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【AFC U−19選手権サウジアラビア2008:U19日本代表vs U19イラン代表】永井のハットトリックでグループリーグ突破を決めたU-19日本代表。見えた課題よりも難しい試合を乗り切ったことが財産になる(08.11.03)

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■AFC U−19選手権サウジアラビア2008
11月2日18:45(日本時間24:45)/Prince Mhd. Bin Fahd Abdel Aziz Sdm
U−19日本代表 4-2(3-2、1-0) U−19イラン代表 
得点者:1'宮澤裕樹(U19日本)、7'永井謙佑(U19日本)、20'E.HAJI SAFI(U19イラン)、26'S.MOOSAVI(U19イラン)、33'永井謙佑(U19日本)、77'永井謙佑(U19日本)
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日本対イラン戦の前に行われたイエメン対サウジアラビア戦を見て、イランがグループAで一番戦いにくい相手だと確信できた。サウジアラビアは前半11分に先制し、その後の数分間は、前半だけで5点取りそうな勢いがあったが、ゴールネットが揺れないシュート練習の時間が長くなるとドツボにハマった。プレーが雑になり、日本にとって素晴らしい凡戦を見せてくれた。おまけに31分にはペナルティエリア内で間接フリーキックをイエメンに与えて、見事にゴールを決められてしまう。後半に3点を取って帳尻は合わせたが、サウジアラビア人に「おめでとう」と言っても、「日本は(イエメンに)5−0だもんね」みたいなことを言って顔をしかめるだけ。

イエメン戦がベストゲームにならないことを祈りながら向かえたイラン戦だったが、先制点はあっけなく入ってしまう。コイントスでサイドが変わったために、急いで日本が攻撃するイランのゴール裏に移動したが、着いたと思ったらゴールネットが揺れていた。山本康裕(磐田)→香川真司(C大阪)→山本と繋いだショートコーナーを宮澤裕樹(札幌)がいきなりヘッドで決めていた。「走ればよかった」と後悔したが、後の祭り。カメラにはゴールネットに絡まったボールだけが写っていた。そして、6分後にはGK・権田修一(F東京)のパントキックがFWの永井謙佑(福岡大)まで届き、永井が前に出てくるジョージ・クルーニーのようにイケメンなイランのGKをかわしてゴールを決める。開始直後に予想外にも日本が2点も取るものだから、掲示板の係も慌てたのか、「NAGAI」ではなく「NAGA」と表示されてしまう。イランの集中力が高まる前に、アラートに戦ったからこその2ゴールだった。

しかし、イランはイラン。偉大なアーリア民族の息子たちは諦めたりはしない。アルファベットの「M」を丸くて硬いもので左上から潰したようなマークの付いたユニフォームはカッパのユニフォームのようにピタッとフィットして、彼らの強さをマッチョぶりで強調する。メルーチェ(MEROOJ)というイランのオリジナルブランドらしいが、太ったオッサンには絶対に似合わないタイトなユニフォーム。メルーチェを着れば突破力がつくのかどうかは分らないが、その後のイランは日本からボールを奪うと怒涛のカウンターで権田を困らせる。ディフェンスラインと権田はよく耐えたが、20分にゴールを許し、26分にはメルーチェが一番似合うムーチョ・マッチョなFW・ムサビ・イマンに同点ゴールを決められてしまう。日本選手からは声がなくなり、聞こえる日本語はベンチから叫ぶ大熊裕司コーチと慶越雄二GKコーチの「ゆうじ・ゆうじ」の声だけ。その時間のことを権田は「初めてテンパった。イランの勢いが凄いから焦った」と振り返る。

だが、イランの勢いは続かなかった。イランが3点目を取る前に日本が3点目を奪った。負傷の柿谷曜一朗(C大阪)に代わって先発した永井はフォワードとして大きく開花した。これまでは自信なさげなフォワードに見えたのだが、イランのマッチョなディフェンダーに挟まれながらも強引に突破してシュートを打てる。天性のスピードの活かし方が分ったのだと思う。彼のシュートにジョージ・クルーニーは「オウッ」と声を出して身体を伸ばして反応するが、ボールはゴールネットと既にデキていた。ジョージは散々味方のディフェンダーに文句を言っていたが、今の永井君は簡単には止められない。でも、イランはまだ運もあったし力も残っていた。再び、カウンターマシーンのスイッチが入る。日本のボールの奪われ方も悪いのだが、奪ってからのスピードと迫力は凄かった。39分には権田が前に出る判断を誤ってPKを与えてしまう。しかし、イランのシュートはゴールネットにフラれて、好きでもないポストに好かれた。日本は何とか3−2とリードを保って前半を終えることが出来た。

イランのキックオフで始まった後半、日本のディフェンダーはずっと守備をしているような気分で時間が過ぎるのを待つしかなかった。しかし、日本はチョットした運には恵まれていた。57分には左サイドハーフのハジ・サフィにいいようにドリブルをされて強烈なシュートを打たれるが、権田の友達・ゴールポストが救ってくれた。イエメンとはまったく違うイランのプレスをかわすには日本選手の技術とスピードは少し足りなかった。ワンタッチで弾く前に、寄せられることが多くなると横か後ろにパスをしてボールを守ろうとしてしまい、そのボールも奪われることが増えてイランに怒涛のカウンターを許す場面が増えてしまった。それでも、日本選手は出来ることで貪欲にゴールを狙っていた。それは権田の距離の出るドライバーキックをフォワードにダイレクトに繋いでゴールを狙うということ。今日はそれがハマった。77分のゴールキックにイランのディフェンダーが宮澤と競って被り、それを永井が決めた。1点差の重圧のなかで戦っていたチームメイトの気持ちを楽にしてくれる素晴らしいゴールだった。ジャストミートしていなかったけれど高校時代(九州国際大学附属高校)にプリンスリーグで達成して以来のハットトリック。このゴールを決められるとジョージはへたり込んだまま動けなかった。イランのニコリッチ・ネナド監督(クロアチア)は「イランは同点に追いついたが、PKを外したりシュートがポストに当たったりして運がなかった。日本は素晴らしい規律のあるチーム。おめでとう」と称えてくれたが、イランが素晴らしいチームだったから、日本選手の能力を引き出してくれた。
 
「イランはイエメンとは全然違った。失点は自分のミス。簡単にプレーするべきところで繋ごうとしたし、クリアミスもした。チームのみんなに申し訳なかった。でも、永井さんがゴールを決めて励ましてくれた。チームのみんながいるから助けてもらえるということを再確認できた。心の中で悔しさと嬉しさがグチャグチャになって涙が出た」と言う金井貢史(横浜FM)のコメントを聞くと、このチームは一戦ごとに結束を強くしていることが分かる。負傷でベンチも外れた柿谷が、試合前のアップでボール拾いをしている姿にもそれを感じた。自分の気持ちと現実に折り合いを付けることが上手くない男だが、彼は試合に出られないことを成長に繋げているのかもしれない。牧内監督は「選手の結びつきが強くなった。目の前の相手に勝たないと荷物をまとめて日本に帰ることになる。生き残りを賭けた戦いで団結力が高まっている。課題はあるが、大事なものを掴むための貴重なゲームだったと思う。ボールを奪われるとすぐに相手が自陣のゴール前に殺到する経験は日本では出来ない」と、確信を持って話した。2アシスト、2失点で2勝目を手にしたキャプテン・権田は「これまでの永井は走れなかったけど、今は凄く走れるようになって守備でも最後まで貢献してくれる。サッカー雑誌でやっている個人評価の得点を付けるなら、9.5か10点の活躍だと思う。4点目を取れたのが大きい。今日は僕やディフェンダーがもっと落ち着いてプレーが出来ればよかったと思う。初めて試合でテンパったけど、こういうゲームを乗り切ったことは財産になる。次のサウジ戦では日本のサッカーを発揮しないと駄目」と永井を絶賛し、自らを諌めた。

想像以上のスピードで成長するU-19日本代表。ユース年代の代表がアジアを勝ち抜き、世界に出て行く意味がここにあると感じることができる素晴らしい例だと思う。アジア、世界とのガチンコの勝負でしか得られないものがここにある。FCバルセロナとTMをやっても絶対に手に入らない。日本はグループリーグ突破を決めたが、世界の権利を賭けて戦う準々決勝はもっと痺れる試合になる。その先の世界に行くために、11月4日のグループリーグ最終試合のサウジアラビア戦が重要になってくる。

以上

2008.11.03 Reported by 松尾潤
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