7月31日（木）2008プレシーズンマッチ Ｆ東京 vs クラブ オリンピア（19:30KICK OFF/味スタ）
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F東京は明日19時半、味の素スタジアムで、パラグライの首都アスンシオンをホームタウンにするクラブ・オリンピアとプレシーズンマッチを戦う。

クラブ・オリンピアは、79年に現FIFAクラブワールドカップの前身となるインターコンチネンタル・カップでスウェーデンのマルメを下し、クラブ世界一に輝いたパラグアイの名門クラブだ。今季前期リーグは、チームの若返りを図り8位と苦戦を強いられたが、下部組織出身のMFマルティネスら若手選手が急成長している。システムは、オーソドックスな[4-4-2]がベースとなっている。注目は、中盤の底からゲームを組み立てるMFパレーデス。98年フランス大会から3大会連続でワールドカップに出場しており、海外経験も豊富なMFだ。イタリアセリエAのレッジーナでは、チームメイトとして日本代表MF中村俊輔とともに戦った経歴を持つ。また、パレーデスを中心とした攻撃だけでなく、パラグアイの伝統的な堅守も兼備している。

F東京は南米の雄を相手に、Moving Footballで挑む。自分たちのサッカーの形がどこまで出せるか。明日のゲームの注目はその1点に絞られる。
「来週のナビスコカップ、リーグに向けて最善の準備をしたい。そのためにもこのゲームは重要な位置づけとなる」（城福監督）
リーグ中断明けから公式戦7試合白星なし。リーグも9位まで順位を落とした。クラブ・オリンピアとのプレシーズンマッチでは、再浮上のきっかけを掴みたいところ。城福監督は言う。
「戦いは己にある。改めてそこからスタートする。自分たちがグアム・キャンプからやろうとしてきたことを。自分たちの軸を確かめたい」
城福トーキョーは、チーム立ち上げと同時に掲げた攻守の約束事を再確認し『原点回帰』を図っている。攻守において今季の指針を確認することが、このプレシーズンマッチ最大の狙いだ。

まず攻撃では、パスワークのベースとなる動き出しと、ポジション取りに時間を割いてきた。「選手は一生懸命プレーしている。ただ、頑張るところはどこだったのか、もう一度確認した。ボールを奪われて30ｍ、50ｍを走らなくてもいいように、ポジションの取り直しを頑張ればいい」（城福監督）。夏場の疲労度を考えて中断期間中に行ったトレーニングと意識付けをここにきて再確認。オフ・ザ・ボールでの2ｍのポジションの取り直しが「攻撃こそ最大の防御」という指揮官が志向するポゼッションプレーを可能にする。

また、守備ではラインの押し上げと、マーカーを近くで捕まえるということを継続して行っている。今季はバイタルエリアを抑えるためのラインの押し上げと、厳しい守備はチームの生命線となる。それだけに最終ラインだけでなく、前線の選手にも強く要求してきた。夏場のゲームは開始20分を過ぎると、どうしても互いにオープン攻撃が多くなってしまうだけに守備の引き締めは欠かせない。

「速い遅い、利き足の右左も分からない。そういう経験もチームとして必要だと思う。ポジティブにとらえて意味のないゲームだけにはしたくない」（GK塩田仁史）。対戦相手の情報はわずかしかないが、ナビスコカップ準々決勝を挟み、名古屋、浦和との上位陣と再び対峙する。北京五輪代表に選出された長友祐都、梶山陽平が不在で最低でも残り3試合を戦う。多くのオプションとチームの底上げは不可欠。明日のゲームでは、DF茂庭照幸を最終ラインに復帰させ、DF藤山竜仁を左サイドバックでテストすることが濃厚となった。
「サイドバックは久しぶり。ポジションにこだわりはないし、自分の幅も広がる。グアム・キャンプでも試されていたし、どこかでやる予定はあったけど、最終ラインにけが人が多く出たりしてなかなか機会がなかった。いい機会だと思うし、僕は僕にしかできない仕事がある。ゲームではそれをやるだけです」（藤山）

さらに明日は交代枠が『6』となる。北京五輪組が復帰したチーム全体のレベルアップを促すためにも、指揮官には交代枠を生かして積極的な起用が求められる。「ゲームは大事にするが、色んな選手を経験させたい」と、城福監督。日曜のサテライトリーグ水戸戦でゴールを奪っているMF森村昂太や、MF大竹洋平の活躍に期待が集まる。

クラブ・オリンピア戦を再浮上のきっかけにできるかは明日のゲーム次第だ。城福トーキョーの原点回帰で、南米の雄撃破なるか。

以上

2008.07.30 Reported by 馬場康平