11月15日（土）第88回天皇杯5回戦 鹿島 vs 清水（13:00KICK OFF/カシマ）
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鹿島と清水の対戦は今季５回目。鹿島の１勝１分け２敗と清水が相性の良さを見せている。特に、ナビスコ杯での対戦ではカシマスタジアムの第１戦を徹底した守備で引き分け、日本平での第２戦では鮮やかな２ゴールで鹿島を破り、勢いに乗った清水は決勝まで登りつめた。

しかし、その11月1日のナビスコ杯決勝で大分に０−２と完敗したあと調子を落としてしまう。5日の天皇杯・千葉戦では岡崎慎司の活躍で１−０で辛勝したものの、8日の磐田との静岡ダービーを０−１で惜敗。３試合であげた得点はわずかに１。それまでの試合では、チャンスを確実に得点に結びつけてきた勢いや決定力が急激にしぼんでしまっている。悲願としていたナビスコ杯のタイトルを落としてしまっただけに、なんとかチームを建て直し天皇杯を獲りたいところだろう。

対する鹿島もチーム状態は良くない。リーグ前節は、新潟にサイドを徹底して封じられると最後まで相手守備を崩すことが出来ずにスコアレスドロー。終了間際にはダニーロが右膝をひねってしまうアクシデントまで付いてきた。幸い、怪我は予想されていたものより軽く全治２週間だったものの、この清水戦の出場は不可能となった。

ダニーロに代わって出場が予想されるのが野沢拓也。先発出場は小笠原満男が重傷を負った9月20日のJ1第25節柏戦以来となる。ボールをたくさん触ってリズムをつくる選手なだけに、交代出場ではなく先発出場となれば期待が高まる。２列目でコンビを組むことになる本山雅志もこれを歓迎。「もしタク（野沢）だったら、守備もやってくれるのでちょっと前目でプレーできる」と喜んだ。守備バランスを考え自重気味にプレーしていた本山。前に出て攻撃にアクセントを加えることが出来れば、新潟戦のような攻撃の“手詰まり感”は解消されるだろう。

天皇杯は一発勝負のトーナメント。引き分けがないだけに、リーグ戦とはまた少し違う戦い方が求められる。そこで大切なのは先制点。どちらが先に点を取るかで、試合展開は大きく変わるだろう。今季の鹿島は、その試合展開や流れを変えたり引き戻したりする力が昨シーズンより弱い。
「結果を『出して欲しい』、というより『出せ』というイメージ」（増田誓志）
監督もベンチの選手たちにそのことを強く要求しているそうだ。鹿島からは内田篤人、清水からは岡崎慎司・高木和道が日本代表に招集されたため、リーグ戦とは違う顔ぶれが先発・ベンチ入りをしている。鹿島では、９月一杯まで公式戦への出場を禁じられていた船山祐二がベンチ入りする予定。
「嬉しかった。大道（広幸）も一緒に入るのが理想だったけど、彼の分もがんばりたい」とチームに迷惑をかけた期間を思い、そのマイナスを取り返す活躍を誓った。

控え選手を含めた総力戦となるのが必至なこの一戦。鹿島対策がうまい清水・長谷川健太監督と、それに対応する鹿島・オリヴェイラ監督の采配にも注目したい。

以上

2008.11.14 Reported by 田中滋