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【ヤマザキナビスコカップ 山形 vs 京都】レポート:チャンスをモノにしたホーム山形が3得点で初戦勝利! 中2日の京都は守備が耐えきれず(09.03.26)

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3月25日(水) 2009 ヤマザキナビスコカップ
山形 3 - 1 京都 (19:04/NDスタ/3,403人)
得点者:32' 秋葉勝(山形)、61' 北村知隆(山形)、66' キムビョンスク(山形)、76' 佐藤勇人(京都)
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 キックオフ後は積もるほどの雪は降らず、11日前の名古屋戦と同じオレンジ色のカラーボールの使用は取り越し苦労となった。それでも、除雪されたばかりのピッチは水分を含み、気温は吐く息も白い1.4度。「この前(第2節・名古屋戦)よりは全然ましだし、風も吹いてなかったから、そんなに雪を意識しないでやれました」と山形のGK清水健太は振り返ったが、序盤は滑るボールが互いに足につかず、相手のパスミスを拾い、それをミスで失う展開が続いた。そして、先にペースをつかんだのはアウェイの京都だった。

 京都は、翌日から韓国代表に合流する李正秀がメンバーから外れたが、代わってセンターバックに手島和希を入れたほかは、首位・G大阪を撃破した3日前と同じスターティングメンバーで臨んでいた。中盤ダイヤモンドの4−4−2は、途中から角田誠をボランチに、佐藤勇人を右サイドに置くボックス型の中盤に変わるが、ディエゴの広範囲な動きによって支配率を高めながら、安藤淳のスルーパスや、柳沢敦のポストプレーに2列目から飛び出す形で、山形ゴールへの圧力を強めていった。また、両サイドを高く張り出す形で山形のディフェンスライン全体にプレッシャーをかけてフィードの精度を削ぎ、山形の2トップに起点をつくらせない守備もできていた。
 しかし、加藤久監督は選手たちの異変に気づいていた。「ふだんのグラウンドとだいぶ違った反応で、ボールに対する反応とか、あるいは動き出しの反応が本当に鈍かったなという印象を持ちました」。自陣にボールを運ばれたときのプレスの出足は、やはり3日前のそれと比べると鋭さを欠いていた。

 ボランチや2トップになかなかボールを預けることができない山形は、ここまでのリーグ戦3試合同様、右サイドからチャンスをうかがっていた。キム ビョンスクのクロスは精度を欠いたものの、ボランチ秋葉勝の積極的でタイミングのいいランニングや、移籍後初出場となる右サイドバックの小林亮も古橋達弥のシュートを導くクロスを上げるなど、積極的な攻撃参加を見せていた。そうして迎えた前半32分、右スローインからの流れで古橋、秋葉、キムとつなぎ、北村知隆が相手を背負いながら空けたコースを使い、中央に切れ込んだ秋葉勝が左足で先制シュートを叩き込んだ。「いい形でボールが回っているときに点が取れた」と小林伸二監督もチャンスを得点につなげたことを評価した。

 京都は、ボールを欲しがるディエゴが低い位置でプレーする時間を長くするが、山形のDF石井秀典にとっては「あれは助かりました」ということになる。前半41分には渡邉大剛のスルーパスに、長いランニングをしてきた増嶋竜也が走り込むが、シュートよりも先にGK清水健太がキャッチ。44分のディエゴのシュートも清水のファインセーブに阻まれ、前半は1−0と山形リードで折り返した。
 
 京都は後半、ボランチでプレーしていた角田を前めのポジションに置き、攻撃的に戦う意欲を見せるが、逆にボランチ1枚となった安藤の周囲のスペースを、長谷川のポストプレーに使われることになる。落ち着いてサポートを確認しながらボールをつなぐ長谷川の足元から山形がボール支配率を高めていくと、「一度戻ってきて、詰まったときにはボランチ使ってサイドチェンジして(左サイドの)石川を使えと。その使ったほうで、右サイドの選手がクロスに対応して入っていくというところが、後半は修正できた」(小林監督)と言うとおり、前半は相手のプレスに抑えられていた石川から、キムへのサイドチェンジや佐藤健太郎に合わせた縦のフィードなど効果的なボールが配られるようになった。

 迎えた後半16分、キムが接触で倒れ、京都の選手たちの足が一瞬止まったのを見逃さなかった長谷川が右スペースで起点をつくると、追ってきた水本裕貴をかわしてグラウンダーを入れる。GK水谷雄一とDF染谷悠太の間を抜けたボールを、飛び込んできた北村が決めて2点目。さらに後半21分には、古橋の右CKからキムがニアに飛び込んで3点目となるゴールを奪った。

 京都は2失点目の直後に手島に代えて豊田陽平を、3失点目の直後に柳沢に代えて林丈統を投入。豊田はスペースへ走り込み再三起点をつくっていたが、後半31分、左サイドから林のパスを足元で受けると、2人に囲まれながらヒールパスで落とし、飛び込んだ佐藤勇がゴールネットを揺らした。しかし、反撃ののろしと言うには遅すぎた。豊田のミドルはDFに当たったあとGK清水に拾われ、安藤が放ったミドルも清水に反応よく弾かれると、ロスタイムを含む残り8分ほどは山形のペース。終盤に来てなお連動したアプローチを見せる山形の守備を崩すことなく、3−1のまま終了した。

 リーグ戦3試合で、堅い守備をベースにロースコアのゲームを続けてきた京都にとって、山形相手の3失点は予想していなかったに違いない。加藤監督は「選手たちは手を抜いてたわけでも気を抜いてたわけでもありませんし、わかっていても体が動かないという状況ではなかったかなと思います」と中2日のタイトな日程が大きな要因であることの見方を示したが、中3日で次もアウェイの清水戦(3/29@アウスタ)が控えている。コンディションを戻すことにまずは注力したい。そして、この日の豊田のプレーは、エースの座奪取のきっかけに十分なりうるものだった。それも今後の楽しみにしたい。

「向こうが中2日でこっちが中3日ということも、雪が降ったこともよかったのかなと思います」
 コンディションの差に加え、11日前に経験している雪の経験値も味方したと、小林監督は謙虚に認めている。しかし、J1として初のホーム戦勝利をもたらしたのは、老獪とも言える試合運びだった。3得点のうち、2得点はセットプレーから、もう1得点は相手の虚を突いたもの。さらに、今季初先発の3人もそれぞれに持ち味を出したことで、層を厚くすることにも成功している。
 今週末はゲームが休みで、次節はホームに千葉を迎えることになる。今のチームなら、きっとサポーターを熱くするゲームをするに違いない。山形は青空を待っている。

以上

2009.03.26 Reported by 佐藤円
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