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【J2:第16節 横浜FC vs 岐阜】レポート:ポイントは「ミス」との付き合い方。「ミスの誘発」に終始した横浜FCから、「ミスを利用した」岐阜が、貴重な勝点1を持ち帰る。(09.05.21)

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5月20日(水) 2009 J2リーグ戦 第16節
横浜FC 1 - 1 岐阜 (19:03/ニッパ球/2,027人)
得点者:38' 根占真伍(横浜FC)、55' 染矢一樹(岐阜)
スカパー!再放送 Ch182 5/21(木)12:30〜(解説:瀬田龍彦、実況:野村明弘、リポーター:湯本久美)
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 数多くの選手が口にする「サッカーはミスのスポーツ」という言葉がある。システムと戦術が研究が進み対戦相手との差がない状況で、ミスがないまま決着が付くことは稀である。だから、戦術と局面のプレーをフル動員して、相手のミスを誘発し、自らのミスを防ごうとする。つまり、「ミスとの付き合い方」が大事になる。どんな戦術も「ミスを誘発し」、「ミスを利用してゴールに結びつける」という2つの側面を持っている。この試合では、そんなミスへの付き合い方が結果に大きな影響を及ぼした。

 前半は、「横浜の気迫が表れていた」と松永英機監督が振り返るように、ホーム初勝利を狙う横浜FCが、いつもより強烈なプレッシャーを掛けることで試合の主導権を奪う。お互いに中盤のミスが多い展開ながら、横浜FCが徐々にマイボールにする時間を作っていく。「ミスを誘発する」という点では、横浜FCの方が上。ただ、「取ったボールをすぐに前につけて追い越すことができず、ペースダウンをする部分がある」と樋口監督が反省するように、決定機に至らない。もどかしさがつのり始めた38分、自らの個の力で横浜FCが先制点をもぎ取る。右サイドの狭い局面で池元友樹がボールを奪うと裏に抜ける根占真伍にパス。根占が落ち着いて決めて、横浜FCが先制する。勢いづいた横浜FCはそこからボールの動きが活性化するが、追加点を奪えず前半を1-0で終える。前半のシュートは、横浜FCの6本に対して岐阜が1本と、「前半は僕らがゲームをコントロールした」と樋口監督が振り返る通りの展開。しかし、同時に「前半の流れの中で2点目が欲しかった」(樋口監督)というように、横浜FCのチャンスにできる相手のミスは数多く、それをフィニッシュに繋げられないことが、後半の岐阜に反撃の余地を残す事となる。

 1点ビハインドを負った岐阜は、後半布陣を変更する。菅和範をボランチに戻し、高木和正をトップ下に置いて、サイドバーフを高めに置く3トップの形にする。この変更により、岐阜がシンプルながら整理された攻撃を開始する。3トップへの対応でラインが間延びするだけでなく、「高木さんが下がって来て、片桐(淳至)さんも中途半端なところにいて、後半の最初からそのエリアを使われていた」(八角剛史)というように、「ミスを誘発する」面での松永監督の狙いが的中。さらに、シンプルな攻撃は「ミスを利用する」という岐阜の選手の意識を高める。チャンスをシュートに結びつけるという怖さを見せたのは、むしろ岐阜の方。そして、その意識が55分に結実する。横浜FCが相手ゴールキックをクリアミスをすると、そのボールを高木が拾い、追い越した嶋田正吾へ、嶋田が反対側で飛び出した染矢一樹にクロスを送るとそのままゴールにねじ込む。相手のミスにつけ込む完璧なカウンター。ゲーム全体としては多くのミスが存在し、お互いが相手にチャンスをプレゼントする状況で、攻撃の回数は互角だったが、それをシュートと得点に結びつけたのは岐阜だった。後半のシュートは横浜FCが3本に対して岐阜が7本。試合終盤にも決定機を外すなど、横浜FCはもらったチャンスを生かすことなく試合は終了した。

 「ミスを誘発する」面では互角だったが、「ミスを利用する」面では、岐阜に軍配が上がった。これが横浜FCの現在を物語っている。選手が口々に「前半は良い時間を作れた」と語るように「ミスを誘発する」面では成功を収めており、上位に対する対戦でも表現ができている点だ。その点で、イニシアチブを取るスタイルは一定の熟成ができていると言える。一方で「ミスを利用する」観点では、相手に怖さを与えられていない。シーズン前、樋口監督は「イニシアチブ」という言葉とともに「切り替えを早く」という点を強調していた。イニシアチブを取るプレーは、ミスを利用しゴールに繋げるための前段の手段でしかない。ミスを誘発する事に留まるのではなく、点に結びつけるためのアクションを向上させることが必要だ。樋口監督が述べたようにカウンターの部分を磨くことはその1つの方法でだろう。

 岐阜は、けが人が続出し選手の配置で苦労する状況の中、ビハインドを跳ね返せたことは、大きな自信となる。「後半は沢山チャンスがあったし、2点目が取れる試合だった」(染矢)というように、横浜FCのミスも多く、勝ち越せるチャンスも数多くあっただけに、さらに畳み掛けることは今後の課題だが、今後に期待を持たせる内容だった。

 平日のナイトゲームにも関わらずニッパツ三ツ沢球技場に集まった2,027人のファンにとっては、ミスがあまりにも多いゲームで、横浜FCが勝ちを逃すという意味で、もどかしさが蓄積するゲームとなった。ゴールへの意識を高めるきっかけに出来るかどうか、チームとして脱皮の必要性を認識するゲームとなった。

以上

2009.05.21 Reported by 松尾真一郎
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