6月7日(日)J2 第20節 熊本 vs 横浜FC(13:00KICK OFF/水前寺)
スカパー!生中継 Ch184 12:50〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:山田法子)
☆勝敗予想ゲーム
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前節は、FW陣のコンディション不良の影響もあって、藤田俊哉を前線の中央に置くという“奇策”に打って出た熊本。しかし、結果として、藤田が前線でボールを収め、あるいは自由に動いてマーカーを引っ張りスペースを作る事で、後方のプレーヤーの前への飛び出しを促し、前半から早いボール回しで湘南の守備陣を翻弄。立て続けに西弘則が左足で2ゴールを奪って首位を慌てさせ、その後今季初のセットプレーからの加点。
……と、ここまでは前々節の鳥栖戦とは内容的にも全く異なり、平塚まで足を運べずテレビで見ていた地元のファンからすれば、11節の東京V戦のように「ホームでやってくれ」と切実に思える試合だった。
だがやはり、J1昇格を狙う上位チームは簡単には勝たせてくれない。「トドメを刺しに行ったんだけど、まだ生きてた」(北野誠監督)。前半に1点、後半にはPKによる1点とロスタイムに1点を奪われて追いつかれ、“負けない強さ”を目の当たりにした。もちろん、堅守の湘南から3点を奪ったという点は評価に値するが、北野監督も金曜日のトレーニング後に「ここで勘違いすると困る」話している通り、言い換えれば「これで勝ちきれないのが今の弱さ」(福王忠世)。これで実に8試合勝ち無しという状況で、特に終盤の時間の使い方、さらには、90分を通じたゲームコントロールの拙さが課題としてある。勝点2と引き換えに手にした教訓を財産として生かせるかどうかが、第2クールに浮上するための1つの鍵になる。
もう1つ忘れてはならないことが、湘南戦の前半に冴えた攻撃を支えていたのが、今年のスローガンである“Keep &Change”の“Keep”の部分、すなわち昨年のコンセプトでもあった“積極的な守備”の姿勢だという点だ。ボールの出どころに対してしっかりとアプローチをかけた上での連動した守備ができていたことで、高い位置で奪って素早く攻撃につなげる事ができたのだが、3点取ったことと3点取られたことで、そうした部分は記憶から薄れてしまいがち。後半途中に足をつる選手が続出したのは、前半からそうした“汗かき走り”がなされていたことの裏返しでもあり、今後はそのペース配分も必要になるにせよ、結局は、いかに相手より早く動き、いかに相手より多く走れるかが問われるということでもある。
さて、今節迎える横浜FCは現在勝点10の最下位と、開幕から大きく出遅れている。初勝利が9節の水戸戦、その後は6連敗を含めてこちらも8試合勝ち無しと、第1クールはわずか1勝に終わった。第2クールのスタートは愛媛に快勝して長かったトンネルを脱したかに見えたが、前節はセットプレー1発で福岡に敗れ、いまだ波に乗り切れていないのが実情。しかし、13敗のうち1試合を除けば全て1点差と決して崩れているというわけではなく、愛媛戦のように先制点を奪ってリズムを掴めば全体が好転するポテンシャルは十分にある。
第1クール2節の対戦では木島良輔と宇留野純のゴールで今季初勝利となる逆転勝ちを収めているが、ミスを突かれてPKを献上し先制されており、やはり現在の順位などは関係なく、リスペクトの念を持って臨むべき相手である事は間違いない。熊本同様、先発メンバーが試合によって替わっている事で安定した戦いができていないという面もあるが、愛媛戦で初スタメンながら先制点を挙げた西田剛と、FWの軸になっている池元友樹にボールが収まり、全体がコンパクトに押し上げられて中盤が飛び出してくるような形になると押し込まれかねない。
「動きやサポートの質、距離とか、もともと出来ることがしっかりハマった」(石井俊也)という前節できたことを継続できるかどうか、高い位置からのプレッシャーに対しても、慌ててロングボールを放り込んだりするのではなく、落ち着いてボールを動かせるかどうか。つまり、「相手に合わせるんじゃなくて、しっかり作っていくという自分たちのサッカーをすることが大事」(宇留野)だということ。結果が出ない中で信念を貫くのは勇気がいる事だが、勝点3を手繰りよせるには、それを辛抱強く実践する以外にない。
熊本のホームでの勝利は6節の札幌戦から実に6試合、ちょうど2ヶ月遠ざかっていることになる。横浜FCの1年には及ばないが、それでも喜び方を忘れるには十分な時間。前々節の鳥栖戦でも蓋をされ押し込められた歓喜のエネルギーを解き放つのに必要なのは、勝利という結果しかない。
以上
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次回撮影予定は、6月7(日)の仙台と富山です。
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2009.06.06 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第20節 熊本 vs 横浜FC】プレビュー:8試合勝ち無しの熊本と、窮状から抜け出せない横浜FC。目指すスタイルをどれだけ辛抱強く遂行できるかが、勝敗の鍵を握る一戦。(09.06.07)
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