6月25日(水) 2008 J1リーグ戦 第11節
鹿島 1 - 0 大分 (19:04/カシマ/8,286人)
得点者:66' ダニーロ(鹿島)
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どちらに転んでもおかしくない試合を鹿島に引き寄せたのは途中出場したダニーロだった。まさに”助っ人”と呼ぶに相応しい大活躍。出場5分後に得点を奪っただけでなく、試合終盤には大分の決定機を体を張って防ぎ、チームの勝利に貢献した。
試合の主導権は鹿島が握っていた。とはいえ、全体的に選手の動きが重い。選手同士の意図が噛み合わず、小笠原満男から新井場徹へのパスの場面や、岩政大樹が守備位置を押し上げる指示を出しても本山雅志が前にプレスに行けないなど、チームが有機的に機能する「良いときの鹿島」には程遠い内容だった。
鹿島はこの試合までリーグ戦7試合連続未勝利。フィジカルコンディションの悪さがその要因だったため、そこをいかに改善するかが中断期間の課題であった。にもかかわらず、運動量が上がらない。スタジアムには重苦しい空気が漂っていた。
ただ、対する大分も効果的な攻撃を繰り出すことは出来なかった。
「今日の前半は、我々が望んでいたサッカースタイルを鹿島にやられた感じです」
シャムスカ監督が試合後の記者会見でふり返ったように、前半は、攻撃を組み立てるショートパスでミスし、鹿島の中盤に奪われてカウンターを喰らう場面が多かった。だが、鹿島は運動量の少ないので、ボールを奪ったあとの切り替えが遅い。ボールを追い越していく選手やゴール前に走り込む選手も少ないため、結果としてボールを奪った数にくらべて決定機は少なかった。
そんなモヤモヤした試合展開に光を射し込んだのがダニーロだった。後半61分に交代出場しすると、その5分後にひと仕事やり遂げた。もはやホットラインとも呼べる小笠原のコーナーキックに対し、ニアサイドでポジションを取ってヘディングシュート。ゴールから逃げながらという難易度の高いヘディングながらも、体の大きさをうまく使ってスペースを作りゴールに叩き込んだ。
試合終盤、同点弾を狙い大分は攻勢をかける。復帰戦となった高橋大輔や前田俊介を相次いで投入。すると、左サイドで金崎夢生がディフェンスをなぎ倒しながら強引に突破、ゴールまで2対1の決定機を迎えた。
「前田がフリーで見えたのでパスを出した。マークが付いていたら自分で打つつもりだった。」
金崎は逆サイドに前田がフリーでいることを確認してからパスを出す。しかし、そのパスに対し猛然とスライディングでカットした選手がいた。2列目のMFとして投入されたはずのダニーロだ。最終ラインまで戻り、大分の決定機を未然に防いだ。この気迫溢れるプレーに、ディフェンスリーダーの岩政はダニーロを強く抱きしめ感謝の意を表した。
最終盤には大分がウェズレイ、高橋、前田の3トップに布陣を変更し、パワープレーを仕掛けるも、鹿島はチーム一丸となってこれを跳ね返しタイムアップ。長いトンネルを抜けようやく勝利を掴み取った。
小さな差が大きな結果の違いを生む。
試合を通じてチャンスの数は鹿島も大分もほぼ同じ。ゴールバーを直撃したシュートもひとつずつ。しかし、きっちりコーナーキックをものにして勝点を奪ったのは鹿島だけだった。大分の若い選手たちもこれが上位チームの底力であることを感じただろう。
そして、昨シーズン高橋大輔が鹿島に対して鮮烈なイメージを残したのと同様に、金崎夢生もまた強烈な印象を植えつけた。スペースでボールを持てば必ず勝負を挑む気持ちの強さ。そのチャレンジからチャンスをつくり出すテクニックの高さ。またミックスゾーンでの受け答えも非常にロジカル。自分がなぜそのプレーを選択したのか論理的に説明できるインテリジェンスも感じさせた。
大分は、シャムスカ監督の下、すばらしい若手選手が次々と育っていく。
鹿島にとっては、懸念されていたコンディションの問題が改善されていないことが浮き彫りになってしまった。中断期間で追い込んだフィジカルがまだ回復していないのかもしれない。今後、リーグ戦、ACLに続きナビスコ杯の日程も追加されてくる。
ただ、ダニーロ、興梠慎三といった、先発メンバーに入る力を持つ選手たちが、常にベストを尽くしている姿を見る限り、チームは徐々に上向いていく。そんな可能性を感じる試合だった。
以上
2008.06.26 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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