6月21日(土) 2008 J2リーグ戦 第21節
水戸 1 - 2 広島 (13:04/笠松/3,634人)
得点者:58' 平繁龍一(広島)、70' 平繁龍一(広島)、81' 中村英之(水戸)
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「(佐藤)寿人さんがいないのに先発でなくて悔しかった」と唇を噛み締めた平繁龍一の思いが爆発した。
22日に行われるワールドカップアジア第3次予選バーレーン戦の日本代表メンバーに佐藤寿人が選出され、この試合を欠場。エースであり、キャプテンでもある佐藤寿の不在により、チーム力低下、特に決定力の低下が予想された。そこでペトロヴィッチ監督が選んだ先発メンバーはなんとFW登録の選手はいない布陣であった。登録上は3-7-0。森崎浩司を頂点に置いた1トップ2シャドー気味のシステムだったが、「誰が出ても変わらない」と指揮官が自信を持って臨んだように前線の3人が流動的な動きを見せ、水戸守備陣をかく乱。序盤から圧倒的な広島ペースで進むこととなった。しかし、攻めても攻めてもゴールは決まらない。7分にストヤノフのミドルシュートのこぼれ球を結城耕造が押し込むものの、オフサイド。19分にも右CKを結城が頭で完璧に合わせたが、GK本間幸司がファインセーブ。28分には槙野智章のクロスを森崎浩が頭で合わせたが、ゴールバーに嫌われるなど「いつ先制するかという流れだった」(ペトロヴィッチ監督)。
その流れに終止符を打ったのが平繁であった。56分に柏木陽介に代わりピッチに入るとわずか2分後、右サイド李漢宰からのクロスをファーサイドで頭で合わせ、先制ゴール。勢いに乗った平繁は70分にもゴール前の混戦から抜け出し、豪快なシュートを決め、追加点。途中出場ながらも2得点を挙げる活躍でチームを勝利に導いた。「龍一が入ったから勝ったと思いますか? 前半から内容がよかったと思います」とペトロヴィッチ監督が語るように前半からいい流れを築き、再三水戸ゴールを襲ったのはたしか。しかし、やはりストライカーというのは特異なポジションであるということをこの日の平繁が証明したのではないだろうか。どれだけいい形を作ってもゴールをしなければ意味がない。シュート2本で2ゴールした平繁の決定力が佐藤寿不在のチームを救ったことは間違いない。佐藤寿不在の中、若きストライカーの活躍で得た勝点3は広島にとって大きな価値を持つことだろう。
水戸にとっては格の違いを見せつけられる敗戦であった。プレスをかけてはいなされ、広島の幅の広い攻撃に翻弄され続け、手も足も出ず。ほとんどの時間を水戸陣内で行われることとなってしまった。何よりもチーム自体が積極性を欠いたことが悔やまれる。「前に行く意識もなく、単発な動きばかりでチームで連動できなかった」と本間が語るように守備の意識が強すぎるあまり攻撃性が失われてしまったことが最大の敗因と言えるだろう。
また、戦い方も拙かった。前線からプレスにいけていない状況でも最終ラインを高く保ったため、流動的に動く広島の変則的3トップにスペースを与えてしまい、面白いように裏を突かれ続けた。広島の決定力不足に助けられて前半はなんとか無失点で折り返したものの、後半は平繁に2ゴール。裏を突く動き、そして決定力に長ける佐藤寿がいれば、さらに失点を重ねていたはず。「もっと中盤とDFを下げてやってもよかった」と鈴木和裕が反省したように、結果というものにこだわるのならば、もっと相手の長所を潰す戦いということを考なければならないだろう。
ただ、収穫がなかったわけではない。それはパク・チュホの存在である。技術、強さ、体力どれを取っても広島の選手と引けを取らなかった唯一の選手であり、終盤に反攻できたのも全体的に動きが落ちた中でも1人果敢に走り続けた彼がいたからである。81分には中村英之のゴールを生む絶品のFKを披露。力の差を見せつけられながらも1点差という結果になったのもパクの奮闘があったからこそ。今まで以上に彼を中心に据え、彼の力を発揮させることでチームは必ず浮上するはず。今後のチームの浮沈を握る存在であることをあらためて痛感させられる動きを見せてくれた。
24.4度、湿度80%の中、広島のパスワークにさらされ続けた水戸の体力の消耗は計り知れない。この日の疲労は必ず中3日で行われる横浜FC戦(@ニッパ球)で出ることだろう。そこでどんな戦いができるかに水戸の真価が問われることとなる。厳しい状態でも果敢にプレスをかける底力があるか。もう前節愛媛戦の二の舞を踏んではいけない。再び連敗地獄に戻るか、それとも成長した姿を見せることができるか。次節横浜FC戦は今季の水戸の分起点とも言える試合となることだろう。
以上
2008.06.21 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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