11月12日（水）AFCチャンピオンズリーグ アデレード vs G大阪（18:00KICK OFF/アデレード）
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　悲願のアジア制覇まで、あと1つ。クラブ史上初の偉業に挑むG大阪が11月10日、決戦の地、アデレードに降り立ち、決戦に向けて臨戦態勢に突入した。

　『アウェイゴール』を意識する中、「できるだけ多くの点を獲り、無失点で抑える」という意思統一のもとで迎えたホームでの第1戦。G大阪は高さのある相手の弱点を巧く突き、足下でパスを繋いで、崩すアクションサッカーでアデレードに対峙する。結果、前半のうちに、FWルーカス、MF遠藤保仁が決めて、2-0で折り返すと、後半も20,639人をも集めたホームサポーターの声援を力に敵を圧倒。DF安田理大のゴールで加点して3-0と締めくくり、この『後半』の戦いに繋げてきた。

　だが、3点ものリードを奪っても、油断は出来ない。というのも、対するアデレードは準決勝、クルヴチとのホーム戦で、相手を3-0で破り勝ち上がってきたチーム。この時も、アウェイ戦にこそ破れたものの、ホームでの圧勝が決勝進出の決め手となった。更に遡れば、準々決勝の鹿島アントラーズ戦も、アウェイ戦こそ引き分けたものの、ホームで1-0と勝ち切り勝利を掴んでいる。そうした『ホーム』戦での戦いに自信を持っているのは、ここまでのアデレードの戦績をみれば明らか。西野監督も「3点リードしているとはいえ、今回のアデレードは第1戦とは違うチームがいると思っている」と警戒を強める。 おそらくは、3-0というスコアにも決して動じない、自分たちの戦いを示してくるだろう。

　ただ、G大阪も『アジアチャンピオン』に王手をかけている今、当然、怯むことはない。グループ予選から準決勝まで、アウェイ戦を全て勝利で飾ってきたという自信も、選手たちの胸にある。しかも、その中で単に『勝つ』だけではなく、アクションサッカーでガンバらしく勝つ、という高い目標を、ここまでの戦い全てで実現してきたという誇りもある。チームの大黒柱、MF遠藤保仁は言う。
「守ってカウンターを仕掛けるという去年の浦和とは違うスタイルで、僕たちはアジアの頂点を目指してきた。今回のアウェイでももちろん、積極的に攻めていく。スタイルも崩す必要はない。相手の出方を見てうまく対応しながらやることは前提として、勝つために自信を持って臨みたい」

　対するアデレードはGK30番のガレコビッチとDF4番のコスタンゾが出場停止。第1戦とはメンバー変更を余儀なくされる。ただ、点差、ホーム戦ということを踏まえても、前がかりの戦いを仕掛けてくることは間違いないだろう。G大阪としてはそこでバランスを崩さず耐えきれるか。先のJ1リーグF東京戦ではゲームは支配していながらも、先手をとられたことでバランスを崩し、流れをもっていかれた反省はあるだけに、先制をされない守備、そして先制を奪う攻撃で、相手の息の根を止める 『１点』を先にもぎ取りたい。

　この一戦には先のF東京戦を腰痛のため欠場したDF中澤聡太を含め18人が帯同。そのDF中澤については、前々日練習もチームと同じメニューをこなし、西野監督も「多少ハリはあるということだが腰だからね。明日の朝起きてみないと分からない部分はあるけど、まずは移動を耐えられた、というあいつのチャレンジは１つ終わったよ」と“前進”を強調。先発出場はほぼ間違いないと見てもいいだろう。またDF中澤以外にも、連戦の中、膝など痛みを抱えている選手がいない訳ではないが、「ここまで来たら全てが、気持ちでカ バー出来る。誰もが『アジアチャンピオン』に対し高いモチベーションを持って挑もうという雰囲気がありますしね。全員で勝ってチャンピオンになりたい」とゲームキャプテンDF山口智。

今回の第2戦を前に、一度は持ち上がった18人以外の選手たち全員のオーストラリア帯同は、天皇杯4回戦（11/16）が控えているため叶わなかったが、DF山口の言う『全員』には当然、大阪に残るチームメイト、スタッフも含まれる。つまり、選手もスタッフも、ファンも、家族も、G大阪に関わる全ての人の思いを背負って、挑むACL最後の、最高の舞台。

たった一つの頂点をG大阪は全員で獲りに行く。

以上

2008.11.10 Reported by 高村美砂