3月7日(土) 2009 J1リーグ戦 第1節
磐田 2 - 6 山形 (16:03/ヤマハ/12,141人)
得点者:17' ジウシーニョ(磐田)、36' キムビョンスク(山形)、38' 古橋達弥(山形)、63' ジウシーニョ(磐田)、75' 長谷川悠(山形)、80' 北村知隆(山形)、89' レオナルド(山形)、89' 長谷川悠(山形)
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リズムを崩して冷静さを失ったチームと、自信をつかんで勢いに乗ったチーム。少しのきっかけでこれほど大きな差が出てしまうというサッカーの恐さを、あらためて痛感させられたゲームだった。
立ち上がり15分頃まではほぼ互角のように見えたが、磐田のほうは徐々に硬さやミスが目立ち始め、逆に山形のほうは試合前の狙いが形として表われ、少しずつ手応えをつかみ始めていた。たとえば山形は、守備では前田遼一に基点を作らせないことを徹底し、ジウシーニョには多少ボールを持たせても、前田へのクサビはほとんど入れさせなかったため、磐田のパス回しになかなかリズムが出てこない。
また山形の前線の選手たちは、高い位置からのプレッシングを積極的に仕掛け、「前からプレスをかけたときに(磐田の選手が)慌てているのがわかった」(古橋達弥)というように、余裕を失った磐田の選手たちがミスを犯すというパターンが多くなった。
もうひとつ、山形のほうはセットプレーの高さでも明らかに優位に立ち、ここでもゴールの匂いを感じさせる。つまり山形としては、ほぼゲームプラン通りの戦いができていた。
17分に磐田がジウシーニョのPKで先制したが、それも山形としては流れの中で崩されたわけではなく、自信を失うものではなかった。そして36分には、狙いのひとつだったセットプレーで同点に追いつく。この場面、横よりも縦に大きく変化する石川竜也のキックに対して、磐田の選手たちは反応が一瞬遅れたのに対して、山形の選手たちは一斉に反応してゴール前になだれ込み、その中からキム・ビョンスクがヘディングシュートを決めたという形。完全に山形の計算通りだった。
同点となった後は、さらに磐田の硬さが目立ち始め、「一人ひとりがボールを受けることを恐れているような感じだった」(柳下正明監督)という状態に。苦し紛れのパスをカットされてカウンターを受けるというパターンで、リズムを崩していった。それに対して山形のほうは、完全にやれるという手応えをつかみ、伸び伸びとしたプレーを始めていた。
同点となってから2分後には、右サイドでの長谷川悠のポストプレーからキム・ビョンスクが裏に飛び出してクロス。これに古橋が勇気あふれるダイビングヘッドで合わせ、口の中を3針縫うケガを負いながら逆転ゴールを決めた。その後も前半終了までは完全に山形のペース。磐田のほうは自力で流れを立て直すことができなかった。
後半に入ると、さすがに磐田も開き直って攻勢をかけ、序盤から厚みのある攻撃で押し気味の展開に持ち込む。そして、18分には右サイドを攻略して太田のクロスからジウシーニョが再び決め、狙いとする形で同点に追いついた。これで手応えを得た磐田は、その後も攻勢を強め、惜しいチャンスも作ったが、冷静なゲームコントロールはできていなかった。
「どんどん前に行き過ぎてボールを悪い形で失い、カウンターを食らって相手のリズムになってしまった」と柳下監督が振り返ったように、山形につけいる隙を与えてしまう。犬塚友輔に代えて松浦拓弥を入れた(後半10分)ことで、攻撃は活性化したが、ボランチが山本康裕の1枚になり、前がかりの傾向に拍車がかかった。
そうした流れによって大きな問題として表面化したのが、守備でのクロス対応だった。山形が入れるクロスに対してボランチの下がり方が不十分で、ゴール前の人数が十分ではない状況が多くなったのだ。30分の失点(3点目)は、マイナスの位置にいる選手がフリーになり、そこをケアした那須の裏に通されて、長谷川に決められてしまった。
これで山形はますます勢いをつかみ、磐田は悪循環にはまっていく。35分の4点目も、クロスに対して守備の人数が不足。44分の5点目は、再び石川のキック(CK)からレオナルドにフリーで決められ、アディショナルタイムでの6点目では、完全に集中力が切れて長谷川へのマークを外してしまった。
山形サポーターでも予想できなかった6-2の大勝。山形・小林伸二監督も選手たちも、勝って兜の緒を締める意識を強調したが、ポストプレーの長谷川とシャドーの古橋という2トップは十分にJ1で通用する力を発揮し、そこを基点にパスをつないでサイドを崩すという形も数多く見られた。守備陣としても、前田をシュート0本に抑えたことも、大きな自信となっただろう。
一方、チーム史上最多失点となった磐田は、クロスから4失点、セットプレーから2失点。セットプレーでの守りは以前からの課題だが、クロス対応のほうは出し手に対する寄せの問題と、DF陣とボランチとの連携という問題が大きいので、修正は可能なはずだ。
磐田の次節の対戦相手は、開幕戦にアウェーながら3-0で完勝したG大阪。さらに厳しい攻撃を受ける中で、守備陣がどれだけ耐えられるのか。この1週間のトレーニングは本当に大きな意味を持ってくる。
以上
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