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【2010 FIFAワールドカップ南アフリカ アジア3次予選 タイ代表 vs 日本代表】レポート:団結力を見せた日本代表が自滅気味のタイ代表に快勝。最終予選進出を決める(08.06.15)

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6月14日(土) 2010 FIFAワールドカップ南アフリカ アジア3次予選
タイ代表 0 - 3 日本代表 (19:20/タイ・ラジャマンガラ/25,000人)
得点者:23' 田中 マルクス闘莉王(日本)、39' 中澤 佑二(日本)、88' 中村 憲剛(日本)
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 空港や前日会見の場で日本人記者に囲まれたチャンウィット監督は、言葉巧みにタイ代表のイメージを膨張させていった。彼は、2月の降雪の寒さの中で、凍えながら何もできなかったチームではないのだと、何度と無く強調した。バーレーンやオマーンとのホームでの対戦で粘りを見せていたタイ代表の残像が、チャンウィット監督の言葉と共に脳裏にすり込まれていく。タフな試合になる、との予想はしかし、あっという間に瓦解する。

 立ち上がりから試合を圧倒したのは日本だった。開始直後の長谷部誠のビッグプレーを皮切りに、日本が完全に試合をコントロール。その源泉は、岡田監督がチームに導入したコンセプトだった。

「ディフェンスに関しては、取られた瞬間にディフェンス」

 試合後の監督会見の場で、そう口にした岡田監督が提唱するコンセプトは、ごくシンプルである。ボールを失い、相手が前に出ようとしたときに奪い返すのだと。そしてその考えは、タイのホームとなるこの試合でも十分に発揮されることとなる。FWによるファーストディフェンスによって狭められたパスコースは、中盤の選手が相手選手を囲い込むためのスイッチとなる。動きの鈍いタイ代表は簡単にボールを失い、日本が常にボールを支配する試合展開となる。

 試合後に、詰問されるかのように「恐れていたのか」と問いつめられたチャンウィット監督はそれを否定する。しかし、そう取られてもおかしくないほどにタイ代表の動きは鈍かった。彼らにも可能性が残されていた試合での、あまりの内容に疑問を感じたのだが、その理由の一つとして、完全に日本の戦いにはまってしまった、という事があげられるのかもしれない。たとえば中村俊輔は「相手は回してくれたし、ボランチにも預けてくれたのでやりやすかった」とタイ代表のプレーを解説。パスをつなげてくる相手に対しては、岡田監督のコンセプトは相性がいいのである。パスを回そうとして、簡単に日本に囲い込まれ、そしてボールを奪われる。タイ代表の攻撃の機会は、意図していたショートパスからの崩しではなく、アクシデント的なロングパスから。そんなサッカーを続けていく中で、タイ代表は戦意を失ったのかもしれない。

 ボール支配率を高め、分厚く攻め続ける日本代表はセットプレーを積み重ねていく。そうやって次々と訪れる好機が得点に結びつくのには、そう長い時間はかからなかった。前半の21分。香川真司が起点となり、左サイドに展開。松井大輔を経由して最後は駒野友一へとつなぎCKを得る。中村俊輔とのショートコーナーから、遠藤保仁がファーサイドの闘莉王を狙った。

「いいボールが来た」と口にする闘莉王がファーから飛び込み、ヘディングで押し込んだ。ここまでの戦いぶりを見れば、1点はセーフティーリードと言えるものだった。だからこそ、前半39分に中澤佑二が決めた2点目は、決定的なものとなる。

 楽勝だと感じていた前半と比べると、後半のタイは少しばかり骨太な戦いを見せはじめる。ボールへの貪欲さを発揮し始め、波状攻撃を仕掛け始めた。ハーフタイムに何らかの檄が飛んだものと推測されるが、あの戦いができるなら、彼らはそれを前半からやるべきだった。そうした試合内容を振り返った上で、たとえば香川は「まだ上のランクにいけばきついと思う」と述べて、改善すべき点が残されているとの認識を示していた。

 タイがペースを握る時間帯を経験したこともあり、また2点という魔の得点差による緊張感と、停滞気味のパスワークを打開するきっかけとして、岡田監督は後半の70分に一度に2枚のカードを切る。松井大輔から矢野貴章。そして中村俊輔から中村憲剛への交代采配である。

「監督からは右のサイドでためをつくってボールを回していけといわれました。あとは持ち味の、出して、出るというのをやりたかった」と試合を振り返る中村憲は「今日は動いて作ろうと思っていました。それは元気な選手がやるべきだと思っていました」との言葉通りの働きをピッチ上で実践。ボールを引き出し、シンプルにパスを回すことでリズムを生み出してチャンスメイクした。

 ただ、ホームで戦うタイ代表は1点を奪い返すべく後半80分ごろから猛攻を仕掛けてくる。それは闘莉王が口にした「失うものが無い相手」という言葉がぴったりの激しさだった。そのタイの捨て身の攻撃を無力化したという意味で中村憲の88分の3点目は重要な得点となる。ベンチを温めてきた控え組。そしてベンチにすら入れなかった登録外の選手たちの気持ちを代弁するかのように、喜びを爆発させた中村憲の「自分たち控えの選手が結果を出せば、スタメンの人たちはもっと飛ばしていける」との言葉がこのチームの団結心を示していた。そして、前日会見で岡田監督が口にした「チームが非常に一つにまとまって本来のチームになってきたという感じを受けています」というチームの姿がそこにはあった。

 5月20日に始まった名古屋合宿からの突貫工事によって、日本代表は一定の形を見せつつある。このタイ戦は、タイ代表自身の自滅という要素も色濃く出ていたが、それにしても、チームの団結を感じさせつつ、結果も出た意義深い試合だった。

 ちなみに同日。バーレーンで行われたバーレーン対オマーンが引き分けに終わったことで、日本代表は最終予選への進出を決めた。最低限のノルマは達成したことになるが「ぼくはバーレーンでの屈辱を絶対に忘れていません」と述べた岡田監督のバーレーン戦に向けた決意は固い。最終予選を見据えつつ、3次予選を締めくくる意味でも選手には「コンセプト」を日本のサッカーファンに披露し、狙い通りの試合内容で勝利してほしいと思う。

以上

2008.06.15 Reported by 江藤高志
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