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【J2:第25節 山形 vs C大阪】レポート:役者がそろったDF陣をバックに攻撃陣は伸び伸びプレー。C大阪が3連敗脱出で2位山形に肉薄!(08.07.10)

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7月9日(水) 2008 J2リーグ戦 第25節
山形 0 - 2 C大阪 (19:04/NDスタ/3,736人)
得点者:47' 乾貴士(C大阪)、74' 小松塁(C大阪)
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クルピ監督がこの試合最初のカードを切ったのは後半ロスタイムに入ってから。そして、濱田武に代えて柿谷曜一朗を2分ほどプレーさせたこの交代が、C大阪唯一の交代となったが、それだけこの日のC大阪は危なげなくゲームをコントロールしていたと言える。3連敗を終わらせる勝利の笛は、ホーム山形にとってはホーム連勝が7でストップするとともに、今季初の連敗を告げる笛となった。2位と4位の対戦は、4位・C大阪が地力の差を見せつけ、山形に勝点差で並び3位に浮上する一戦となった。

 この試合の行方を大きく左右したのは、C大阪が敷いた4−2−3−1システムだった。前節で移籍後初出場を果たした乾貴士と、日本代表ユニフォームにも袖を通した香川真司。2人のファンタジスタを並列させるには、格好の戦術だった。中央の近い位置で絡みながら、あるいは右と左でポジションを変えながら自由にプレーし、トップ下に入ったゲームメイカー濱田が絶妙な緩急で2人の手綱を操った。前半は無得点に終わったが、乾には1トップ小松塁へのスルーパスを常に試みる姿勢が見て取れた。

 前方で攻撃に専念できるこうしたシステムが機能したもうひとつの理由として、ディフェンスラインに一度に3人が戻ってきたことが挙げられる。負傷で戦列を離れていたセンターバックの前田和哉、江添建次郎がそろって復帰。さらに、左サイドバック尾亦弘友希も出場停止が明けた。立ち上がりからしばらくは、バックラインで回すだけでパスミスが出るなど、急ピッチで出場に間に合わせたほころびも見えたが、時間とともに本来のプレーを取り戻していった。さらに余裕が出ると、中盤で回している間に両サイドバックが効果的に上がリ始める。前半30分には、ファーへ抜けた乾の右クロスを拾った尾亦がダイレクトにシュートを狙い、36分には香川が捌いたボールを柳沢将之が小松のヘッドにアーリークロスを合わせるなど、攻撃陣と絡みながら要所で決定機を演出した。

 山形もC大阪に好きなようにさせていたわけではない。前節は岐阜の攻撃に押し込まれる時間が多かったが、この試合では相手ボールに出る迫力を取り戻していた。特にFW長谷川悠は、石川竜也のクロスを落として秋葉勝のミドルシュートを導き、コーナーキックではニアに飛び込み、さらに宮沢克行のマイナスクロスに合わせるなど、開始10分までに3度の決定機に絡んでいた。しかし、C大阪の両サイドバックが上がり始め、横に広い守備が求められるようになるとプレスの効きも鈍ってくる。守備が機能しなくなる影響は、長谷川や財前宣之が厳しい条件でのプレーを強いられるなど攻撃にも及んでいった。

 0−0で折り返した後半、流れは一気にC大阪へ。立ち上がりに乾と香川のコンビネーションで小松へのスルーパスを供給すると、後半2分、相手の不用意なパスをカットした香川が右サイドでキープ。ゴール前は2対2になっていたが、いったんファーへ消えた乾がニアに入ってグラウンダーを右足インサイドで合わせ、先制のゴールネットを揺らした。

 山形はその直後、8試合ぶりの公式戦復帰となるリチェーリを財前に代えて投入。しかし、初めのうちはシンプルに裏に飛び込んでいったリチェーリも次第に対応され、ディフェンスラインの前で、スピードを殺された状態で足止めされるケースが目立つようになる。さらには押し上げの足が鈍ったために、長谷川も前線で孤立し、攻撃はまたも停滞。体力的に限界を迎えた石井に代えて中盤に本橋卓巳を送り込み、改めて中盤の運動量と収まる場所をつくろうとしたその直後、本橋の前方へのコントロールが大きいのを見逃さずにボールを奪ったのは乾。濱田とのワンツーで右サイドでキープすると、ニアサイドを縦に走り込む小松へ絶妙なスルーパスを送った。この日、小松のシュート数は8本。再三のチャンスを逃してきたが、ようやく枠をとらえて2−0とした。この後も山形の反撃を許さず、C大阪が敵地で勝利をもぎとった。

 「チャンスで決めるべきときに決め、そして無失点に抑えた。直接対決という意味でも大切な試合をものにした選手たちは本当にすばらしかった」。3連敗から脱する1勝であり、今後、仙台、広島と続く上位対決に弾みをつける意味でも大きな1勝を、会心の内容で飾れたことをクルピ監督は喜んだ。6月以降はまさかの失速だったが、これで再び3位に浮上。次節はアレーが出場停止明け、さらに怪我人も復帰しながら、C大阪の勢いは一気の加速を予感させる。

 「上位との対決のときにミスしてしまうと、やっぱり厳しいということが言えると思う」。6連勝を記録していた頃は、前半の早い時間に先制点が転がり込んでいたが、この5試合はすべて相手に先制を許す苦しい展開が続いている。「自分たちがやろうとしているスペースだったり、広げる展開が少なかったというところで、グループとしての攻撃が少なかった」と話す小林伸二監督の言葉にも、いつもの力が込められていなかった。今季初の連敗。来るべき試練の時が、いま目の前に来ている。だが、ここで順位が下がることを怖れて汲々とするのは、何よりもつまらない過ごし方だ。山形はまだ成長が必要なチームであり、成長できるチームでもある。戦う気持ちを忘れなければ、次の波はきっとキャッチできる。

以上

2008.07.10 Reported by 佐藤円
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