今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【ヤマザキナビスコカップ 磐田 vs 大分】レポート:前半を制した大分と、後半を制した磐田。だが、どちらも勝ちきる力を欠き、ヤマザキナビスコカップ予選初勝利はならず(09.06.08)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
6月7日(日) 2009 ヤマザキナビスコカップ
磐田 2 - 2 大分 (15:00/ヤマハ/6,298人)
得点者:8' 清武弘嗣(大分)、68' 家長昭博(大分)、73' オウンゴ−ル(磐田)、86' 前田遼一(磐田)
★ヤマザキナビスコカップ特集チケット情報
----------
 前夜の2010FIFAワールドカップ南アフリカ アジア最終予選(日本vsウズベキスタン)で寝不足気味の人が多かった中、前半のサッカーには眠気を催した磐田サポーターも多かったかもしれない。少なくとも最初の45分間は、磐田はほとんど見せ場を作ることができなかったし、逆に言えば大分のほうは、非常に締まったプレーを見せていた。

 この日の磐田は、センターバックの那須大亮をボランチで試すというのは予定通りだったが、相棒となるはずの上田康太が急性胃炎で欠場となり、急きょ成岡翔と那須のコンビでスタート。横浜FMでも経験のあるボランチに意欲的に取り組む那須は、立ち上がりから積極的にボールを奪いにいく姿勢を見せ、前への強さを発揮。その面では良い部分もあったが、成岡も前に出ていくタイプであったため、2人が前に出てボランチとDFラインの間にスペースができてしまう場面が多くなった。
 そのスペースを生かしたのが、大分の前田俊介と家長昭博。システム的には4-4-1-1で前田の1トップに家長のトップ下という形だったが、2人とも前線で前後左右に自由に動き、バイタルエリアにスペースができれば、すかさずそこでボールを受けて、持ち前のキープ力や突破力を生かしながら磐田のDFラインに揺さぶりをかける。
 また、大分は他の選手たちも攻守の切り替えが非常に早く、ボールを奪われてもすぐにコンパクトな守備のブロックを整えて、相手に攻めるスペースを与えない。公式記録では気温24.3度だったが、ピッチ上は強い日差しで夏のような暑さになったコンディションで、前半からホームの磐田を明らかに上回る運動量を発揮した。メンバー的には若い選手が多く、ケガ明けのセンターバック、深谷友基は今季初スタメン。熟成したチーム構成ではなかったが、戦術が全体に浸透していることは十分に感じられた。

 そして、先制点を大分が奪ったことで、試合の流れがより明確になる。前半8分、中盤で成岡のミスをついてボールを奪い、左サイドに流れた家長に素早く展開してドリブルから低いクロス。これをニアの前田がうまくスルーし、フリーでゴール前に入った清武弘嗣が難なく押しこんで、見事にチャンスを生かした。
 これで大分の攻から守への切り替えがますます早くなり、磐田はボールを奪ってもまったく速攻を仕掛けられない状況に。また大分に守備の体制を整えられた状況では、ボールを引き出す効果的な動きが少なく、「誰かがボールを持ったときの、周りの動き出しやサポートが中途半端で、足下、足下のパスが多くなって相手は恐くなかったと思う」(茶野隆行)という状況。ポゼッションはそこそこできたが、前半は惜しいなと感じられるシーンを一度も作ることができなかった。

 後半に入ると、柳下正明監督はなかなか機能しないFW萬代宏樹をあきらめて右MFの太田吉彰を投入し、西紀寛をトップに上げて攻撃の改善を図る。そこで西が、相手のブロックの隙間にうまく顔を出してボールを受けながらパス回しのリズムを作り、太田も右サイドで活発な動きを見せたことにより、攻撃が活性化。交代策の効果が出ると同時に、大分には徐々に疲れが見え始めたことで、少しずつではあるが磐田に流れが傾き、サイドからクロスを上げる場面も増え始めた。
 大分も、後半開始から前田に代えてウェズレイを投入し、ロングボールを収める強さは増したが、運動量という面では低下。家長の動きも少なくなったため、こちらは攻撃のバージョンアップを図ることができず、ウェズレイを試すという色合いが強い交代となった。
 だが、そうした流れの中で次の1点を奪ったのも大分。23分に右サイドから攻めこみ、小手川宏基がドリブル突破して、梅田高志を経由して家長にボールがつながる。そこで家長は、GK八田直樹の動きをしっかりと見て、隙間ができたゴール右に心憎いほど冷静に左足シュートを決めた。
 その後も大分は守備に大きな乱れはなく、流れから言えば今度こそ大分が逃げ切れるかと思われた。だが、28分に右CKからのラッキーなオウンゴールで磐田が1点を返したことで、雲行きが変わり始める。ちなみに、これが磐田にとっては今季のヤマザキナビスコカップ初ゴール。
 そこから磐田がホームでの逆転に向けてさらに攻勢を強め、大分が16試合ぶりの勝利に向けて必死に守る中、「メンタルの影響かどうかわからないが、勝っているときに動きが鈍くなったり、ミスが増えてきたりすることがある」とシャムスカ監督が語ったように、大分のボールへの寄せが一瞬遅れる場面が多くなってきた。
 それを生かして41分に村井慎二が左からクロスを入れると、中央の前田遼一が高い打点のヘッドをゴール右隅に決める。ここぞという場面でのエースの一発で、ついに磐田が同点に追いつくことに成功した。

 ただし、磐田の反撃もそこまで。大分が心身ともに疲弊したところで、終了間際にビッグチャンスを2回作ったが、それを決めきることはできず、2-2のままタイムアップ。
 大分は、2-1になるまでは狙い通りのサッカーができ、個のコンディションという部分でも明るい材料が見えたが、終盤にゲームをコントロールして守りきるという課題は今後に持ち越し。磐田は、終盤に見せた勝利への執着心は今後につながるが、新しいボランチの形はまだまだ追試が必要で、攻撃にも課題が見えた。どちらもある程度の成果はあったが、それを結果に結びつけるには、まだ何かが不足し、ヤマザキナビスコカップ予選での初勝利を挙げることはできなかった。

以上
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着