5月17日（日） 2009 J2リーグ戦 第15節
東京Ｖ 0 - 0 福岡　（16:03／味スタ／4,183人）
スカパー！再放送 Ch185 5/18（月）19:00〜（解説：北澤豪、実況：中野謙吾、リポーター：田中毅/桝太一）
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お互い、フレッシュな選手に期待がかけられた試合となった。
東京Vは左サイドにバックに那須川将大、右サイドに富所悠が、福岡は左サイドに大山恭平がプロ入り初の先発出場となった。さらに福岡は、ここ６試合勝ち星から遠ざかっているため、FW田中佑昌、ボランチ鈴木惇をスターターとし何とか突破口を見つけようと、前節までとは大きくメンバーを入れ代えてきた。

その中で、両者とも戦い方の意図は表れていた。
東京Vは、第８節の鳥栖戦で２トップを組んで以来、２人で７試合７得点と好調の大黒将志、林陵平に素早くボールを送り込み、ゴールを狙う。大黒の飛び出しの速さを生かそうと、柴崎晃誠、滝澤邦彦、富所ら中盤からは福岡DFの裏のスペースへの効果的なパスが何度も送り込まれた。中でも特に意識が強かったのが柴崎晃で、大黒の位置と動きを常に確認しながらボールを運んだ。

しかし、一方で「後ろで効果的なビルドアップができず、サイドからもなかなか崩せなかった」と高木琢也監督が会見で話した通り、東京Vのもう１つの狙いであるサイド攻撃があまり効果を発揮しなかった。「相手の左サイドバックとやりあって来い！」と、試合前に監督から気合を入れられたという富所も、「前半は無難に行き過ぎたかもしれない。もっとドリブルで仕掛けられれば良かった」と、悔やしそうに振り返った。

東京Vが最もゴールに迫ったのが後半15分。滝澤のFKに林がヘディングで合わせたが、惜しくもポストに弾かれてしまった。また、前半にも、林のパスが相手DFの背中に当たり、落ちたボールを大黒がシュートしたシーンや、左からの滝澤のクロスを大黒がダイレクトで狙うなど、決定的な場面は何度か見られたが決めきることができなかった。
それでも、「シュートへの意識というのは高く持つことができている」と大黒の話すように、大黒４本、林５本とシュート数が増えたことはプラスに捉えてよさそうだ。

対して福岡も、篠田善之監督が田中佑、鈴木、大山を先発起用した効果は表れた。
鈴木、宮原裕司のボランチのところでボールが収まった際には、ワイドに開いた大山、城後寿らが両サイドから突破する形が見られ、そこへ田中佑と高橋泰が顔を出し、相手DFの裏を狙った。また、鈴木が積極的にゴール前に絡んでいき、シュートを放つ場面も見られるなど、先発チャンスの巡ってきた選手は与えられた役割を理解してプレーできていたのではないだろうか。

しかし、「相手の２トップへの球の出どころへのDFが甘くなり、中盤で自由にさせてしまった」（東京V・滝澤）と、相手が守備を修正してきたことで中盤が支配できなくなると、前線にほとんどボールが入らなくなり、攻め込まれるシーンが増えた。

それでも後半、高さのある大久保哲哉を入れるとチャンスが生まれ始め、何度か東京Vゴールを脅かしたが、いずれも逸機。結局、この試合でも連続無勝利を止めることができなかった。
試合後「なかなか難しいね」と、宮原は唇を噛んだ。しかし、鈴木は「内容は良くなっている」と話し、この試合の収穫とも言える「失点０をこれからも続けたい」と、前を向いた。

東京V、福岡ともに残念な思いの残るスコアレスドローとなったが、下を向いている時間はない。すぐに迎える水曜日の次節へ向け、今やれる最大限のことをしっかりと積み上げていくしかない。

以上

2009.05.18 Reported by 上岡真里江