7月2日(水) 2008 ヤマザキナビスコカップ
千葉 0 - 1 名古屋 (19:00/フクアリ/8,472人)
得点者:14' ヨンセン(名古屋)
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試合を通じて両チームが打ったシュートは11本ずつ。勝敗を分けたのは、名古屋のストイコビッチ監督が以前から重要視していた、念願のセットプレーからのゴールだった。そして、千葉は2試合連続でセットプレーから失点し、ミラー監督就任後初の黒星となった。
千葉はリーグ戦第14節でMF戸田和幸が負傷。さらに、アレックスミラー監督はコンディションを考慮して、リーグ戦14節でスタメンのFWレイナウドをベンチスタート、FW新居辰基をベンチ外として、スタメンを3人入れ替えた。FW巻誠一郎を1トップに置いた布陣でゴールを狙った千葉だが、「下がってしまうと相手にスペースを与えてしまうので、前からプレスをかけた」(MF吉村圭司)名古屋の圧力を受け、攻めてもフィニッシュまで持ち込めない。試合後にMF谷澤達也が「うまく試合に入れなかった。相手のプレスに圧倒されてしまった」と反省し、MF工藤浩平が「判断が遅れてミスが出た。セカンドボールを拾えず、2次、3次攻撃ができなかった」と悔やんだように、前半は後手にまわった。
対する名古屋は、前半は特に左サイドバックのDF阿部翔平が「左でタメて相手を引きつけるようにして右へ展開する」サイドチェンジを何度も見せ、右サイドのスペースを狙って攻めた。だが、先制点が生まれたのは左サイドの攻撃から。MF小川佳純が突破を図ったところで、千葉のDF坂本將貴がファウル。これで得たFKをMF中村直志が蹴り、FWヨンセンが高さとうまさを発揮してヘディングシュートを決めた。
失点後は攻勢に出た千葉だが、22分の坂本のシュートはゴールポスト横で、39分のCKからのDF池田昇平のヘディングシュートは名古屋のGK楢崎正剛の素晴らしいセーブに阻まれ、『1点』が遠い。カウンター気味に攻め合う展開の後半には、巻が2回決定的なヘディングシュートを放ったがゴールとはならず、無得点での敗戦。DFバヤリッツァは185センチ、DF増川隆洋は191センチと、名古屋のセンターバックは高さがあるのに、ターゲットの巻を狙った単純なロングボールを多用したことが悔やまれる。プレスを受けていてもスペースを速く突く攻撃を仕掛けていけるようにならないと、今後も苦戦は必至だ。
名古屋は「マイボールになった時はしっかりパスをつなぐ意識でやっていた。何をするのかハッキリしていたので戸惑いがなかった」(吉村)こともあり、攻撃の狙いにブレがなかった。意思の疎通とプレーの精度を欠いた連係ミス、追加点を奪えたはずの数回の決定機をモノにできなかったことは反省点だが、接戦を制した勝負強さは見事だった。
リーグ戦第14節に続いてGK立石智紀が何度もスーパーセーブを見せただけに、千葉はセットプレーで失った『1点』が大きかった。現在は最下位のリーグ戦のことを考えても、失点しなければ負けることはなく勝点1は得られるだけに、流れの中ではある程度守れるようになっても、セットプレーであっさり失点してしまってはもったいない。ペナルティエリア前で相手にFKを与えてしまう点も含め、守備の細部の精度の向上が望まれる。
以上
2008.07.03 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
一覧へ【ヤマザキナビスコカップ 千葉 vs 名古屋】レポート:名古屋のプレスに屈した前半の攻撃、セットプレーでの失点が響き、ミラー体制初黒星の千葉。攻守の狙いと実践にブレがなかった名古屋が先勝。(08.07.03)
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