7月27日(日) 2008 J1リーグ戦 第19節
新潟 2 - 1 札幌 (18:03/東北電ス/35,388人)
得点者:0' マルシオリシャルデス(新潟)、71' ダヴィ(札幌)、74' アレッサンドロ(新潟)
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新潟が2-1で札幌に競り勝った。開始0分、マルシオ・リシャルデスが先制点。後半26分に札幌・ダヴィに同点ゴールを許すが、その3分後、内田潤のミドルシュートのこぼれ球をアレッサンドロがヘディングで押し込んで決勝点を挙げた。
札幌は後半に追い上げを見せるが同点どまり。開始直後の失点でペースが乱れた。
開始0分、スタジアムの電光掲示では45秒。ビッグスワンでの最速ゴールで新潟が流れをつかんだ。
生まれたのは持ち味の速いリズムからだった。内田潤が右サイドから中央にドリブルで駆け上がる。左サイドの松尾直人に一度あずけ、再び中央でもらうとワンタッチでスルーパス。ペナルティーエリアの左に走り込んだ田中亜土夢が、コントロールしながら2タッチでエリアの逆サイドに入ったマルシオ・リシャルデスへ。マルシオ・リシャルデスはスライディングしながら右足でシュート。
「いろんなものが速かった。その結果の得点」。マルシオ・リシャルデスが言うように、速い展開に全員の攻撃感覚が重なった。ゾーンで守る札幌の守備陣はこのスピードについていけなかった。「開始から25分間はネガティブだった」。札幌・三浦俊也監督は失点後の動揺の大きさをこう話した。試合は後半に同点になり、再び新潟が突き放して決まった。ただ、流れを大きく左右したのは開始数十秒でのこの出来事だった。
新潟は、ゴール前をしっかりと固める札幌の守備を十分に意識していた。そこをこじ開けることに成功した。新潟・鈴木淳監督は「全員がハードワークをした」と要因を話した。新潟の生命線は攻守にわたる運動量。前節の清水戦、前々節の千葉戦と、要所で足が止まる場面が目立った。気温30度近い環境では、運動量を武器にした戦いは苦しい。この試合も気温26.9度、湿度89パーセントの蒸し暑さ。だが、前の2試合とは違い、この日は序盤から攻勢に出た。
中盤でセカンドボールを拾った本間勲が前線にパスを出す。3試合ぶりの出場となった松下年宏、田中、マルシオ・リシャルデスらがゴール前に積極的に走り込む。「連敗をホームでするのは避けたかった。序盤からいこうと思っていた」と松下。清水戦後、2連休を取るなど前節から1週間空いたことでコンディションを整えることができた。なにより、ホーム戦では負けられないという強い意識がアグレッシブなプレーの土台になっていた。
札幌はいい形で追いついた。後半26分、左コーナーキックから箕輪義信が折り返し、最後はダヴィがヘディング。だが、ここまでだった。3分後にはアレッサンドロに勝ち越し弾を許す。「後半はうちのペースになったとまではいかず、互角くらい」。三浦監督が言うように、攻め切ることができなかった。
立ちあがりの失点後、新潟の攻撃にさらされた。ようやくボールをつなぐようになったのは20分を過ぎてから。試合の約4分の1の時間帯を空白にしてしまったツケは大きかった。もっとも、箕輪を軸に、立て直し切れない状態でも1失点で前半をしのいだ。この試合までの4試合負けなしで、2試合は無失点という守備力は確実に下地ができている。
勝点3を奪った新潟だが、畳み掛けるチャンスを逃がしたことも確か。攻撃の精度が課題になった。札幌は粘りを結果につなげなければならない。ともに次節への宿題が残った一戦でもあった。
以上
2008.07.28 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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