5月20日(水) 2009 J2リーグ戦 第16節
愛媛 2 - 1 仙台 (19:04/ニンスタ/2,134人)
得点者:39' マルセロソアレス(仙台)、57' 横谷繁(愛媛)、72' 横谷繁(愛媛)
スカパー!再放送 Ch182 5/21(木)17:30〜(解説:大西貴、実況:堀本直克、リポーター:重橋秀香)
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タイムアップの笛が鳴ると、今季2度目の連勝を成し遂げた愛媛の選手たちに笑顔があふれた。と同時に、メインスタンドの観客は、挨拶をして回る選手たちに総立ちで拍手を送り続けていた。開幕戦のホームゲーム、水戸戦以来となる逆転勝利を飾った愛媛。
しかし、前半の45分を終えた時点なら、愛媛のサポーターにとってはどんなに気持ちが強くとも、この結末を信じることは難しかったのではないだろうか。それほど、試合の流れはハーフタイムを境に激変した。
まず、前半は立ち上がりから仙台が完全にピッチの上を制圧した。仙台は連勝中の時のように、両サイドバックまでを絡めた厚みのある攻撃でポゼッションを続け、愛媛を圧倒。「手がつけられなかった」と望月一仁監督は試合後の会見で繰り返したが、愛媛にとって嫌なスペースに次々と仙台の選手がなだれ込み、面白いようにボールが回った。1つ例をあげるなら、26分から27分あたりの展開がそう。愛媛陣内で仙台は左サイドのスローインから、一度は最終ラインまでボールを戻しながら、縦パスでテンポアップ。ダイレクト、もしくはワンタッチで次々と、その間、実に15本以上のパスをつないでマルセロ ソアレスのシュートまで持ち込んだ。
さらに、前半39分に決まったソアレスの先制点の直前にも、仙台のいいリズムが生まれていた。その場面では、左サイドの関口訓充からボランチを経由して右サイドバックの菅井直樹へサイドチェンジ。前半、何度か見られた仙台のこの大きな展開に、愛媛の守備は綻びを見せ始めていたのだ。そして仙台はクロスから、ファーサイドで中原貴之が競り勝ちソアレスが押し込んで先制点を奪った。
この時間帯に、愛媛は完全にディフェンスラインを下げさせられ、内村圭宏とジョジマールのツートップまでもが自陣でボールを奪おうとする苦しい展開に追い込まれていた。しかし、後半に入るといきなりアクセルを目一杯踏み込んで、前に進む姿勢を押し出した愛媛。キックオフからそのまま大山俊輔のミドルシュートにつなげたかと思うと、1分後には三上卓哉のクロスにジョジマールがヘディングで合わせ、さらに1分後には横谷繁が出した裏へのパスへ内村が抜け出す。そして高い位置で奪っては大山、内村が仙台ディフェンスの背後を狙うパスを続けて繰り出すと、前半とは一転。今度は愛媛が仙台のディフェンスラインを押し込んだ。
そして後半4分には、同点ゴールの伏線ともなる横谷の素早いリスタートもあった。このプレーではジョジマールが仙台ディフェンスとGKとの間に飛び込んだが、エリゼウがかろうじてクリア。こうした圧倒的な愛媛ペースの中、前半に見せた仙台のパスワークは影を潜めていった。そして試合後の会見で手倉森誠監督は悔やんだが、前半にはあったピッチの幅を広く使った攻撃が繰り出せず、結果的に仙台は縦1本の単調な攻撃に追い込まれてしまった。
これで完全にペースを乱されてしまった仙台。「自分たちで招いた失点」と梁勇基は反省したが、同点ゴールはその7分前にもあったような、愛媛の素早いリスタートから。アライールのキックから横谷が押し込み、愛媛は同点に追いついた。完全に、仙台の集中力が途切れていた時間帯。さらに仙台のミスから逆転ゴールが生まれた。中盤で不用意にボールを失った仙台は、愛媛のスピードを殺し切れないまま横谷に裏を取られて逆転を許した。この守備の綻びは、前節の徳島戦では勝点2を失うまでに止めたが、今回失った勝点は3。9試合ぶりの黒星、2試合で支払った勝点5という授業料を無駄にしないためにも、仙台は次節の横浜FC戦(5/23@福島)までに今節も明らかとなった守備の課題を克服しなければならない。
その一方で「ラッキーだった」と試合後に謙遜し、繰り返した望月監督。しかし仙台のミスに乗じたとはいえ、仙台に対しても積み重ねてきた愛媛のサッカーを貫けたことは大きい。守備に関しては苦しみながらも「割り切ってゼロでいこうとした」(金守智哉)上で、前半を1失点で乗り切り、後半には攻める守備から反撃へと結びつけた。さらに攻撃では横谷が今季初ゴールを含む2得点の活躍。これまではペナルティエリア外からミドルシュートを放つことが多かった横谷だが、この日の2得点は共にエリア内に飛び込み生まれたゴール。他にもミドルシュートを狙い続けたジョジマールに、ドリブルで仕掛けていった内村をはじめ、第1クールを通して意識付けされてきたゴール前でのアクションが生きていたのは横谷だけではなかった。
最終的に、強敵・仙台を退けて連勝をつかんだ愛媛。第12節の甲府戦で連敗を脱し、上向いてきた試合内容に愛媛は結果と勢いを加えたことになった。次に対戦する相手は、目下4連敗中と苦手にしている鳥栖(5/24@ベアスタ)。第1クール最後の難関を乗り越え、開幕時に並ぶ3連勝を達成できれば勝敗も5分(7勝3分7敗)に戻せる。そうなってこそ、第2クールでの巻き返しへの期待も高まるだろう。
以上
2009.05.21 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
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