手の気迫、出足の鋭さ、運動量を持続して勝っていかなければ、J2降格圏内からの脱出は厳しい。

以上

2008.05.11 Reported by 赤沼圭子
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