7月26日(土) 2008 J1リーグ戦 第19節
磐田 1 - 1 東京V (19:04/ヤマハ/11,057人)
得点者:1' 前田遼一(磐田)、68' 和田拓三(東京V)
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「取れるときに2点目を取っておかないと……」というのはよく使われる言葉だが、磐田にとっては、まさにその典型のようなゲーム。異常な蒸し暑さの中、試合運びの面で若さの出た磐田を、ベテランが渋い仕事をした東京Vが徐々に追い込み、引き分けに持ち込むことに成功した。
磐田のスタメンは、左膝を痛めた成岡翔の代わりに新加入のロドリゴが右ボランチに入った以外は前節と同じ。東京Vのほうも、左サイドバック・服部年宏が出場停止から復帰した他は前節と同じスタメン。どちらも内容は悪くないだけに、布陣をほとんど変えることなくゲームに入ったが、大きく変わっていたのは気候条件のほうだった。
公式記録では、気温29.2度、湿度81%。夜になって気温は30度を切ったが、逆に湿度は増して、汗がなかなか蒸発していかないため、まったく体温が下がらない。選手たちは「異常な暑さ」と口を揃えたが、スタンドで観ている者にも、息苦しくてじっとしていられないほどの蒸し暑さだった。
だが、そんな状況でも、ホームの磐田は最高のスタートを切った。開始早々の1分、左からのアーリークロスを前田遼一がうまくDFの間に入って受け、後方のジウシーニョにつないだところから素早く右に展開。そこへ鋭くオーバーラップしてきた駒野がゴール右から正確なクロスを入れ、ゴール前に飛び込んだ前田が頭で押し込み、鮮やかにゴールネットを揺らした。これが前田にとっては待望の今季初ゴール。非常に速くて美しい攻撃から生まれたという意味でも、最高の先制ゴールだった。
しかし、それをきっかけにして、畳みかけるような攻撃を見せることはできなかった。夏に強い前田のコンディションは上がってきたが、カレン・ロバートは連戦の疲れが出たか、切れも運動量ももうひとつ。ジウシーニョも初めて日本の盛夏を迎え、さすがにいつもほどのスピードと運動量は発揮できない。その影響で前線での動き直しや連動が低下したため、パスコースが少なくなって縦パスが思うように入らず、先制ゴールのような鮮やかな崩しが見られなくなった。
それでも、パスをつないで相手を揺さぶり、走らせて消耗させることができれば良かったが、それもやや中途半端。東京Vに要所を抑えられたこともあって、サイドチェンジを効果的に使うこともできず、磐田は主導権を握りながらも、2点目を奪うことも、東京Vにダメージを蓄積させることもできなかった。
逆に東京Vにとっては我慢の前半だったが、その中で「よく辛抱して(失点後は)0に抑えた」(柱谷哲二監督)ことが、流れを変えることにつながった。
後半は、立ち上がりから東京Vが攻勢をやや強め、まずは一進一退の展開に持ち込んで、チャンスをうかがう体勢を整えた。そして磐田の足が止まり始めた後半22分、右サイドバックに和田拓三を投入し、サイド攻撃の圧力を高めると、そこからすぐに同点ゴールが生まれた。
後半23分の右スローインから右サイドの高い位置でボールを受けた和田が、バイタルエリアのスペースにうまく入った福西崇史とのワンツーでゴール右に飛び出し、角度のないところから思い切りの良いシュートを決めて、ついに同点。ベンチから見ていて「右サイドが空いていることはわかっていた」(和田)という狙い通りのゴールだった。
ただ、DFラインのコンディションに不安のあった東京Vのほうも、最後は無理に逆転ゴールを狙いに行くことはなく、1−1のままタイムアップ。東京Vとしては、調子を上げてきた磐田からアウェイで勝ち点1を得たことは、気候条件を考えれば十分に受け入れられる結果だった。
そうした後半の戦いで、渋く光るプレーを見せたのが、かつて磐田で豊富な経験を積んだ福西崇史。元々けっして運動量が多い選手ではないが、抜群のキープ力は味方の無駄な運動量を抑えるという意味で大きく貢献し、磐田のプレスも無駄足にさせる。守備でも要所で強さを生かしたボール奪取を見せ、攻撃ではここぞという場面で相手の隙をついて、和田のゴールをアシスト。後半39分には、巧みな身体の入れ方でロドリゴの2枚目のイエローカードを誘い、味方を数的優位に導いた。本人は「要所だけね……」と語ったが、良い意味で「さぼり方」が非常にうまく、本当に試合の勘所を心得たプレーを見せた。それに比べると、磐田の中盤にはまだ「ゲームコントロールという部分の課題」(内山篤監督)がある。先輩・福西のしたたかさは、磐田の選手たちにとっては貴重な手本になったことだろう。
以上
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