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【J2:第25節 熊本 vs 水戸】レポート:中盤を支配して、終止ゲームの主導権を握った水戸が完勝。熊本は3失点でまたも最下位に。(08.07.10)

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7月9日(水) 2008 J2リーグ戦 第25節
熊本 1 - 3 水戸 (19:03/熊本/2,985人)
得点者:12' 堀健人(水戸)、42' 小森田友明(熊本)、44' 荒田智之(水戸)、69' 堀健人(水戸)
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 為す術が無かったと言うよりも、術を為さなかったと言った方が適切かもしれない。それくらい、今日の試合はまずかった。

 仙台と引き分け、C大阪に逆転勝ち、そして首位の広島に追いついてのドローと、上位陣との連戦を無敗で切り抜けた事で、それまで張りつめていた緊張感が切れたのか。この試合が、ここまでに得た収穫を“実”にするためのポイントだという自覚も当然あったはずだが、同時に、短い期間で厳しい試合を戦い、疲労が溜まっていたことも否定できない。だがそれにしても、あまりにもイージーだった。前半ロスタイムの勝ち越しゴールで試合をほぼ決めたとも言える水戸の選手達が、最後の笛が鳴るまで集中を切らさないプレーぶりを見せた事で、その濃さのコントラストがいっそう強調されてしまう。

 「熊本は前からのプレスが早いし、第1クールの対戦からはメンバーも変わって、運動量が豊富。うちは第1クールの対戦で早い時間に先制したことで、その後のプレーを辞めてしまった。その反省を生かして、リードしてもしっかりプレーを続けようと話していた」(水戸・木山隆之監督)と、水戸は序盤から積極的にプレスをかける。

 この木山監督の予想は、だが実は少し違っていた。“積極的な守備”というコンセプトにのっとった前線からのプレスは、最終ラインとの間に大きな距離が開いてしまう危険性を孕んでいることもあって、第2クールに入ってからは、バックラインでのビルドアップに関しては執拗に追い回さず、全体をコンパクトに保ち、ゾーンに入って来た時に人数をかけて奪うという方向に変えている。しかしこれは、横パスを回しながらチャンスを窺うような攻撃スタイルのチームに対してのもの。前述した3チームに対しては、これがハマっていた。

 だが、「タテに速いし、ゴール前にどんどんボールを入れて来るし、裏にも入って来る。特に左サイドの崩しが特徴ということは言っていた」(熊本・池谷友良監督)という予想通りの水戸の攻撃に対して、熊本の守備は完全に後手。中盤だけでなくバイタルエリアでのプレッシャ−も緩く、長短を織り交ぜ、ワンタッチでシンプルに、全体が連動してパスコースを作る水戸のテンポに置き去りにされる。「ファーストディフェンダーが定まらなくてチェックが全部遅れ、プレッシャーがかかっていなかった」とはDF市村篤司の言葉だが、12分、何本のパスがつながったのか数えるのも面倒な程につながれて崩され、堀健人のシュートで先制を許した。

 その後も、奪ったボールを前に運ぼうにも、組織的にボールを奪えない事で走らされた影響もあってか押し上げやフォローが足りず、さらにはパスミスで簡単に流れを切ったり、ボールを渡してしまったりという悪循環。ボールの無いところでの動き出しやスペースを使う意識、そしてしっかりとラインを形成してセカンドボールを拾い、ボールの受け手に対しては2〜3人が素早く寄せるという中盤も含めた組織的な守備と、水戸が展開していたのは、本来は熊本がやりたいサッカーだった。
 それでも42分には、左サイドの深いところで粘った木島良輔のマイナスのボールに怪我から復帰した小森田友明が詰めて追いついたものの、ロスタイムに荒田智之の突破を許して勝ち越された。

 後半に入ると、水戸の木山監督は菊岡拓朗に替えて遠藤敬祐をピッチへ送り、赤星貴文を下げた中盤が一層活性化。その赤星からのFKが、69分の堀のダメ押しゴールにつながった。熊本も中山悟志を入れて木島をトップ下に動かし、喜名哲裕、西森正明を投入したが、中盤での優位性は引き戻せないまま。結局、最後まで守備の意識も薄れなかった水戸が、したたかな試合運びを見せてそのままゲームを終わらせた。

 水戸はこれで2連勝。3得点という攻撃面の結果に隠れてはいるが、4連敗を受けて改善された守備が光った。同点ゴールを許した場面は、ニアサイドに流れた高橋泰に引っ張られ、遅れて入って来た小森田をフリーにした結果だが、前線からのチェイシング、中盤での寄せ、最終ラインの微妙なコントロールと、前からのプレスというチームコンセプトの中にも、ゲームの流れに応じて微細にバランスを取る意識を90分間実践できた点は大きな収穫だと言えるだろう。ホームに山形を迎える次節、その真価が試される。

 熊本は、試合後の会見で監督からも聞かれたが、再構築を迫られる結果となった。ほぼ固定したメンバーで積み上げて来た収穫もあった一方で、その弊害とも言える疲労が明らかに出た。また、簡単なパスミスや判断ミスを発端に、立ち上がりや終盤に失点する悪癖がなかなか改善されていない。守備が安定しなければいい形の攻撃にもつながらないだけに、中盤まで含めた組織的なディフェンスの見直しが急務だ。

 この試合、リードしている水戸のGK本間幸司に対して熊本サポーターからブーイングが発せられるシーンが目についたが、ゲームを通して見ると、パスの出しどころを探して流れが止まったり、ミスでチャンスを潰したりというシーンを頻発した、ホームチームに対してのそれも決して少なくなかった(ように聞こえた)。その根底には、「こんなものじゃないはず」「もっとできるはず」という思いがある。2,985人という観客数は、今シーズンだけでなく、クラブの歴史上でも最低の数字にしなければならない。

以上

2008.07.10 Reported by 井芹貴志
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