9月20日(土) 2008 J1リーグ戦 第25節
名古屋 2 - 0 新潟 (19:03/瑞穂陸/12,095人)
得点者:48' 小川佳純(名古屋)、89' 杉本恵太(名古屋)
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前節、4連勝で首位戦線からひとつ抜け出した名古屋。いつもの、ベストメンバーがピッチに立つと、スタジアムはほんの少し緊張感に包まれたようだった。そんなスタジアムの雰囲気をよそに、選手達は新潟にアウェーでの借りを返そうと、アグレッシブにゴールを目指した。
序盤こそスロースタートだったものの、中村直志、吉村圭司のボランチを中心に中盤で激しくボールを奪い、玉田圭司の豊富な運動量でアクセントをつけながら阿部翔平、竹内彬、マギヌン、小川佳純らのサイド攻撃へとつなげ、チャンスを演出していく名古屋。対して新潟は、前線の矢野貴章をターゲットにアレッサンドロやサイドの松下年宏、マルシオ リシャルデスらが絡んで裏を狙うカウンターで名古屋ゴールを狙っていた。グッと引いて守る新潟に対して、針の穴を通すような前線でのパス回しを強いられた名古屋だったが、時間と共に中盤を制し、グイグイと新潟陣内の深くへと攻め込んでいく。一方で、カウンターにもあったが、CBの増川?洋、バヤリッツァをはじめ、SBの阿部、竹内も体を張った守備で新潟をペナルティエリア内に入れず、決定機を作らせない。
しかし前半の終了間際、名古屋にアクシデントが襲う。激しいプレッシャーにあいながらもボールをキープし、チャンスを作っていたマギヌンが負傷でピッチを後にする。早々に杉本恵太を投入する事態となり、ゲームプランが崩れたようにも思えた。
ところが、後半開始早々、ゲームが動く。48分、中盤で吉村がキープすると、これを小川へパス。これをいったん阿部に預け、中央に出てきた玉田がペナルティエリア内に入ってきた小川にワンタッチで戻すと、小川は新潟DFをかわしてシュート。このゴールでスタジアムが揺れる。念願の先制点をものにした名古屋は、その後しばらく新潟の猛攻にあうものの、楢崎正剛のナイスクリア、そしてDF陣の我慢の守備でピンチを逃れ、運も味方につけて自分達のペースでゲームを進めていく。その後、吉村を下げて米山篤志、攻撃のアクセントになっていた玉田を下げて山口慶を投入し、何度も新潟の攻撃を跳ね返す。新潟にも疲れが見えてきた終盤、中盤で自由にさせてもらえる回数が増え、もう1点を奪いに行こうとする名古屋だったが、疲れもあり、杉本のスピードを使ったカウンターに周りがついていけず、なかなかゴールへは結びつかない。
このまま1点を守りきって終わるのかと思った89分、新潟の攻撃を守りきった名古屋は中央で小川がボールをキープ、素早い攻守の切り替えでカウンターの体制となる。そこで杉本が「前へ出せ!」とジェスチャーすると、小川はすかさず新潟DFの裏へとボールを供給。杉本がこれをしっかりキープしてGKと1対1のチャンス。飛び込んできたGKに倒されながらも執念で蹴ったボールは、GKに阻まれたかと思われたが、勢いを失いながらもゴール方向へと転がっていった。「入れ!」。スタジアムが息を飲んで見守ったボールは、その想いが届いたように、ゴールへと吸い込まれ、劇的な追加点を呼び込んだ。勝利を確信したサポーターの歓喜の声で揺れるスタジアム。その歓喜が醒めやらぬうちに試合終了のホイッスルが鳴り、5連勝が決定。手堅く首位をキープした。
「同じ相手に1シーズンのうち6つも勝点をあげるのは優しすぎる」と語っていたストイコビッチ監督。選手達にもその強い気持ちは伝わっているようだ。まだまだ残りは9試合もある。暫定2位に浮上した大分との差も1試合で変わってしまう3点しかない。しかし、一歩ずつ、確実にパワーアップしながら悲願のタイトルに向かっている名古屋を、サポーターたちは感じている。選手たちは、勝っても次、そしてまた次と、次の試合しか見ていない。彼らが優勝を意識できるのは、優勝が決まった瞬間だろうか? 最終戦まで目が離せないのは、今年も同じだ。いつもと違うのは、このドキドキが歓喜を目指してのもの、ということだ。
以上
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一覧へ【J1:第25節 名古屋 vs 新潟】レポート:リーグ戦5連勝で名古屋が首位をキープ!得点を与えることなく新潟にアウェーでの借りを返す。(08.09.21)













