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【J2:第4節 熊本 vs 愛媛】レポート:ホームの熊本が追いついて愛媛の連勝を止める。勝ち点を分け合う中にも、お互いに収穫と課題を得た一戦。(09.03.26)

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3月25日(水) 2009 J2リーグ戦 第4節
熊本 1 - 1 愛媛 (19:03/熊本/3,531人)
得点者:5' アライール(愛媛)、67' 木島良輔(熊本)
スカパー!再放送 Ch182 3/26(木)15:00〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
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 Jリーガーとしてデビューしたルーキーのチョ・ソンジンから出たボールは、同じくルーキーで初先発となった井畑翔太郎を経て木島良輔へと渡り、さらに藤田俊哉を経由し左からオーバーラップしてきたチャ・ジホ、続いて石井俊也、そして宇留野純へ。ショートパスをつなぎながら実に7人もの選手(うち5人が今季から加入だ)が絡んで愛媛陣内へ攻め込む。
 愛媛のキックオフで幕を開けた試合、立ち上がり1分のことだ。
 この場面はフィニッシュまで至らなかったが、今季目指す“見ても、プレーしても面白いサッカー”が凝縮されたシーンだと言える。3分にはハーフウェーライン付近でコントロールのミスからボールを奪われるも、すぐさま複数の選手が寄せて奪い返し、藤田がシュートまで持ち込むという場面もあった。

 「中の人数を増やしたかった」(北野誠監督)という意図で、それまでの4-3-3から4-4-2に布陣を替えた効果に加え、前節の徳島戦で開始4分に先制を許した事から、前日練習後にも「立ち上がりが大事」と選手達が口々に話していたように、この日の熊本は確かに、入りは悪くなかった。

 だが先制したのは愛媛。5分、右サイドでFKを得ると、大山俊輔の右足から放たれたボールがDFアライールの頭に合った。試合前、スカパーの中継で昨年から解説を担当している元日本代表の池ノ上俊一さんが「どんなゲームでも0−0から始まるんですよ」と話していたのは、おそらく昨シーズンの対戦成績やこの試合を迎える時点での順位の差は、キックオフ時点で選手達の頭の中から払拭していなければならないという、指導者の視点での言葉だったのだが、熊本はそうした精神的な準備はできていた(と思う)にも関わらず、わずか5分で実際に劣勢に立たされてしまう。

 だが残り時間は85分。「試合前から、ある程度ボールは支配できると思っていた」と北野監督が話したように、熊本は慌てずボールを回しながらチャンスをうかがう。井畑と同じくこの試合が初先発となった西弘則が持ち味であるドリブルで打開を図りアクセントを付けるのだが、13分にドリブル突破して右サイドから送ったクロスに宇留野が合わせたシュートも枠を外れる等、フィニッシュの精度を欠いた。

 2年とはいえ、熊本よりもJリーグでの経験が豊かな愛媛は、先制した事でより落ち着いたゲーム運びを見せ始める。最終ラインの4人に加え、中盤の4人まで自陣に引いてしっかりと2ラインを形成。そうした守備を崩す上では、左右の揺さぶりやCBを引き出す動きが必要なのだが、いかんせん熊本はサポートの動きが少なく、2本のパスまではつながっても3本目がつながらない状態。逆に愛媛の早い切り替えに対応しきれずカウンターを浴びるのだが、愛媛にしてみれば、望月一仁監督や内村圭宏が話したように、「決めるところで決められなかった」。36分、内村のドリブルに対してスクリーンしてボールを受けて持ち込んだ田中俊也のシュートはバーに阻まれ、40分、右の深いところからファーサイドへ送ったクロスを横谷繁がフリーでヘディングシュートを打つも枠を外れる等、形は作るものの追加点を奪えない状態で前半を終えた。

 しかし後半に入ると、前半に増して熊本が前から圧力をかけ、前半シュート0に終わった井畑が46分、50分と狙い、57分には愛媛GK山本浩正の好セーブに阻まれたものの、木島が20m程の距離からミドルを撃つなど、何のためにボールをキープしているのかをようやく思い出して徐々に流れを引き寄せて行く。結果的には、63分に井畑に替えて中山悟志を投入したことで、同点ゴールを生む67分のPKにつながった。

 62分ぶりに精神的に対等の立場になった熊本は、同点になったことで動き始めたゲームの中でも藤田が全体を落ち着かせ、その後もペースを渡さずに試合を進める。しかしお互いに勝越しのゴールを生む事はできず、1−1でタイムアップ。首位に追いついて引き分けた熊本、連勝は止まったが負けなかった愛媛と、それぞれに収穫はあったとは言え、どこかスッキリしない試合となった。

 愛媛は、決定機で決められなかったこともさることながら、試合後の望月監督のコメントにあったように「ちょっと雑なプレーが多い」という点が気になるところ。2トップの速さを生かしたカウンターのシーンもあったが、それ以外の部分での正確なつなぎが、この順位をキープする上でのポイント。次節は4連勝で首位に立ったC大阪をホームに迎えるが、決定力と合わせて真の力が試される一戦となる。

 熊本はホーム初勝利を逃したが、追いついて引き分けた点や、攻撃の形が少しずつ見えて来た点、そしてここまで毎試合受けていた警告がなかったことは評価できる。だが立ち上がりの失点と、引いた相手を崩す攻撃でのコンビネーションは依然課題。また、流れからの失点はなかったものの危ない場面も幾度かあり、ディフェンスラインの連携も、同じく3連勝と好調で迎える次節の水戸戦に向け短期間で修正しなくてはならない。

 あとは、ファーストタッチでのコントロール。この試合では浮いたボールが多すぎて、いい形になりそうなところでうまく納まらないシーンが散見された。随分昔の話だが、私が高校生だった頃、かつて日産(現横浜F・マリノス)でプレーして監督も務めた元ブラジル代表DF・オスカーのインタビュー記事で、「サッカーボールは牛の皮でできているから、草が大好きなんだよ。だからパスはグラウンダーで通す」といった趣旨のことを読んだ記憶がある。今のボールは天然皮革ではないから「草が好き」かどうか知らないが、バックラインからビルドアップしていくという、今年目指すスタイルの根幹をなす要素だと思う。

以上

2009.03.26 Reported by 井芹貴志
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