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【J1:第14節 新潟 vs 川崎F】レポート:新潟が接戦を制し、ホームの川崎F戦10連勝。GK北野貴之がPKを阻止し、流れをつかむ。(08.06.29)

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6月28日(土) 2008 J1リーグ戦 第14節
新潟 2 - 1 川崎F (16:03/東北電ス/40,029人)
得点者:26' 永田充(新潟)、52' アレッサンドロ(新潟)、63' 我那覇和樹(川崎F)
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新潟が2-1で川崎Fを下した。J2時代の2001年から続くホームの川崎F戦の連勝を10に伸ばした。前半26分、松下年宏のFKのこぼれ球を永田充が頭で押し込んで先制。後半7分にはアレッサンドロがPKを決めて追加点を挙げた。後半13分には、中野洋司の一発退場で迎えたPKをGK北野貴之が阻止。その後は数的不利になりながらも反撃を1点に抑えた。

川崎Fは後半18分に我那覇和樹の公式戦3試合連続ゴールで追い上げるが、ここまで。我那覇がPKを外すなど、波に乗り切れなかった。

大声援に包み込まれるような感覚が心地よかった。「でも、PKの瞬間は声援は聞こえませんでした。集中していましたから」。4万29人と今季最多の観客で埋まったビッグスワンに自分のコールが響く。その中で北野は冷静だった。

後半13分、中野がペナルティーエリアで我那覇を倒し、レッドカード。数的不利になったうえに、立たされたPKの場面。声援を受けながら、北野は我那覇の動きに意識を集めた。右足が降り抜かれる。瞬間的に右に飛んだ。スピードに乗ったボールを両手でブロックする。同時に「北野コール」以上のボリュームの歓声がスタジアムに沸き起こった。それでも気を緩めなかった。ガッツポーズを見せながらも、視線はこぼれ球からそらさなかった。

「右に飛ぼうと決めていました。迷いがあったらあのスピードにはついていけなかった」。ボールをセットする前から相手を観察した。そして下した判断を信じた。

得点は2-0。リードはしているが、ここで決められれば川崎Fに流れが傾いてもおかしくなかった。新潟・内田潤が「北野が止めてくれたことが大きかった」と言い、後半18分に借りを返すゴールを奪った我那覇自身が「あのPKを決めていれば流れが変ったかも」と悔しがったように、このPK阻止が試合のターニングポイントだった。

同時に新潟守備陣の粘り強さの象徴でもあった。本間勲、千葉和彦のボランチ陣が、川崎Fの中村憲剛、谷口博之をマーク。効果的なボール回しをさせなかった。鄭大世、我那覇のツートップは千代反田充、永田の両センターがケア。それぞれが役目を果たした。

後半だけで14本、合計17本のシュートを浴びた。人数も1人減った。ただ、後手に回った守りではなかった。ラインは極力高く保ち、自陣に押し込まれてもボールを奪いにいく姿勢は忘れなかった。「苦しかったけど、みんなラインを下げずに強気で守ってくれた。集中していた」と北野。中断前から続いていた守備の安定は、再開後も保たれていた。

川崎Fは新潟の粘りを断ち切れなかった。後半18分、大橋正博のコーナーキックからのこぼれ球を我那覇が決めた。ただ、流れの中でのシュートは精度を欠いた。数的優位に立ってからボールが的確に回り始めたが、最後の詰めを欠く。新潟の守備の裏を付ききれなかった。

試合の立ち上がりからコンビネーションはいまひとつだった。有利な状況になり、1点差に迫ったものの、最後まで改善し切れなかった。その中での明るい材料は、我那覇が着々と復調していること。これでナビスコカップの予選から3試合連続ゴール。攻撃の厚みは出てくる。

新潟の勝利の大きな要因にサポーターの後押しがあった。大事な場面での大声援。「集中していても声援が聞こえた。鳥肌が立った」と内田。今季最多で、今季初の4万大観衆とチームの一体化。新潟の上昇ムードが本物になりつつある。

以上

2008.06.29 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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