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【J2日記】湘南:縁の下の力持ち(09.05.29)

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「怪我人の数もチーム力」とは“暴れん坊語録”のひとつであるが、驚いたことに今季の湘南は怪我人が少ない。開幕前に痛めた金永基はすでに練習に合流しているし、開幕弾が印象深い阿部吉朗も復帰した。ポジション争いは各地で激しさを増すばかりである。

「この時期に怪我人がゼロなんて、ちょっと記憶にないですね」
GWが明けた5月半ば、小嶋久義トレーナーは驚き交じりに、しかしうれしそうに語ったものだ。2001年、京都でトレーナーとしてのキャリアをスタートさせた小嶋は、昨季より湘南での任に就いた。つまり、キャリア9年目にして初めてのうれしい驚きにいま出合っているというわけだ。

今季、湘南はその小嶋と中尾友亮、飯盛誠、そして理学療法士の小川岳史という面々がメディカルを担当している。怪我人が出た際には小川がそのケアに集中し、怪我人がいない場合は小川もほかの3名と同様にトレーナー作業を行なっている。

「怪我はグラウンドで起こるものですから、怪我が少ないことイコール自分たちのおかげとは思ってないですよ。僕らは当たり前のことを一生懸命やっているだけです」小川はそう言って笑みをこぼす。とはいえ、選手たちの肉体を管理するトレーナー陣が怪我の抑止の一翼を担っていることは間違いない。そこには必ずや彼らなりの努力や取り組みが存在する。

やり方自体は去年からとくに大きく変えてはいないのだと、小嶋は言う。ただ、あとに続く話が興味深い。
「だれがどの選手を担当するかといったことは、去年も決めていませんでした。今季はそれをより鮮明にしたかったんです。ですから、監督への報告や全体のコーディネートは自分が行ないますが、実務的なトレーナー作業については担当制を設けていません。1年目の飯盛も試合に出ている選手を診るし、仮に中尾や飯盛が監督に選手の状態を訊ねられてもすぐに答えられるよう心掛けています。そうしてトレーナー全員が選手を満遍なく診ることによって、視野も狭くならないし、トレーナー全体のレベルアップにも繋がる。僕自身にとってもタメになっているんですよ」

トレーナー同士のミーティングによって選手の情報を共有し、ハードディスクに落とし込んだコンディショニングレポートはだれでも取り出せるようにしてあるともいう。1時間ほどのディスカッションを毎日行ない、怪我が発生すればリハビリメニューを皆で考える。またフィジカルコーチのカルロスとも連係し、たとえば昨季怪我の多かった部位を鍛えるトレーニングを意図的に増やしたりもしている。

さらに小嶋は、こんなことも口にした。
「ここまでを振り返ると、試合中ぼくがグラウンドに入る回数が極端に少ないんですよ。それは思うに、試合でイニシアチブを握っているからではないかと。つまり、後手を踏んで無理しなければいけない状況、すなわち怪我に繋がりやすい状況が少なく、いいリズムでチームが流れているから、怪我も少ない。そういう現状を見ると、これはあくまで個人的な考えですが、選手たちがいまのサッカーのスタイルに合っているのかなと思います」

「縦関係はあったとしても、それは主従関係ではない」という小嶋の言葉が印象的だ。実際、湘南のスタッフ欄を見ると役職は一律に「トレーナー」となっており、チーフというような肩書きはない。すべての選手をフラットに見ている反町監督のチームづくりがそうであるように、トレーナーのチームワークを支えているのもまた各々の責任感という柱である。

もちろん、今後どんな事態が起こるかはわからない。それは小嶋とて承知のうえである。
「このまま何事もなく終わることはありえないと思いますが、とにかく僕らは、怪我のない日々をいちにちでも長くできるよう頑張りたい。やっぱり、選手たち皆んなが元気にプレーしていることがなによりうれしいですから」
湘南の縁の下には、リーグで暴れるために欠かせない、心強いメディカルチームが控えている。

以上

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2009.05.29 Reported by 隈元大吾
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