9月18日(木) AFCチャンピオンズリーグ
アル・カラマ 1 - 2 G大阪 (04:00/ホムス/17,000人)
得点者:7' アブドルダイム(カラマ)、70' 山口智(G大阪)、77' 山崎雅人(G大阪)
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ラマダン(断食月)で中東のアウェイ、というと昨年のACL、セパハンvs.川崎F戦を思い出す。試合は直接見ていないが、その前に「アウェイへ行こう!」の原稿作成でイランへ飛んだ。昨年のACLでもアル・カラマはベスト8に残っており、日本勢との対戦があるかも、ということでイランへ入国する前にシリアへ入り、ホムスまで足を伸ばした。その時はアル・カラマが敗退したため、日本のチームとの対戦はなく、記事はお蔵入りとなった。まさか、その原稿が日の目を見て、さらに1年後、再びホムスを訪れようとは夢にも思わなかった…。
ホムスはシリアの首都ダマスカスから北へ160km、バスで2時間の場所にある。シリアでは3番目の街だが、それほど大きいと言う感じはしない。22時キックオフと言うことで、昼間は「ハマ」と言う水車で有名な街に立ち寄り、そこからホムスまで移動した。「ミクロバス」というワゴン車に乗り、30分。そのミクロバスで隣り合わせた若い男性2人組はイングランド代表と、アル・カラマのシャツを着ていた。人懐っこい中東の人たちはすぐに声を掛けてきた。
「ヤバン(日本人)?」。そうだと答えると、すぐに「オーサカ?」と聞いてくる。東京だと答えるのも面倒なので、再びそうだと答えると、いろいろなことを話してくれた。彼らは浦和レッズのことも知っており、今日の対戦相手が「ヤバン」のチームというだけでなく、「ガンバ大阪」だということも知っていた。そして、携帯電話を見せながら、アル・カラマのエンブレムや、試合のダイジェスト動画、そして選手や監督の紹介もしてくれた。動画の画質は少し荒いものの十分プレーや選手の顔を確認することが出来た。おんぼろのワゴン車に乗りながら、携帯で動画を見る、そこには30年くらいのギャップが同時に存在していた。
ホムスの街外れにあるミクロバスターミナルで、彼らと別れ中心部の「バースィル・アサド広場」に向かう。ちょうど日没直後だったので、街には人がいなかった。数少ない開いているレストランに入ると、日本人の方が1人座っていた。現地に滞在しているとのことで、今日は試合を見にダマスカスへの帰りの途中に立ち寄ったそうだ。今日は在シリアの日本人でバス2台をチャーターし、70人ほどが来ると教えていただいた。
「ハーリド・イブン・アル・ワリッド・スタジアム」は街の中心部から歩いても20分ほどのところにある。試合開始2時間前には各入口に200人を超す行列ができていた。横を歩くと友好的で、極めて好戦的なサポーターから声が掛かる。「ヤバーン!」「「オーサカー!」「ウェルカム!」「グッドラック!」などなど。あと、アラブ語では恐らくとんでもない言葉が浴びせられていたのだと思う。そして一番多かったのはスコアのこと。「3-0」「4-0」「5-0」、中には「10-0」で俺たちの勝ちだと言うサポーターも。多勢に無勢ではあるが、もちろん反撃を試みる。親指を下に向けて笑いながら挑発する。それを見てまたサポーターが盛り上がった。
一方のG大阪側はサポーター30人弱と、在シリアの日本人を合わせ約100人ほど。メインスタンドの区切られた一画以外は当然のことながら完全アウェイ状態である。試合は開始7分に先制を許す苦しい展開。しかし、徐々に盛り返したG大阪は後半に山口と山崎のゴールで逆転勝ち。大騒ぎしていたアル・カラマのサポーターを沈黙させた。そしてG大阪のサポータもチームを支えた。西野監督は「アル・カラマの応援は迫力があったが、サポーターがベンチの裏でサポートしてくれて本当にありがたかった」。
アル・カラマは監督が交代して1ヶ月、しかも選手も5人ほどが入れ替わり、ユースから選手を補充し、外国人選手もこれからと言う段階。また、リーグも9月末から(毎年予定通りには始まらないらしい)というシーズン前、さらにラマダンという状況でもG大阪を苦しめた。シリアサッカーに詳しい日本人の方から教えていただいたが、アル・カラマはシリアで育成組織を持つ唯一のチームなのだそうだ。今日も20歳前後の選手が出場し、活躍していた。Jリーグにもアジア枠ができるので、こういった国の選手たちが日本に来るといいのでは、と話されていた。
リターンマッチは来週、9月24日の水曜日。アウェイゴールを2点取られ、しかもまだラマダンが明けていない中、日本までの長旅をするアル・カラマであるが、油断は禁物。西野監督は記者会見でこう話した。「あくまでも前半が終了しただけ。日本のゲームでは今日のアル・カラマ同様、サポーターの力を借りたい」。
以上
Reported by 小野寺俊明@ダマスカス(ナノ・アソシエーション)
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バックスタンドのアルカラマサポーター。彼らは友好的だが、極めて好戦的。こちらを見ては笑いながら、様々な言葉を投げかけてきた。















