7月26日(土) 2008 J2リーグ戦 第28節
鳥栖 2 - 1 甲府 (19:03/ベアスタ/5,621人)
得点者:48' 藤田祥史(鳥栖)、69' マラニョン(甲府)、75' 藤田祥史(鳥栖)
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「ハラハラ、ドキドキ、イライラ、そしてワクワク」
岸野監督が今節の試合後に使われた言葉です。続けて、「試合の見方は色々あるけど、一番大事なのは勝点3を得ること」とコメントされました。この『色々な試合の見方』を皆さんと一緒に、岸野監督の言葉を噛み締めながら振り返ってみましょう。
野田佑樹主審のキックオフの合図と共に、両チームともボールを奪いに激しいプレスをかけました。その中でも甲府は、3トップの大西容平・サーレス・マラニョンのFWトリオを中心に鳥栖のゴールに迫ります。12分には、藤田健からのクロスに大西がヘディングで鳥栖のゴールネットを揺らしましたが、判定はオフサイド。続けて17分には、石原克哉がミドルシュートを放ちますが、鳥栖ゴールを僅かにそれてしまいました。この間、鳥栖のファンとサポーターは、“ハラハラ”しっ放しでした。
それでも25分過ぎからは、鳥栖は闇雲に前線からのボールを追いに行くのを止めて、ボールを甲府のDF陣で回させる作戦に出ました。その結果、甲府の攻撃の起点となる中盤でのポゼッションが減り、ロングボールを入れてくるようになりました。こうなると、鳥栖は前回(第15節)の戦い方と同様に、拾ったボールをFW藤田祥史と金信泳にシンプルにあわせるようになりました。32分には藤田が甲府ゴールに迫りましたが、左足からのシュートは僅かにそれてしまいました。少しだけ“イライラ”しながら、先制点の期待に“ワクワク”していたことでしょう。
その“ワクワク”は、後半開始直後の48分にかないました。
甲府ゴールまで、45m地点でFKを得たのです。キッカーは、高地系治、言わずと知れた鳥栖のレフティモンスターです。左足から放たれたボールの軌道は、ゴール中央で待ち受ける藤田の左足を経由して先制点となりました。これで、“イライラ”も一気に解消しました。
ですが、その時間は長く続きません。サッカーの神様は、鳥栖のファンとサポーターに“ハラハラ”と“ドキドキ”を一緒に与えてしまいます。甲府のサーレスがスピードに乗ってゴールを目指した瞬間に、DF鐡戸裕史がPKとなる反則を犯してしまったのです。PKを蹴るのは、藤田健。彼は正確なキックと冷静な判断力を持ち合わせた経験豊富な選手です。狙ったとおりにゴール左隅を狙いました。キックはとても素晴らしいものでしたが、それを上回る判断と反応をGK室拓哉が見せました。伸ばした手で、完璧なPKをゴール外にはじき出したのです。
これで鳥栖が、一気に流れをつかんでしまえば、岸野監督は冒頭の言葉を使うことは無かったでしょう。
69分には、甲府の林健太郎のロングフィードからマラニョンが同点弾となるヘディングシュートを決めたのです。ここまで、鳥栖のファンとサポーターは、“ハラハラ”“ドキドキ”“イライラ”を繰り返し味わっています。早く、“ワクワク”したいと思っていた矢先の75分、再び藤田祥史が甲府のゴールネットを揺らしました。これで、勢いつけば良かったのですが、甲府の選手たちも負けてはいません。ここから、怒涛の反撃を仕掛けてくるのです。マラニョンは、相変わらず鳥栖のゴール前で強烈なシュートを放ちます。89分には、途中交代で入った美尾敦も惜しいシュートを放ちます。最後まで、鳥栖のファンとサポーターは、“ハラハラ”し通しでした。一部の人は、“イライラ”だったかもしれません。それでも、鳥栖の選手たちは最後まで身体を張ってゴールを守り抜きました。その結果、勝点3を得て単独の3位に浮上することができたのです。
岸野監督は、会見の最後に「選手には、よく頑張ったと伝えたい」と付け加えられました。本当に鳥栖の選手たちは、最後まで集中力を期切らさず甲府のシュートを跳ね返しました。甲府の選手も、最後まであきらめず鳥栖のゴールに迫りました。どちらも持ち味を充分に出した試合で、この日スタジアムに駆けつけた5,621人のお客様は、サッカーの面白さを堪能したに違いありません。
それでも、本当に鳥栖のファンとサポーターが“ワクワク”したのは、試合が終わってからだと思います。
それは、次節の対戦が首位を独走する広島だからです。
勝点差こそ13もありますが、今節の勝利でJ1昇格最短にいる広島相手にどんな試合を見せてくれるかとても楽しみです。鳥栖のファンとサポーターなら、この“ワクワク”を充分に堪能してください。勝ったからこそ得られた“ワクワク”感だからです。
甲府のファンとサポーターの皆さん、次節は仙台戦です。上位とあたるわけですから、勝点差を縮めるチャンスです。頑張ってチームを応援してください。
『試合終了のホイッスルは、次の試合の開始の合図でもある』
賢人の教えは、真意をついています。
ファンやサポーターに与えられた特権でもある“ワクワク”を思い存分に楽しみましょう。
だから、サッカーは面白い。
以上
2008.07.27 Reported by サカクラゲン
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