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【J2:第20節 仙台 vs 岐阜】プレビュー:守備向上が共に復調の秘訣。だが堅さの中に光る「武器」を持つかどうかで、仙台は差を見せたい。(09.06.07)

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6月7日(日)J2 第20節 仙台 vs 岐阜(13:00KICK OFF/宮城ス)
スカパー!生中継 Ch181 12:50〜(解説:都並敏史、実況:松尾武、リポーター:村林いづみ)
勝敗予想ゲーム
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 第1クールに達成した、クラブ新記録の7連勝の後、一旦は引き分け、そして負けと仙台はつまずきかけた。しかし、気がつけばその後は、現在まで3連勝中。せっかく詰まってきた上位2クラブとの差をゼロにし、さらに追い越すためにも、3連勝程度では全く気を抜くことはできないのだが、ともかくチーム状況は再び上向きと表現できるだろう。
 ただ、上向きという点では、今節宮城スタジアムに迎える岐阜もまた同じ。前節の5連敗中だった岡山との一戦よりも、難しい戦いになる可能性がある。

 順位こそ大きく離れてはいるが、両チームのここ数節における復調の要因として共通なのは、守備の立て直しである。
 とはいえ、一言で「立て直し」と評しても、詳細は微妙に異なるわけで、仙台の場合は、失われかけていた守備に対する共通認識の再確認、と言えるだろうか。
 そもそも偶然ではあるが、仙台が前述の7連勝を始める一戦となったのが、第1クールにおけるアウェイでの岐阜戦(第8節)だった。
 直前に行われた当時首位のC大阪戦において、仙台は梁勇基の先制弾から一時はリードを奪いながら、無理に2点目を奪いに行ったことで攻守のバランスが崩れ、結果として悔しい逆転負けを喫した。この敗戦の反省を踏まえると共に、さらに攻撃の核である関口訓充を負傷で欠くことになったことも考慮。続く岐阜戦では、まずしっかりとブロックの守備を形成して、手堅く戦う方針で臨んだ。その結果、試合序盤と終盤にそれぞれゴールを奪い、守っては前へ前へとパワープレー気味に迫ってくる岐阜の攻撃を無得点に抑えて勝利することができた。この勝利がチームに、守備も考慮したバランスの良いサッカーの重要性を教えたといえ、仙台の7連勝(さらに、7試合中わずか2失点という素晴らしい守備)へと繋がっていったのである。
 しかし、連勝を7で止めた、引き分けに終わった徳島戦、そして9試合ぶりの敗戦となった愛媛戦では、再び攻守のバランスを乱す姿が。布陣が縦に間延びし、ルーズボールが拾えないことで、DFラインはどんどん自陣ゴール前に押し込められ、無理して上げたところで今度は裏を突かれるという悪循環に。
 ただ、第1クール序盤と同じ轍を踏んではいけないとばかりに、今回はチームも問題をすぐに共有し、素早い対応を見せた。「今まで失点しているシーンを振り返って見ても、DFラインが上がれなくて全体が間延びしている形が結構あった。それをミーティングで話し、こういう場面ではラインを上げられるということを確認して臨んだのが良かった」(3試合ぶりの勝利となった、第17節横浜FC戦後の関口)、「(連勝が止まった時期は)DFラインを深くしすぎたけど、ビデオで問題を確認し、みんなの意識を共通にできたことで、再びラインを高くできるようになった。ヒラさん(平瀬智行)やマルセロ ソアレスが前からボールを追ってくれることも大きく、前線の選手には感謝している」(今節を前にした渡辺広大)など、自らの修正によって取り戻した長所を、再び失いたくはないという思いで、チームは一つになっている。

 さらに今の仙台には、7連勝時よりもパワーアップした部分もある。それがカウンターに出た際の鋭さだ。5得点大勝となった第18節水戸戦は極端な例としても、守備から攻撃に切り替わった途端、仙台は四方八方からボールを選手たちが追い越していき、流れるように相手ゴール前へ。「守る時はしっかり守り、攻める時に自分たちの色を出せるようになった」というのは手倉森誠監督の言葉だが、昨年まで取り組んでいた「人とボールが動くサッカー」を要所で活かせているところが、仙台のサッカーが「手堅さ=退屈さ」になっていない大きな要因だ。
「岐阜は若いメンバーが多く、勢いに乗ると怖いが、上手くいかないと終盤にぐっと運動量が落ちる。向こうは(選手が)走るが、こっちはボールを走らせたい」(手倉森監督)。その狙いは、果たして今節も実を結ぶか。

 一方の岐阜。開幕から15節までに9敗を喫していたチームが、この4試合は2勝2分と負け無し。成績が改善したのは、時折大量失点を喫していた(3失点が5試合)守備の安定によるものが大きい。負け無しの4試合は全て、1−0の勝利か、1−1の引き分けによるものであり、それこそ序盤の仙台同様、どうすれば勝点を取りこぼさずにいられるかを、チーム全体が体得している最中であるとも言える。前節の水戸戦も、スコアこそ1−1だが、シュート数では自分たちの13本に対し、攻撃を売りとしている水戸のシュートを8本に抑えているなど、大崩れしないスタイルができてきたか。
 となると今節は、まさに試練の一戦となる。おそらくはここ数節同様、今節も岐阜はまず守備の意識高く臨み、奪っては一気に前へ前へ、というのが基本線となるだろう。だが、ほぼ似たスタイルで前節仙台に挑んできた岡山は、前半途中から繋ぎでのミスが出始めた途端、一気に仙台にペースを譲る結果となった。かといってロングボールを放り込むだけでは、第1クール対決時と同様、エリゼウ、渡辺の高いゴール前に弾かれるのみ。このジレンマ、さらにピッチの中央で攻守に大きな貢献を見せていたボランチの菅和範を出場停止で欠く中で、それこそバランスを崩さずにアウェイで戦えるかが、5試合連続勝点をものにできるかの鍵となる。

 最後に試合とは直接関係ないが、仙台サポーターに向けて「業務連絡」。J'sGOALが行っている「J2ゲーフラヶ原の戦い」。仙台は今節が「出陣の時」となっている(実際のところ、前節、試合前にゲーフラの取材に行かなかったのは、今節に取っておきたかったから)。
 西軍の敵は富山。こちらもピッチ同様、サポーターの協力で完勝といきたい。

以上

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★J2クラブサポーターのみなさま!クラブへの熱き思いを旗に!
次回撮影予定は、6月7(日)の仙台と富山です。

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