6月7日(日) 2009 J2リーグ戦 第20節
熊本 1 - 1 横浜FC (13:03/水前寺/4,519人)
得点者:16' 宮崎大志郎(熊本)、68' 難波宏明(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch183 6/8(月)17:30〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:山田法子)
☆勝敗予想ゲーム
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「なんさま勝て!勝て勝て勝て勝て勝て勝て!!」
ゴール裏のフェンスに掲げられた即席の横断幕には、こう書かれていた。ちなみに最初の「勝て」は赤い文字。“なんさま”とは、熊本弁で“とにかく”という意味だ。
「勝て」と7回も書きたくなるぐらい、前回のホームでの勝利から2ヶ月も経ってしまった。加えて前節、首位の湘南に追いつかれたとは言え互角の展開を見せた事もあって、いつも以上に膨れ上がったサポーターの思いが、“なんさま”という言葉を選択させたに違いない。
だが立ち上がりから横浜FCの猛烈なプレスの勢いに押され、熊本はパスミスからピンチを招いたりチャンスを潰したりで、なかなかリズムを作れない展開。それでも前節に続き前線の中央に入った藤田俊哉が自由に動きながらもうまくボールを収めて、そこを追い越していく動きから16分に先制する。藤田から右サイドを駆け上がった山本翔平へとつなぎ、ボールを受けた山本がゴール前へクロス。軌道上に顔を出した宮崎大志郎が右足で放ったシュートは、横浜FCのGK大久保択生が一度は触れたが、マウスの中へ吸い込まれた。
先制された方は前に出て来ざるを得ないが、「コンパクトな状態を作ろうというコンセプトで、ボールの出どころに対して少しでも規制をかけたい」(樋口靖洋監督)という狙いがあった横浜FCのDFラインは、開始直後から高めだった。熊本としては突き放しにかかろうとするが、北野誠監督曰く「連動する部分で、あまりにも中が狭すぎて、攻めるところで少し混乱した」。実際、2本対10本という前半のシュート数に如実に現れている通り、先制してから30分過ぎまでは一方的に押し込まれている。しかし、横浜FCは横浜FCで、25分片山奨典、29分西田剛、31分再び西田、38分池元友樹と、同点に追いつける決定機をことごとく外した。熊本も40分に山本が福王忠世のフィードに反応して抜け出し左足でミドルシュートを放ったが、ややインフロントにかかってポストの右にそれる。
後半に入ると、宇留野純に替わって井畑翔太郎を前線に送って全体のバランスを修正した熊本が、少しずつボールも動かせるようになって流れを引き寄せていくが、こちらも決まらず。お互いに前後の距離が離れて攻守の入れ替わりが激しくなるなか、68分、直前の熊本の攻撃に対する守備からの早い切り替えで右へ展開した横浜FCは、59分に交代出場した難波宏明が「練習していた通りの形」という田中輝和のクロスを頭で決めて追いついた。
その後は熊本が72分に木島良輔、そして83分にはJリーグデビューとなる大迫希、横浜FCは80分に御給匠、82分に須藤右介と、いずれも攻撃的な交代のカードを切って活性化を図ったが、お互いの現状を反映するように双方とも追加点は奪えないまま試合終了。ともに勝点2をこぼした。
横浜FCは、先制されながらも追いついて負けなかった点は良かったと言えるが、16本ものシュートを放ってわずか1点しか奪えなかった。前々節の愛媛戦のように、先制点を奪いさえすれば試合を優位に進められるだけの力があることを考えれば、最下位を脱して浮上するうえでもフィニッシュの精度向上は急務だ。
一方の熊本は2試合連続で追いつかれての引き分けで、これで9試合勝ちがなく、ミスに起因するケースも含めて一瞬の隙を突かれる形で勝点を落としている試合が多いのが気がかり。試合後に「誰が見て誰が行くのか、そういう単純な作業をしっかりやらないといけない」とDF市村篤司が話したように、まずは各々の役割を再確認して、確実に遂行するしかない。しかしシュート数は7本と少なかったものの、ゴールへ向かう意識や、2列目からの追い越す動きは第2クールに入って改善の兆しが見られるようになってきた。北野監督が言うように、スタイルは貫いてベースとなる土台を固めつつ、状況に応じて判断できるような引き出しの数を増やしたい。
スタジアムを出て駐車場に向かうゲート付近で、車座に座り込んだ10人ほどのサポーターの姿が目に入った。負けた訳でもないのに負けたような気分になっていたことで、その場に一緒に座り込んでしまいたかったけれど、二言三言交わして歩き出そうとしたら、「まあ、やまない雨はないですよ」と声をかけられて、「そのフレーズ、今日のレポートに使わせてもらおう」とひらめいたのと同時に、「確かにそうだな」と気づいて、ちょっとだけ気持ちが楽になった。
今日は放出されなかったけれど、2ヶ月分のホームでの勝利の喜びが“溜まった”ではなくて“貯まった”と書くと受ける印象も違って、持ち越されれば持ち越されるだけ大きくなるtotoのキャリーオーバーみたいに、待つ楽しみも延びるし、放出するエネルギーも増えて一石二鳥だ。…けど、たまにドカンと当たって大喜びするよりも、コツコツでも“なんさま”コンスタントに当たってニンマリする回数が多い方が、やっぱりいい。
以上
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★J2クラブサポーターのみなさま!クラブへの熱き思いを旗に!
次回撮影予定は、6月13(土)の福岡&14(日)の札幌、栃木、C大阪です。
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2009.06.08 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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