7月5日（土）J1 第15節 新潟 vs 名古屋（19:00KICK OFF/東北電ス）
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新潟はホームでの名古屋戦は3連勝中。前節、川崎Fを下した勢いをそのまま持ち込む。懸念されていた左サイドバックは松尾直人が強行出場する。右足首の故障は完治していないが、チームの浮上のカギを握る一戦だけに気持ちは固まっている。
　名古屋は2日のナビスコカップ準々決勝・千葉戦で勝ち星を挙げたことで、チームのムードは上向き。鬼門のビッグスワンで勝点3を挙げて、首位争いに弾みをつける。

違和感はない。4日の前日調整、松尾は機敏な動きを見せた。クロスに対する守備では、ディフェンス陣と声を掛け合いながら的確にクリア。患部の右足で放つミドルシュートは速度がある。

「思ったより状態はいいです」。故障部分に痛みは残る。ただ、3日の非公開練習では紅白戦でスタメン組の左サイドバックに入り、交代することなくこなした。「あとはきっちり治療して備えます」。アイシングに針治療、自宅でも就寝しながらの電気治療。週が明けてから、あらゆる手段を講じて間に合わせてきた。それを試合直前まで続ける。

不運が重なった。6月8日のナビスコカップ予選・横浜FM戦で試合後のレッドカードで退場。リーグ戦前節の川崎F戦は出場停止だった。そして川崎F戦前の練習で右足首をねんざ。全治2、3週間と診断され、名古屋戦はほぼ絶望と思われた。

それ以上にチームがピンチに陥った。川崎F戦で松尾に代わって出場した中野洋司が一発退場。名古屋戦に向けて、新潟は本職の左サイドバックが不在の状態に。

松尾は一昨年、股関節を痛めてシーズンを棒に振るなど、故障の怖さは身に染みて分かっている。今回も万全に仕上げて戦列に復帰する心積もりだった。ただ、そうもしていられない状況に、気持ちは切り替えた。「名古屋相手に守備的になってはダメ。攻撃を意識していきたい」。自分が必要とされていることを意気に感じてピッチに立つ。

名古屋は試合2日前の3日に、すでに新潟入り。非公開で調整するなど、直前の準備は念入りに行った。

リーグ戦再開初戦の鹿島戦はホームで0対4と完敗、2日のナビスコカップ決勝トーナメント・千葉戦は1対0と競り勝った。マギヌンが不在、玉田圭司、深井正樹が故障を抱えて出場が微妙と、チームコンディションに不安はある。ただ、千葉戦で緊張したゲームをものにしたことで、メンタル面は上向きだ。

得点源のヨンセンは好調をキープ。新潟の鈴木淳監督も「しっかり点を取っている」と警戒感を示す。「守備の連動性は高まっているし、昨年までとは違うチーム」（鈴木監督）と、厳しいゲームになることを覚悟している。

ともに前線からのプレスでリズムを作るチーム同士。走り勝った方が勝点3に近づく。

以上

2008.07.04 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）