4月11日(土) 2009 J2リーグ戦 第7節
水戸 3 - 3 岐阜 (13:04/笠松/2,302人)
得点者:3' 朴俊慶(岐阜)、6' 遠藤敬佑(水戸)、26' 荒田智之(水戸)、29' 吉原宏太(水戸)、86' 朴俊慶(岐阜)、89' 染矢一樹(岐阜)
スカパー!再放送 Ch181 4/12(日)05:00〜(解説:三浦俊也、実況:田中雄介、リポーター:高木聖佳)
☆顔写真クイズ|勝敗予想ゲーム
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サッカーにおける“正義”が終盤の岐阜の2ゴールを生み出したのかもしれない。水戸は勝つべきチームではなかった。そして、岐阜は90分という時間の中で目覚しい進化を遂げ、後半は攻守において水戸を圧倒した。水戸にとって終了間際に追いつかれ、「勝利を逃した」感じがあるが、内容的には「負けなくてよかった」と言う方がふさわしい。
試合開始時から水戸はおかしかった。「やるべきことをやらなかった」と本間幸司が憤慨したように水戸は個々の運動量が乏しく、ここまでの好調を支えていたプレスを欠くこととなった。すると、3分に草津戦同様DFとGKの連係ミスを突かれ、先制点を許してしまう。だが、水戸は岐阜のミスに救われる。昨季から大きく若返りを図り、経験の少ない選手の多い岐阜は最終ラインでミスを繰り返した。その隙を水戸は見逃さなかった。6分、CKからのボールを岐阜DFがクリアミス。それを拾った遠藤敬佑がゴールに蹴りこみ、同点に追いつく。26分には水戸がカウンターを仕掛け、荒田智之が簡単に岐阜DFの裏を突き、逆転に成功。さらに29分の水戸のカウンターアタックでは右サイド遠藤が左サイド前方の菊岡拓朗へロングフィード。そのボールの処理を岐阜の選手がミスし、ボールを受けた菊岡が落ち着いてゴール前に送り、最後は吉原宏太がフリーでゴールに押し込み、3点目を決めた。水戸が岐阜を崩したというよりも岐阜の自滅。水戸は労せず2点のリードを奪うこととなった。
しかし、試合はそこからだった。前半、岐阜は局面での対応につたなさを見せていたものの、時間とともに対応力を増していき、チーム全体が安定していった。そして、攻撃においても2点のビハインドということもあり、チーム全体が積極的な姿勢を前面に出しはじめ、水戸ゴールを襲い続けた。前線の朴俊慶が懐の深いポストプレーで起点を作れば、菅和範が巧みなゲームメイク。さらにセンターバックの野本泰崇も果敢なオーバーラップを見せ、攻撃に厚みをつける。そうした岐阜の勢いに満ちた攻撃に対し、水戸は完全に「受け身になってしまった」(菊岡)。
岐阜のほぼワンサイドゲームとなった後半、76分に水戸の守備を崩して放った高木和正のシュートはゴールポストに嫌われ、79分にペナルティエリア内で高木が放ったシュートもGK本間にセーブされてしまう。岐阜が決定機の山を築くものの、決めきれず、万事休したかと思われた。だが、岐阜の執念はそこで終わらなかった。細かなパス回しから抜け出した朴がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得すると、朴自らが決め、1点差に詰め寄る。
しかし、88分、秋田英義が退場するというアクシデントに岐阜は襲われる。数的不利となり、今度こそ絶体絶命かと思われたものの、岐阜の勝負をあきらめない気持ちが折れることはなかった。そして、感動的なラストシーンを生み出す。試合終了数秒前、右サイドを崩してゴール前に送られたボール。そこに走りこんだのは染矢。体ごと投げ出して頭に当てたボールはゴールネットに吸い込まれ、値千金の同点ゴールとなったのだ。喜びを爆発させる岐阜の選手とスタッフ、そしてサポーター。まるで優勝したかのような騒ぎであった。
岐阜にとってこの勝点1は大きな価値を持つはずだ。攻撃の核である片桐淳至を体調不良で欠いて臨んだ一戦となったが、90分という時間の中で若い選手たちが驚異的な成長を遂げ、後半は水戸を圧倒するに至った。「若い選手が多いのでゲームの中で経験を積んでいくことが大事。1つ1つ積み上げていきたい」と松永英機監督が言うようにゲームの中で岐阜の若き選手たちが確かな成長を見せたことは大きな収穫だ。こういった試合を積み重ねることでチームはたくましさを増していく。第2クール、第3クールの対戦に向け、脅威を感じざるを得ないゲームであった。
長いシーズンだけに内容が悪い試合もあるのは当然だ。そうした試合で勝点を取れたことは水戸にとっての収穫と言えるだろう。しかし、内容が悪くても自分たちが目指すサッカーにトライする姿勢を見せなくてはいけない。それが見えなかったことが悔やまれる。
この日の水戸の戦いは昨年の第2クール終盤の戦いに似ていた。相手の攻撃に対し、受け身の姿勢となり、攻撃は前線へのロングボール頼み。それは荒田という強力なストライカーがいるため有効な作戦となるが、チームの進歩にはつながらない。この日のように相手にうまく対応されると、その作戦は効果を発揮しなくなり、徐々にチームは調子を落としてしまうことは昨年経験済みだ。「もっとパスをつながないといけない」と鈴木和裕が険しい口調で言うように、チーム全体のポゼッションの意識を高めなければならないだろう。次節は高崎寛之が復帰予定だが、前線でポストプレーをこなす彼が戻ってくることでロングボールはさらに助長されるかもしれない。中盤でうまく展開しながら、高崎の高さも生かすことができるか。それこそ水戸がさらなる強さを身につけるために必要なことである。
3位につけるとはいえ、水戸は積み上げていくチームであることに変わりはない。ただ、積み上げるためにはトライをしないといけない。トライをし続けて90分の間に成長を遂げた岐阜に対し、トライを避けた水戸。同じ勝点1でもその意味合いは大きく異なる。
水戸にとって次節富山戦(4/15@富山)が重大な意味を持つこととなる。昨季と同じ過ちを犯してはいけない。
以上
2009.04.11 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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