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【J2:第22節 仙台 vs 熊本】レポート:アウェイの空気の中ゲームプランを完遂した熊本が、勝利こそならなかったが無失点で勝点1を得る。仙台は今後のために、更なる攻撃のオプションが欲しい。(08.06.26)

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6月25日(水) 2008 J2リーグ戦 第22節
仙台 0 - 0 熊本 (19:04/ユアスタ/10,317人)
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ゲームにおいて、機先を制したのは仙台だったと思われる。
3分に田ノ上信也から出された左前方へのロングボールで、中島裕希が裏を取りそのままシュート。このプレーを皮切りに、シンプルな一本のパスやサイドチェンジで熊本の布陣をサイドから崩そうとする戦前の意識どおりの展開が、序盤の仙台には見られていた。ところが仙台がゴールを陥れられないうちに、流れが熊本に傾いていくのだが、これには仙台と熊本、双方がもたらした事情が絡んでいた。

記していたメモによると31分、中央でボールを奪った熊本がカウンター、中央の山口武士から左の松岡康暢へスルーパスが出るが、松岡が左45度で右に切り替えしたところで守備が戻りシュートまでは行けなかった場面が、熊本にとって最初のチャンスとある。だが、思えばパスが若干乱れて通らなかっただけで、中盤の4人がよく絞り高い位置でボールを奪ってから、両SBを一気に駆け上がらせる攻めは、試合の序盤から何本も出ていた。
 これこそが熊本の意図。全体的に守勢であるのは否めないのだが、ボールサイドへコンパクトな布陣をしっかり寄せて、高い位置でボールを奪ってからのカウンターという狙いを、熊本はこのアウェイの雰囲気の中(熊本が1万人以上の観衆の中でプレーしたのは、レベルファイブスタジアムでの第12節福岡戦以来。この試合は九州ダービーということで、熊本からも多くのサポーターが駆けつけていただろうことを考えると、まさに今日はほぼ完全なアウェイ戦である)で、高い集中力を持って完遂しようとしていた。カウンターから得た35分のCKにおいて、最初のヘッド(おそらくは、矢野大輔か吉井孝輔)がバー直撃、次の高橋泰のシュートもバー直撃、最後に矢野が放ったシュートがバーの上を越えるという場面があったが、これが決まっていれば、まさに熊本にとってこの日が最高の夜となった可能性もあったのだ。

では、こうした場面を経て九死に一生を得た格好の仙台が、熊本の意図を「後押し」することにつながった要素はどこか。一つは中盤で頻発したミス。熊本がそこに漬け込もうとしている以上、高い位置で安易にボールを失うことは禁物であるが、仙台は前節に続きミスを重ね、何度も危険な場面を迎えることとなった。

そしてもう一つだが、熊本がシーズン当初からの「意図」をこの日も遂行しようとしていたのに対し、仙台は特に前半の半ばころから、シーズン前に監督が語っていた「意図」が見えなくなっていたことも挙げたい。

仙台というと、足技の高い選手による細かいパス回しに、後方からの追い越しを絡めたサイドでの崩しがイメージとして強く残るが、実はそれだけではない。というより「それだけではない」仙台を目指そうと、手倉森誠監督はシーズン前に考えていた。短い展開だけでなく、大きなサイドチェンジや、後方からの長いボールをアクセントで絡めるなど、一つの武器が封じられた時も、様々なオプションを駆使して相手を凌駕したいと語っていた。

だが少なくとも今節、悪い時間帯の仙台は、細かい展開からのサイド突破に固執しすぎたきらいがある。熊本の守備がボールサイドへ寄る以上、逆サイドには大きなスペースが空きがちになり、そこで逆サイドのSBが受ける準備を整えていたにもかかわらず、シンプルに逆サイドへ展開することは少なかった。また監督が会見で語っていた、速いタイミングでのラストパスの少なさも含めて、たくさんのオプションを携えるという当初の目標から考えれば、この日の仙台は物足りなさを感じさせた。

試合は後半、双方が決定機を掴む展開となったのだが、仙台は数々の決定機をGK小林弘記に阻まれゴールならず。一方の熊本も後半から入った木島良輔がファーストタッチで際どいミドルを放ったのを皮切りに、3本の決定機を掴むものの、大きな1点を奪うことができなかった。

だが、相手を追い詰めたのは、現在こそ最下位である熊本の方だった。
仙台の選手が高いポテンシャルを持っているのは、敵将の池谷友良監督も認めていただけに、それを活かすべき方策が必要。その行き着く先として、手倉森監督がシーズン前に語っていた「オプション数の増強」があったはず。関口訓充のサイド突破に対して、ここ数節は必ず2人の守備陣が応対してくるなど、仙台のサイド崩しはもはや対戦相手による研究が進みつつある。次節は中2日での試合のため、サッカーを大きく変えることは難しいだろうが、選手、ベンチ含めて、シーズン当初にどのようなチームを目指していたかを意識するだけでも、ピッチに描かれるサッカーは違ってくるのではないか。むしろ短い時間だからこそ、こうした変貌を見てみたい。

以上
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