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【Jユースカップ2008:2回戦 東京V vs 養和】レポート:養和に立ちはだかった一人の男。東京V、逆転勝利でベスト8へ!(08.12.14)

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12月14日(日)Jユースカップ2008 2回戦
東京V 2 - 1 養和 (13:02/ヴェルG/300人)
得点 : 20'田中 輝希(養和)、44'久利 研人(東京V)、48'富所 悠(東京V)
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もしこの試合にMVPを選定するのであれば、それは東京Vの1年生MF高木善朗だろう。彼のワンプレーが悪い流れを断ち切り、チームの逆転勝利に大きく貢献した。

彼の『ワンプレー』が出る前は、試合は完全に養和ペースであった。養和は1回戦で高円宮杯全日本ユース(U-18)チャンピオンの浦和ユースを降しており、勢いそのままにこの一戦に臨んできた。4-1-4-1の布陣を敷き、夏以降に急成長を遂げた1トップの中村謙が、前線で果敢にプレスを仕掛けると、彼に連動して中盤も強烈なプレスを掛けていく。その組織的なプレスはまさに圧巻の一言。「ボールを持つことが怖いくらいの迫力だった。完全に相手に押されて、ワンタッチではたいたり、蹴ったりしてしまった」。U-16日本代表のCB 高野光司のこの言葉が、養和のプレスのすさまじさを如実に表していた。

養和の強さは組織的な守備だけではない。ボールを奪ってから発動される精度の高いショートカウンターこそ最大の魅力である。斉藤和夫監督はもともとポジションを明確にしないで、2列目以降が矢継ぎ早に飛び出していくサッカーを掲げている。攻撃に転じる際、両SBだけでなく、CBも攻撃参加してくる。4バックであるが、攻撃時には基本的にDFラインに3枚残していれば、あとは自由に攻撃参加できる。もともと1.5列目の4人は、MF田中輝希を筆頭にタレント揃いだけに、彼らの高い個人能力をベースに、一気に数的優位を作り出すショートカウンターは破壊力十分。この試合でも精度の高いショートカウンターで、何度も東京Vゴールを脅かした。20分にはFKからのこぼれを田中輝が豪快に蹴りこんで先制。その後も試合は養和ペースで進んだ。

完全に劣勢に立たされた東京V。しかし、高木善は冷静だった。右サイドハーフに入った彼は、「相手のサイドバックの裏が脆いと分かっていたので、逆サイドの裏のスペースを狙っていた」と語ったように、サイドに張り出して相手のサイドバックを引っ張り出し、裏を突くチャンスを狙っていた。
そして33分、冒頭で述べた、勝敗を分けた『ワンプレー』が飛び出した。
右サイドで相手との競り合いに勝ってボールキープすると、バランスを崩しながらも持ち直して、一気に逆サイドのDFラインの裏へ正確なクロスを送り込む。このボールが裏に飛び出したFW相馬将夏にピタリと通ると、養和DF中村侑人がたまらず背後から倒し、2枚目のイエローカードで退場となる。高木善の見事な状況判断から生まれた正確なクロスが、チームに数的優位という大きなアドバンテージをもたらした。

このワンプレーで流れは一変した。養和は「一人少なくなったので、ターゲットとなる恵津森(究)を入れた」(斉藤監督)と、1トップに中村謙に代え、180cmのFW恵津森を投入。「11番(中村謙)の方が裏に抜けられるので嫌だった」と柴田峡監督が語ったように、皮肉にもこの交代が東京Vにはプラスに働いた。数的優位も重なり、守備の負担が減ったことで、攻撃に転じることが出来た。
44分には右FKを得ると、高木善の正確なキックから、ファーサイドでFW久利研人がドンピシャヘッドを叩き込み、同点に追いつく。そして後半開始早々の48分、後半から登場したエース富所悠が見事なFKを沈め、逆転に成功した。

その後、養和も堅い守備と機を見たショートカウンターで粘りを見せ、リズムを掴みかけるが、またしても高木善が彼らの前に立ちはだかった。「セカンドボールが拾えていなかったので、拾うことを意識した。(高木)俊幸がサイドでボールを受けたがるので、僕が中に入ってサイドを空けることと、ボランチのカバーを意識した」と語ったように、前半はワイドにプレーをしていた彼は、逆転後に相手にボールが収まりだしたことを察し、ポジションを修正。これにより養和のショートカウンターをダブルボランチと連携して未然に防ぎこみ、さらにボールを奪うと、左右サイドに自由に流れる兄・俊幸を有効活用。守備だけでなく攻撃にもリズムを取り戻させると、スコアこそ動かなかったが、ピンチらしいピンチを許すことなく、タイムアップのときを迎えた。

養和の挑戦は決勝トーナメント2回戦で幕を閉じた。今年の養和は間違いなく全国トップクラスの力を持っていた。しかし、たったワンプレーで勝敗が大きく変わってしまった。試合後、選手たちは涙した。退場した中村侑も大粒の涙を流していた。彼らはワンプレーで流れが変わってしまう恐ろしさを、身をもって感じただろう。
一方、東京Vは勝利したものの、試合の入り方など、課題を残した試合となった。しかし、「FW真野(亮二)がいない中で勝てたのが大きい」と柴田監督が語ったように、チームを支えてきたストライカー抜きでも、難敵を相手に勝利することが出来た。結果が出たことで、チームに勢いが生まれ、さらに準々決勝では真野が帰ってくる。「今年はまだ自分たちのサッカーをうまくやれていないので、次こそやりたい」(高木善)。チーム一丸となって、自分たちのサッカーを展開して長居へ。彼らの真価はここから問われてくる。

以上

2008.12.14 Reported by 安藤隆人

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【Jユースカップ2008:今後の日程】
★12/20(土)
11:00 横浜 F・マリノス vs FC東京NACK
11:00 セレッソ大阪 vs 柏レイソル長居2
14:00 ガンバ大阪 vs 鹿島アントラーズNACK
14:00 東京ヴェルディ vs サンフレッチェ広島長居2

※J'sGOALでは準々決勝以降の全試合を取材予定です!どうぞご期待ください。
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